大きな体の側面に、キレイで発色の良い体色と、美しい模様が楽しめるグラミー。

体色や柄だけでなく、サイズも多種多様で、同じ種類でもいろいろな楽しみ方ができる熱帯魚です。

入手もしやすく値段も手頃なため、初心者でも飼育しやすい魚でもあります。

そんなグラミーの生態や特徴についてご紹介します。

グラミーの基本情報

グラミーはアジアやマレー半島、東南アジアなどの淡水に生息する熱帯魚です。

グラミーと名前の付く魚はかなりの種類がありますが、すべて淡水で生活する魚です。

数十種類の品種があり、それぞれで大きさは異なりますが、一般的なグラミーは5〜10cm程度のものが多いです。

体の特徴もそれぞれの種類でかなり異なります。

グラミー全体としては、体の側面がとても広い、平べったい体型をしているものが多くいます。

そのため美しい体色と、細かな模様が楽しめる熱帯魚として人気です。

グラミーの体でいちばん目を惹く特徴は、体の下方向に長く伸びた触覚のようなものでしょう。

もともとは腹ビレだったものが変化して、長く糸状に伸びていったのだと考えられています。

一見すると触覚や足のようににも思えますし、ちょっと風変わりな感じに見えますよね。

豊富にある品種

観賞魚として最もよく見かけるのはドワーフグラミーと呼ばれる種類ですのものです。

大きなものでも体長は6cmくらいで、比較的可愛いサイズのグラミーです。

かなりいろいろな改良品種があり、オレンジや青味の強いものなどたくさんの種類がいます。

ドワーフグラミーよりも少し小さな体のハニードワーフグラミーという種類も存在します。

こちらはさらに小さく、体長は4cmくらいの種類です。

ゴールドを基調として、尾びれにポイントのように赤色のついたハニードワーフグラミーは特に人気の種類です。

古くから飼われているグラミーにチョコレートグラミーという品種があります。

名前のように体は大部分がチョコレートの色に近いような褐色ですが、白いラインが何本か入っています。

ヒレが白く縁取られていて、シックな佇まいの中にもポップな感じがあります。

グラミーの性格

グラミーは比較的穏やかで温和な性格のものが多く、他の熱帯魚との混泳にも向いていると言えます。

少し臆病な性格でもあるので、水草などの隠れ家があると良いでしょう。

一方で、縄張り意識のある熱帯魚で、ちょっと攻撃的な性格の品種も中にはあります。

キッシンググラミーなど、オス同士で激しいケンカをすることもあるので注意しましょう。

値段

グラミーには品種もたくさんありますし、やはり希少性の高いものや大きくなる個体は高くなる傾向にあります。

それでもよく見かけるドワーフグラミーの場合なら、1匹200円〜500円くらいのものが一般的です。

柄の美しいグラミーや、希少性の高いものでは2,000円程度のものを見かけることもあります。

グラミーは品種によって飼いやすさも異なるため、いろいろと調べてから購入する方が良いでしょう。

手頃な価格で購入できるものが多いので、買い始めるときにはいろいろ選択肢も増えてくると思います。

グラミーの生態とエサ

グラミーは、概ね弱酸性から中世の水質を好む種類が多いです。

サンゴ礁などの水質をアルカリ性にするようなオブジェや砂は使わない方が良いでしょう。

また、泳ぐ力がそれほど強い魚ではないので、強い水流は苦手としています。

縄張り意識もあるので、特に繁殖させたい場合には、その辺りを気にかけてあげましょう。

エサに関しては、あまり好き嫌いをするような魚ではありません。

しかし、口は小さく泳ぐのも早くないので、同じエサを食べる魚と混泳させるときには少し注意が必要です。

エサは体の発色にも影響を与えるので、栄養価には気を付けてあげるようにしましょう。

人工飼料だけでなく、ブラインシュリンプやすりつぶしたアカムシなどが良いと言われています。

グラミーの寿命

グラミーの場合は、品種によって体長がかなり違うので、寿命も大きく異なってきます。

熱帯魚としてよく飼われているドワーフグラミーやハニードワーフグラミーなどの品種は、寿命が3〜5年くらいのものが多いです。

オスフロネムスグラミーなどの体長が大きくなる品種は、その分寿命も長くなる傾向にあります。

体長が50cmを超える種類もあるので、そうした種類では10年以上生きることもあります。

繁殖させるには

グラミーには品種によりさまざまな繁殖の方法を取るので、非常に興味深い魚でもあります。

一般的なドワーフグラミーはオスが気泡を作り、メスがその中に散乱するという手法を取ります。

こうした方法を取る品種をバブルネストビルダーと言いますが、水草を浮かべてあげると泡の巣を作りやすくなります。

マウスブルーダーという、卵を口の中で孵化させる種もいるので、それぞれの繁殖方法に合わせてあげましょう。

また生まれてきたばかりのグラミーの稚魚はかなり小さいです。

成魚でさえ口が小さいので、当然普通のエサを稚魚が食べることはできません。

そのため、ビネガーイールなどのごくごく小さなエサを用意してあげる必要があります。

グラミーのことを知ろう

グラミーは、アクアリウム初心者にも飼育しやすいと言われています。

それほど手間がかからず、水質についても適用性があるので、気軽に挑戦してみたい熱帯魚の一つではあります。

体色の美しさはもちろん、独特の造形や、ゆったりと水中を漂う姿は、見る人を癒してくれます。

グラミーの中には繊細な品種もいますが、飼育や繁殖の難易度から言っても非常に魅力的な魚ですよね。

いろいろな種類がいるので、ぜひ一つだけでなく、いろいろな種類の飼育にもチャレンジしてみてください。