熱帯魚としてはかなりメジャーな存在である「レッドテールキャット」の名前は、アクアリウムの知識がある方ならば一度は聞いたことがあると思います。
愛くるしい仕草と特徴ある顔立ちが人気で、女性の飼育者も多い熱帯魚です。
今回はそんな魅力的なレッドテールキャットの特徴をご紹介します。
レッドテールキャットはどんな魚?
レッドテールキャットはアマゾン川を中心に、南米に生息しているナマズの仲間です。
他の魚とは違い標準和名が存在しない為、観賞魚としてのインボイス名である「レッドテールキャット」が通称となっています。
その名の通り尾びれが赤く、丸みを帯びた形状になっているのが大きな特徴で、野生個体や輸入されたばかりの個体は特にこの赤みが強いと言います。
レッドテールキャットはナマズの仲間ですので、ナマズ目の特徴である長いひげを持っています。
しかし他のナマズ目とは違って6本ものヒゲを持っているのもこの種の特徴でしょう。
また体色は黒もしくは灰色で、腹側は白くなっています。
背中側と腹側で体色がハッキリ分かれている等、他と比べると特徴的な面が目立ちます。
レッドテールキャットの生態
レッドテールキャットは肉食性のナマズなので、自然界では主に小魚やエビ、カニ等の甲殻類、昆虫など食します。
口が大きく、基本的に口に入るものであれば何でも食べるので、時には大きな魚を丸のみする事もあります。
夜行性で主に夜間に活動し、昼間は木の陰や巣穴に隠れています。
レッドテールキャットは雌雄の区別がつき難く、雌は雄に比べて細身である、頭が丸い等とも言われています。
しかし、実際には明確な判別方法がなく、ペットショップでも雌雄を把握してない事が多いです。
レッドテールキャットはその人気と身近さに反して、実は分かっていないことが多く、詳しい生態なども不明な点が多いです。
雌雄の区別だけでなく、繁殖の条件も詳しく分かっていないようで、その為日本では専門機関を除いて繁殖の成功例はほとんどないと言います。
レッドテールキャットの性格
レッドテールキャットは基本的に陽気な性格をしており、大変に人懐こい事で知られます。
熱帯魚には珍しく、犬や猫の様に飼い主に懐き、姿を見かけると近寄ってきて手などにじゃれる事さえあります。
こういった可愛らしい行動もレッドテールキャットの人気のひとつなのでしょう。
しかし飼育者である人間には友好的ですが、他の熱帯魚に対してはそうではありません。
レッドテールキャットは縄張り意識が強く、貪欲で大食漢なので、他の魚を見かけると直ぐに食べてしまいます。
大きな魚であっても噛みついて攻撃するなど、凶暴な一面があります。
特に同じナマズと一緒の水槽に入れるとケンカをすることが多いので、基本は単独飼育が望ましいでしょう。
レッドテールキャットの飼育
レッドテールキャットは上記したように混泳には向かないので、飼育するのであれば単独飼育が基本になります。
しかしそれ以外には特に気を付ける点などはなく、飼育そのものは非常に易しいと言えるでしょう。
元々ナマズの仲間である為か、水の汚れや水温変化には非常に強く、熱帯魚であるにも拘らず、そこまで高い水温でなくても飼育が可能です。
またエサもえり好みせず、基本的に何でも食べてくれますので、手が掛かりません。
しかしレッドテールキャットは、決して初心者向けの魚であるとは言えません。
何故ならばレッドテールキャットは成長すると非常に大型になり、成長のスピードも非常に早いからです。
熱帯魚ショップでは4㎝~5㎝程度の個体が多く販売されていますが、順調に育てば半年で60㎝~80㎝を超える事さえあります。
レッドテールキャットの体長は最大で120㎝と言われており、他の熱帯魚の様に小さく育てる、所謂「盆栽飼育」が出来ない種類だとされています。
その為レッドテールキャットを最後まで育てるのであれば、180㎝~200㎝の大型水槽が必要になってきます。
レッドテールキャットの寿命と値段
レッドテールキャット非常に長生きする熱帯魚です。
飼育条件にもよりますが、少なくとも10年は軽く生きるようです。
身体も大きく、寿命も長い為、最後まで面倒みられるかどうかをよく検討する必要があります。
レッドテールキャットは人気の熱帯魚ですので、比較的安価で販売されている事が多いです。
今出回っているレッドテールキャットは、4㎝~5㎝位の稚魚がほとんどですが、凡そ1000円~2000円位で販売されている事が多いです。
勿論場所や状態にもよって価格はピンキリですが、小型の個体であれば、目安としては数千円前後と考えれば宜しいでしょう。
レッドテールキャットの特徴を知ろう
レッドテールキャットは熱帯魚の中ではかなりの人気種で、観賞用ナマズの中では1番人気と言っても良いでしょう。
しかしレッドテールキャットはかなりの大型種ですので、飼育するのであれば相当な大型水槽が必要となってきます。
最近では多摩川等でレッドテールキャットが放流されるケースが多く、外来魚問題として取り沙汰されています。
レッドテールキャットの飼育を考えている方は、ちゃんと最後まで飼えるかどうかをよく考える必要があるでしょう。