その原始的で素朴な外観と、鮮やかな体色で最近人気を集めているエンドラーズ。

水質への適応能力や繁殖力の高さもあり、水槽のメンテナンス役としてもアクアリウムファンの注目を集めています。

そんな初心者でも飼育しやすい熱帯魚と言われているエンドラーズの特徴についてまとめてみました。

エンドラーズの基本情報

エンドラーズは中南米を原産とするメダカの仲間の熱帯魚です。

熱帯魚の定番中の定番であるグッピーと、ごくごく近い系統にある魚です。

体長は3〜6cmくらいで、グッピーよりは少し小さめとなっています。

現在ではグッピーなどとの交配や改良が進んでいて、いろいろな色や柄のものが存在しています。

エンドラーズのオスは、体全体がメタリックでとてもキレイな体色を持っています。

もともとの原種では、体全体がメタリックなブルーやグリーンで、赤が挿し色のように入っています。

メダカの仲間には多いのですが、エンドラーズもメスはオスに比べるととても地味な体をしています。

また、メスの方がオスより大きく成長して、オスの2倍ほどになる個体もいます。

エンドラーズの歴史

エンドラーズは「エンドラーズ・ライブベアラー」と呼んだりもします。

アメリカのエンドラーズ教授がベネズエラの湖から持ち帰ったことで存在が広く知られるようになりました。

日本では、エンドラーズ好きの人たちから、親しみを込めて「遠藤くん」と呼ばれていたりします。

一般的に飼育されるようになってから日が浅く、いろいろとその生態についてはわかっていないことも多くあります。

グッピーとかなり近い種であり、出回っているエンドラーズはグッピーとの交配が進んだものも多くなります。

原種であるエンドラーズ自体も、もともと個体によって体の特徴が異なるものも多かったそうです。

現在では、その飼育の容易さや繁殖しやすさから人気がどんどん上昇しています。

簡単に入手できるのに加え、いろいろな派生種が楽しめるため、日本だけでなく世界中でファンが増えています。

エンドラーズの性格と飼育環境

エンドラーズはとても穏やかで静かな性格の熱帯魚です。

グッピーのようなケンカっぱやさはないので、他の熱帯魚との混泳にも適していると言えるでしょう。

メダカの仲間は群泳させるのに水の量が多めの方が好ましいとされています。

あまり小さな水槽に入れすぎず、じゅうぶんに余裕のある状態にしておきましょう。

エンドラーズを飼育するときの好ましい水質は弱酸性から中性です。

しかし、グッピーよりも弱酸性の水への適応力が高く、とてもそれほど水質に神経質になる必要はありません。

水温は23〜25℃くらいと、ごくごく一般的な環境で飼育できます。

エンドラーズはあまり水温が高い環境は好まないので、28℃以上にならないように気をつけましょう。

エンドラーズのエサ

特にエサの選り好みはしないので、一般的な小型の熱帯魚用のエサが使用できます。

普段のエサは体の発色にも影響を及ぼすので、栄養バランスを考える必要があります。

人工飼料や、ときどき冷凍赤虫などを与えてあげると良いでしょう。

稚魚が生まれたときには栄養価の優れているブラインシュリンプなどをあげてもよいでしょう。

寿命と気を付けたい病気

エンドラーズの寿命は2~3年と言われています。

特定のかかりやすい病気や遺伝性の疾患は、現在のところ知られているものはありません。

しかし、観賞用の熱帯魚の宿命でもあるカラムナリス症には気をつける必要があります。

カラムナリス症は、発症する部位によって「尾ぐされ病」や「鰓ぐされ病」とも言われたりします。

もともと魚が持っているカラムナリス菌は、健康な魚には感染せず影響はありません。

ですが、どこかケガをしていたり弱っていたりすると感染してしまい、菌の出す酵素で感染部位を溶かしてしまいます。

感染するとなかなか完治させるのが難しいと言われているので、水質の管理には気を付けましょう。

ヒーターやエアレーションが魚の体を傷つけたりしないか、その配置にも気を考慮してあげましょう。

エンドラーズを繁殖するときの注意

エンドラーズは比較的繁殖も容易で、健康な魚なら一ヶ月に一度のペースで産卵をします。

グッピーのように、親が稚魚を食べてしまうことも少なく、手軽に繁殖を楽しむことができます。

繁殖されるときに注意することは幾つかありますが、特筆すべきものとしてグッピーとの混泳はやめた方が良いでしょう。

グッピーと非常に近い仲間であり、いっしょの水槽に入れていると簡単にグッピーと雑種交配が起こってしまいます。

現に、普通に出回っているエンドラーズの多くは、グッピーとの交配が進んで増えたものが多いです。

系統を維持するためには、できるだけそうした雑種交配は避けた方が良いでしょう。

また同じ系統で累代していくと、だんだんと鮮やかな体色が失われやすくなります。

鮮やかな色や模様を保ちつつ、同じ系統を維持していくのには、親魚の選択が大切になってきます。

エンドラーズのことを知ろう

ネオンテトラやコリドラスのように、とても飼いやすい魚としてエンドラーズはぜひオススメしたい熱帯魚です。

グッピーの仲間ではありますが、グッピーほど水質や混泳に気を使う必要もありません。

これから水槽の定番として、もっと人気が出てくるのではないでしょうか。

性格も穏やかで、水質の悪化にも強いので、初めての熱帯魚やアクアリウム初心者でも挑戦しやすいと思います。

繁殖させるのも比較的簡単なので、次のステップとしてチャレンジしてみたいですよね。

ただし、遺伝的にグッピーとの交配が進んでいる種類が多いこと、それからグッピーとは交配しやすいので注意してくださいね。