クマノミと一口に言っても、様々な種類のクマノミがいます。

恐らく、ほとんどの人が最初にイメージするのは、映画「ファインディング・ニモ」で一躍有名になった「カクレクマノミ」でしょう。

しかし、その他にも魅力的な種類のクマノミは沢山います。

そんな魅力的なクマノミの代表的な種類と、特徴をご紹介します。

カクレクマノミ

日本で最も有名なクマノミと言えば「カクレクマノミ」と言っても過言ではないでしょう。

身体に白い3本のラインが入った、キレイなオレンジ色の可愛らしいクマノミです。

他のクマノミと比べて体色が鮮やかで、フォルムが丸みを帯びているのが特徴です。

また、カクレクマノミの最大の特徴として挙げられるのが「イソギンチャクとの共生」です。

カクレクマノミは多くの場合、ハタゴイソギンチャク等のサンゴ礁に生息するイソギンチャクと共生状態を保っています。

普段はイソギンチャクの周りを泳いでいますが、外敵などが近づくと、イソギンチャクの中に逃げ込んで身を守るのです。

どうしてそんなことが可能なのかと言いますと、実はカクレクマノミは身体から特殊なたんぱく質を含む粘液を分泌し、それで身体を覆う事によってイソギンチャクの毒の触手にも刺されずに済むのです。

その為、カクレクマノミを飼育する際は、ハタゴイソギンチャクやサンゴイソギンチャク等と一緒に飼育するのが望ましいでしょう。

カクレクマノミはクマノミの中でも温和で大人しく、飼育難易度も高くはありませんので、初めての方はこの種類のクマノミから飼育する事が多い様です。

ハナビラクマノミ

カクレクマノミよりは知名度が低いですが、この「ハナビラクマノミ」もまた、カクレクマノミに負けず劣らず可愛らしいクマノミです。

ハナビラクマノミは背骨とエラの部分に、それぞれ白い1本のラインが入った、淡い桃色の体色が特徴的な大変愛らしいクマノミです。

このクマノミもまた、イソギンチャクと共生をする種類のクマノミですが、あまり泳ぐ事が得意ではない為、イソギンチャクへの依存性はかなり高いです。

このイソギンチャクとの密接な関係もまたハナビラクマノミの特徴で、自然界ではイソギンチャクから離れる事はまず無いと言われています。

ですので、ハナビラクマノミを飼育する際は、イソギンチャク一緒に飼育するようにします。

そうすると病気などもし難く、健康に飼育できるでしょう。

ハナビラクマノミは自然界ではセンジュイソギンチャクと共生することが多いので、飼育するときもこの組み合わせが望ましいです。

クマノミ

〇〇クマノミ、という名前のクマノミばかり有名になっているせいで、あまり脚光を浴びる事は少ないですが、この「クマノミ」こそが全てのクマノミの中で最も一般的で、数の多いクマノミです。

沖縄などの海では何処へ行っても見かけると言われる程に多く生息していて、比較的浅瀬にも住む事ができます。

「クマノミ」の特徴は何といっても、その逞しさでしょう。

一部のイソギンチャクとしか共生出来ないカクレクマノミ等のクマノミとは違い、「クマノミ」はどんなイソギンチャクとも共生が出来ます。

その為、サンゴ礁以外の浅瀬でも見かける事があります。

また、時にはイソギンチャクから飛び出して、敵に攻撃をする事さえある果敢ささえ持ち合わせています。

イソギンチャクへの依存度は低く、普通の魚のように泳ぎ回っている事が多いので、クマノミ特有の可愛らしさは少ないですが、その分、丈夫で飼育もし易いのが特徴です。

ハマクマノミ

「クマノミ」に次いで、多く見かけるのがこの「ハマクマノミ」です。

オレンジというよりは赤に近い鮮やかな体色と、エラ周りに白いはっきりとしたライン、目の周りの黒い模様が特徴的なクマノミで、「クマノミ」同様に浅瀬でもよく見かけます。

ハマクマノミは臆病な性格の多いクマノミの中にあって、非常に獰猛で気の荒い性格をしています。

水槽に指など入れると噛り付いてくる事さえあります。

こういった性格のせいかあまり混泳などには向かず、同じクマノミ同士であっても相性が悪いとケンカをしてしまいます。

ハマクマノミを飼育するのであれば、単独で飼育するのが無難でしょう。

またハマクマノミはハナビラクマノミ同様に、イソギンチャクへの依存性が高く、傍を離れる事はまず無いと言われています。

ハマクマノミは自然界ではタマイタダキイソギンチャクと共生する事が多いので、可能であればこの組み合わせで飼育してあげると良いでしょう。

意外と知られていないクマノミたち

映画の影響で大変な人気を博したクマノミですが、カクレクマノミ以外のクマノミを知っている人は意外と少ないです。

上記したクマノミは何れも代表的な種類で、飼育もし易く、初心者でも飼い易いタイプのものを選びました。

またクマノミの多くは雌雄一体で、1つの群れに1匹しか雌はいませんが、雌がいないと身体の大きな雄が雌に性転換する性質があります。

その為、後から飼育数を増やすと、雌同士で壮絶なケンカを起こし易くなります。

クマノミを飼育するならば、最初から決まった数だけを飼育した方が良いです。