その特徴的な身体付きと、優雅に泳ぐ姿で人気のエンゼルフィッシュは「熱帯魚の女王」と呼ばれる程に美しく、他の熱帯魚とは一線を画す存在の魚です。

控えめな姿をしたものが多い淡水魚の中にあってその美しさは格別で、誰しも一度は見惚れた事があると思います。

そんなエンゼルフィッシュの飼育を考えている方の為に、今回はエンゼルフィッシュの飼い方のポイント、値段、寿命についてご紹介します。

混泳には注意する

エンゼルフィッシュは、その長いヒレで優雅に泳ぐ姿が天使に例えられる程美しい魚です。

しかしその美しさとは裏腹に、気が強くて相性の良し悪しがハッキリしている面がある為、一つの水槽で混泳させるには注意が必要です。

特に「スマトラ」との相性の悪さは有名で、一緒に飼育するとエンゼルフィッシュのヒレをかじって食べてしまうので、混泳はまず無理です。

他にもグッピーや、小型の魚、エビ等との混泳も止めた方が良いでしょう。

エンゼルフィッシュは口に入るサイズのものならば、基本的に何でも食べてしまいます。

小さなうちはまだ良いですが、成長して大きくなったら他の魚を食べてしまった、なんて話もあります。

混泳をしたいのであれば「プレコ」や「コリドラス」と言った水底を泳ぐ魚とならば、さほど衝突はせずに飼育できます。

またエンゼルフィッシュは成長の過程で同種間でのケンカが発生する事が多いので、複数飼育がしたいのであれば、なるべく大きい水槽での飼育をオススメします。

大き目の水槽で飼育する

エンゼルフィッシュは見た目に反して非常に丈夫な魚です。

熱帯魚が飼える環境であれば、基本的に特別な機材や飼育方法は必要とせず、初心者でも飼育は容易です。

しかしエンゼルフィッシュは中型の熱帯魚で、成長すると10cm以上になります。

その為、小さな水槽での複数飼育は難しくなります。

また小さな水槽だと、ストレス等で折角の美しいプロポーションが崩れやすくなってしまいますから、出来るだけ余裕のある水槽で飼うのが飼育のポイントとなります。

目安としては、60cm水槽で4~5cmの個体ならば7~8匹、10cm程度の個体ならば4匹程度にしておきましょう。

上記しましたが、エンゼルフィッシュは成長するに従って同種間での争いが多く発生します。

その過程で弱い個体は弱って死んでしまう事も多いので、稚魚からエンゼルフィッシュを育てたいならば、その事を考慮した上で購入しましょう。

ろ過能力の高いフィルターを使う

エンゼルフィッシュは口に入るものならば何でも食べてしまうほど大食漢な魚です。

当然の事ながら糞も大量に排泄します。

飼育数が多いならば尚更で、あっという間に水が汚れてしまうので、なるべく、ろ過能力の高いフィルターを用いるようにした方が後々便利です。

またエンゼルフィッシュはその体の形故に、遊泳能力が低く、俊敏に動くことが苦手です。

ですから強い水流が発生するフィルターを使うと、余計なストレスを与えてしまいますので、成るべく水槽内に強い水流が発生しない様に工夫する必要があります。

エンゼルフィッシュを飼育するならば「外部ろ過フィルター」か「上部ろ過フィルター」がオススメです。

外部ろ過フィルターはろ過材を沢山用いる事が出来るのでろ過能力が高く、供給ポンプを工夫すれば強い水流も発生しにくいです。

上部ろ過フィルターもまた、ろ過能力が高くて酸素の供給も多く、水流が発生しにくい様に工夫もし易いフィルターです。

エンゼルフィッシュの値段と寿命

エンゼルフィッシュは大きさや模様等によって値段が変わりやすい様ですが、小さな個体で安価なものならば千円程度、普通で数千円単位、ある程度の大きさで模様のキレイなものは1万円前後が相場としては多いでしょう。

また外国産か国産かによっても値段は変わってきます。

基本的に外国産のものは安価なものが多いですが、その反面弱った個体がいたり、病気を持っている場合があります。

国産のものは高品質で丈夫な個体が多い反面、外国産に比べると3~5割程度割高な傾向があります。

寿命に関して言えば、平均して5年程度と言われています。

しかし、良好な飼育環境下であるならば10年近く生きる個体もいる様です。

元々中型の熱帯魚である為、グッピーなどに比べると長生きするので、中には15年も生きた個体もいるそうですが、そこまで生きるのは恐らく稀でしょう。

エンゼルフィッシュの飼育を考えるのであれば、大体10年を目安にして飼育計画を立てるのが無難でしょう。

エンゼルフィッシュに長生きしてもらおう

エンゼルフィッシュは初心者向け熱帯魚の代表種とも言える魚で、非常に丈夫で飼育し易く、初めての方にもオススメ出来る熱帯魚です。

しかしエンゼルフィッシュを購入後、すぐに死なせてしまったという話をよく聞くことがあります。

これは飼育方法が悪いのではなく、熱帯魚ショップに居た時には既に弱っていたり、病気に罹っていたりしているケースがほとんどです。

こういった事態を防ぐためにも、エンゼルフィッシュを購入する際は、その個体がいつ入荷したかを店員さんに聞く、数日かけて様子を見る、等して下調べをしてからにしましょう。

弱ってさえいなければ、グッピーやネオンテトラと遜色ない程に丈夫なので、安心して飼う事が出来ますよ。