アルジイーターといえばやはり水槽内のコケを食べてくれる「コケ取り生体」というイメージがあるのではないでしょうか。

ここではアルジイーターの生態や特徴などをご紹介します。

アルジイーターの基本情報

アルジイーターは小さい時には一見、オトシンクルスにも似ておりナマズ目だと思われがちですが、実際はコイ目、ギュリノケイルス科、ギュリノケイルス属に分類されています。

東南アジアを流れるメコン川やチャオプラヤ川、マレー半島北部の川に生息しています。

流れの強い特徴がある環境なので飼育下でも水流を好みますが、水流がなくてもとくに問題なく飼育できます。

飼育環境としてはph6.0~8.0と広い範囲で適正とされますが、採取地のphにも差があるので水合わせは慎重に行う必要があります。

水温は25~28度が適正ですが30度程度でもとくに大きなダメージを受けることはません。

自然環境下では15~20年ほどの寿命があり、最大では30cm以上にも成長することが報告されています。

ショップで見かけるアルジイーターは小さいものばかりです。

水槽飼育でも寿命は10年を超えることがありますが、自然環境下のように最大サイズにまで成長することは難しいようです。

アルジイーターの種類

アルジイーターは大きく2種類があります。

ひとつは普通のアルジイーターで、もうひとつはゴールデンアルジイーターです。

ゴールデンアルジイーターはアルジイーターから品種改良された種類です。

寿命や飼育環境などはアルジイーターと同じです。

アルジイーターよりもゴールデンアルジイーターのほうが美しいと評価されているため、ゴールデンアルジイーターのほうが流通量が豊富で、一般的に価格も高いことが多くなります。

アルジイーターの食性

アルジイーターは自然環境下では自生している水草やコケを主に食べますが、魚や川に落ちた動物の死骸なども食べる雑食性です。

しかし前述したとおり雑食性なので、栄養が豊富で食べるのにも苦労しない人工飼料などに慣れてしまうと、わざわざコケを食べようとはしようとせず、コケに見向きもしなくなることが多くなります。

もともと水流が強い川に生息しているので泳ぎも早く、タンクメイトよりもエサに飛びつくのも早いです。

そのため、人工飼料を与えたくなくてもどうしても人工飼料を食べることとなります。

そのためコケ取り生体としてお迎えをしてもコケを食べてくれるのは始めだけで、次第にコケを食べなくなることがほとんどです。

もし鑑賞用ではなく、「コケ取り生体」としてお迎えするのであればアルジイーターよりもオトシンクルスや石巻買などのほうが良いでしょう。

アルジイーターの混泳について

アルジイーターは幼魚・小さい時には大人しい性格のため、どんな生体と混泳させても他の生体に危害を加えるようなことはありません。

しかし成魚になったり、周囲が自分よりも小さい生体となると、水槽内を追い回してつついたりすることがあります。

そのストレスなどから混泳相手が弱り病気になり、ときには死なせてしまうということも珍しくありません。

なかには他の生体を追わないような温和な性格を持っているものもいますが、そこは個体差になるので期待はしないほうがいいでしょう。

もしアルジイーターをお迎えする場合には「性格が荒くなった時にはどうするか」というところまで考えておく必要があります。

アルジイーターの飼育環境

アルジイーターの飼育環境はコケ取り生体としてお迎えするのか、観賞用としてお迎えするのかにもよります。

観賞用でもコケ取り生体としてでも共通する点もあります。

アルジイーターは比較的大きく成長するので、小さくても60cm規格の水槽を準備することが望ましいです。

また水温が低いと活動性が低下して最悪死んでしまうこともあるのでヒーターは必要です。

観賞用としてアルジイーターをメインでお迎えするのであれば、とくに気を使うことはありません。

もともと水流を好むので、水流の強い濾過器を選ぶか水中モーターなどで水流をつくると、アルジイーターの本来の泳ぎなど、特徴的な様子を観察することができるでしょう。

コケ取り生体としてお迎えするのであれば、混泳相手もいることでしょう。

もし将来的に混泳相手が追われることがあるのであれば、水草やオブジェクトを入れて他の生体が逃げやすく、隠れやすい環境を整えてあげましょう。

アルジイーターの特徴を知ろう

アルジイーターはコケ取り生体としてよく知られていますが、実際に飼育したことのあるアクアリストからしてみれば「コケは食べない生体」「暴れん坊」として知られているものです。

アルジイーターをメインで鑑賞したいのであればお迎えもいいですが、コケ取り生体としてお迎えするのはリスクが高いようです。