エンゼルフィッシュの様な華やかな熱帯魚を飼育していると、次から次へと別の種類の魚を飼育してみたくなります。

それは仕方のない事ではありますが、水槽という閉鎖空間で飼育する以上、どうしても相性の良し悪しはあるものです。

そこで、エンゼルフィッシュと混泳に向く熱帯魚と、そうでない熱帯魚はどういった種類のものがあるのかご紹介します。

コリドラスは混泳OK

熱帯魚を混泳させるときに、恐らく一番に名前が挙がるのがこの「コリドラス」でしょう。

コリドラスは水槽の下層部を泳ぐ魚ですので、中層部を泳ぐエンゼルフィッシュと泳ぐ層が被らず、ケンカをすることがほとんどありません。

加えてコリドラスは性格も非常に温和で協調性に富むため、エンゼルフィッシュを害する行動を取ることはまず無いと言っても過言ではないです。

また見た目の可愛らしい種類や、体色の艶やかな種類のものも多くいるので、華やかなエンゼルフィッシュと混泳しても見栄えを損ないません。

その他にもコリドラスは「水槽の掃除屋」の異名を持ち、水槽の底に溜まったエサの食べ残しを食べてもくれるので、水槽の清潔さを保つ為にも一役買ってくれます。

飼育方法も比較的簡単で、初めて飼育する方でも安心して飼育できるのもオススメできるポイントです。

プラティも混泳OK

プラティを初めとする、卵胎生のメダカの多くはエンゼルフィッシュとの相性が良く、よく混泳されている事があります。

卵胎生のメダカの中でもプラティは比較的大人しく、陽気な性格をしていますから、エンゼルフィッシュにも臆する事は少ないです。

またメダカの仲間なので、身体も丈夫で飼育もし易く、体長も5㎝前後とそこそこ大きさもあるので、食べられてしまう心配もありません。

しかし、これは成魚の場合であって、稚魚ですとエンゼルフィッシュに食べられてしまう事が多いので、プラティの繁殖を考えている場合は、別の水槽に移す必要があります。

ネオンテトラも混泳OK

ネオンテトラは初心者向けの熱帯魚として知られ、他の魚との混泳もし易い種類の魚です。

エンゼルフィッシュとの混泳には比較的メジャーな熱帯魚として知られます。

ネオンテトラは非常に大人しく温和で、小型魚であることも手伝って、エンゼルフィッシュに攻撃される事は少ないと言います。

また群れで飼育すると非常にキレイで、単体で飼育するよりも安定しますので、より混泳はし易くなります。

しかし、小型のネオンテトラと大型のエンゼルフィッシュとを混泳すると、エンゼルフィッシュがネオンテトラをエサとして認識して食べられてしまいます。

混泳するのであれば、ある程度大きなネオンテトラを選びましょう。

スマトラは混泳NG

スマトラはエンゼルフィッシュとの混泳に向かない熱帯魚の代表格で、飼育本や雑誌にも載るほどに相性が悪い熱帯魚です。

スマトラは基本的に気性が非常に荒く、エンゼルフィッシュを初めとしたヒレの長い熱帯魚を襲ってかじるという問題行動をよく起こします。

また動きも機敏で運動量もとても多い為、あまり泳ぐ事が得意でないエンゼルフィッシュと混泳すると攻撃される危険性が非常に高いです。

スマトラの中にも温和な個体はいる事はいますし、「白スマトラ」「モスグリーンスマトラ」等の品種は比較的大人しい部類に入りますが、それでも混泳はまず出来ないと考えた方が良いでしょう。

こう書いてしまうとスマトラは凶暴で気の荒い嫌な魚の様に思われますが、飼育自体は比較的楽で、身体も丈夫で体色もキレイなので単体で飼育するのであれば魅力的な魚です。

ディスカスも混泳NG

エンゼルフィッシュは「熱帯魚の女王」と呼ばれますが、ディスカスは「熱帯魚の王様」と呼ばれる魚です。

共に色彩豊かで特徴的な体格をしている為、混泳したいと考える方もいると思います。

しかし、エンゼルフィッシュとディスカスは混泳には向きません。

エンゼルフィッシュは成長と共に気性が荒くなり易い熱帯魚です、それに対してディスカスは種類によっても異なりますが、臆病で神経質な魚です。

しかもこの2種は水槽内での泳ぐ層も同じである為、何かと衝突しやすく、気の荒いエンゼルフィッシュがディスカスに突進して死なせてしまった、なんて話もよく聞く程です。

加えてエンゼルフィッシュが、初心者向けのグッピーやネオンテトラと同じかそれ以上に丈夫な魚と言われているのに対して、ディスカスは非常に繊細で、些細な事で体調を崩したり弱ったりしやすい魚です。

一緒にしてしまうとディスカスの方が最初に参ってしまいます。

王様と女王様は一緒の水槽で飼えないのです。

エンゼルフィシュとの混泳なら気性の荒くなくて小さくない魚を

エンゼルフィッシュは成長するに従い気性が荒くなり易く、またその特徴的な体格のせいで泳ぎもあまり得意ではありません。

故にエンゼルフィッシュとの混泳を考えているのであれば、同じように気性の荒い魚や、機敏な魚、口に入る大きさの小型魚はオススメ出来ません。

元々エンゼルフィッシュは癖の強い熱帯魚ですので、それを考慮した上で混泳に臨みましょう。