熱帯魚を購入した時は小さいビニール袋などに入っている事も多いでしょう。
窮屈そうで早く水槽に移したいと思うかもしれませんね。
しかし、何も考えずに移してしまうと、負担がかかることもあります。
ですので、きちんと手順を踏んで水合わせをするようにしましょう。
温度を同じにする
人間でもそうですが、今までいた場所から急に温度の違う空間に移動させられると驚くのではないでしょうか。
呼吸をする時に吸い込む空気の温度が違うと、びっくりする事もあるでしょう。
場合によっては体にも負担がかかってしまう事もありますし、急激な温度変化は思っている以上に体にとって良くありません。
それは熱帯魚も同じことです。
新しい水槽に水を張ったら、熱帯魚をビニール袋のままそこに入れてあげましょう。
ビニール袋にはこれまで生活してきた水が入っていると思いますが、そのままの状態で入れてあげます。
ビニール袋が浮いてきそうで心配かもしれませんが、中には水が入っていますので大丈夫です。
水槽の中でもうまく沈んでくれるでしょう。
ひもの部分をどこかにひっかけ、しばらくそのままの状態で放置しておきます。
こうすることで水質は変えないまま、温度だけを先に揃えることができます。
だいたい30分くらいで良いでしょう。
水質を合わせていく
水の温度がだいたい揃ってきたら、次は水質を合わせていきしょう。
熱帯魚の様子を見ながら行います。
ビニール袋を少し開け、3分の1くらいの水を出して水槽の水と入れ替えましょう。
このとき、熱帯魚を驚かせないようにそっとやります。
そして水槽の水がビニールの中に入ってきたら、10~15分くらい様子をみましょう。
なかなか見た目ではわかりにくいかもしれませんが、水槽の水が中で馴染むのを待ちます。
温度を合わせるときもそうですが、熱帯魚が少しびっくりする時もあるでしょう。
水の中で慌てたようにウロウロすることもありますが、やはり水の温度や水質の変化などを感じ取っているのかもしれません。
状態が落ち着くまで待ってあげると良いでしょう。
熱帯魚の様子を見ながら、後2回くらい繰り返して水質を合わせていきましょう。
いよいよ水槽の中へ
温度と水質を揃えたら、いよいよ熱帯魚を水槽の中に入れてあげます。
ここまでするのに少し時間がかかりましたから、一気に流し込みたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
でも、それはやめておきましょう。
確かにイメージだと、ビニールの中は水槽の中とほとんど変わらない状態かもしれません。
しかし、一気に流し込むと熱帯魚に負担がかかってしまいます。
勝手に人が移し替えるという事はあまりしない方が良いでしょう。
水槽の中でゆっくりとビニールを開けましょう。
熱帯魚を驚かせないようにそっと開けて、横向きにしておきます。
ついここでビニールの外から指で押して出したくなりますが、少し我慢しましょう。
熱帯魚が自分から水槽の中に泳いで出ていくまで待ってあげます。
中にはなかなか水槽に出ていかない場合もあるかもしれませんが、気長に待ちましょう。
新しい環境になれるまでには時間がかかるものです。
水槽に熱帯魚を入れた後は
やっと水槽に移し替えることができたら、しばらくはそっとしておいてあげましょう。
水温や水質を合わせて慎重に水合わせを行いましたが、やはり新しい環境になったことには変わりありません。
慣れるまでしばらく時間が必要でしょう。
また、まだ環境に慣れていないので、エサをあげるのはもう少し待った方が良いでしょう。
水もキレイですし、食べ残しがあると汚れてしまいます。
しばらくエサをあげなくてもすぐに具合が悪くなるというものでもないので、そっとしておいてあげましょう。
そして、落ち着いてきたなと思ったら、エサをあげていきましょう。
もっと慎重に水合わせをやりたい場合
初心者が飼う場合は比較的飼いやすいものを選ぶと思いますので、これまでのやり方で十分でしょう。
多少時間はかかりますが、やり方としては特に道具も必要なく簡単です。
ただ、中にはもっと神経質で飼育しにくい熱帯魚を飼う場合もあります。
ちょっとの負担でもそれが致命傷になることもあるでしょう。
そういう時は、これまで以上にもっと慎重に水合わせをする必要があります。
ゆっくりと水合わせをしたい時は、点滴法というやり方で行っていくと良いでしょう。
その名の通り、点滴をするように水を移動させていきます。
少し準備が必要ですが、それほど難しいやり方ではありません。
エアチューブなどを使い、水槽の水を1滴ずつ移していくという方法です。
特に決まりはありませんが、点滴をするように少しずつ水を移すことができれば大丈夫です。
1滴ずつなのでかなり時間もかかりそうですが、さすがにこれだけゆっくりすれば負担も少なくて済むでしょう。
熱帯魚の水合わせはとても大切
熱帯魚の水合わせは必ず行いましょう。
早く水槽で泳ぐ姿をみたいというのもわかりますが、何もしないで入れてしまうと負担がかかって弱ってしまいます。
これから長く飼い続けたいなら最初が肝心です。
少し時間はかかりますが、水温、水質など手順を踏んでゆっくりと水に馴染ませてあげることが大切です。