観賞用に飼育されている魚というとやはり派手で目立つものが好まれるようです。
しかし、世の中には身近にいるにも関わらず、意外と知られていない魅力的な魚も存在します。
その中の一種がチョウセンブナという魚です。
チョウセンブナとは
チョウセンブナは20世紀全般に朝鮮半島から輸入された魚です。
別名をジシンブナ、トウギョ(闘魚)とも呼びます。
全長は5cm~7cmぐらいで背びれと尾びれが長く伸びているのが特徴です。(オスの方が長い)
色は未熟な個体ではそれほどではありませんが、成熟した個体、特にオスは朱に青が混じったような美しい色になるようです。
生息地は海外では朝鮮半島や中国の長江などの河川に分布しています。
日本でも新潟、長野、岡山などに生息していると言われますが、農薬などの影響で現在、その数は非常に少なくなっています。
元は外来種ですが国内では保護種とされている珍しい魚でもあります。
チョウセンブナの性格、特徴、混泳について
チョウセンブナは気性が荒くなる繁殖期などを除いては基本的に温和な性格をしています。
他の種類、同種類共にそれほど混泳に難しさはないでしょう。
しかし二匹で飼育するとケンカをしやすくなることもあるようなので、できれば3匹以上で飼育することが望ましいとされます。
また、チョウセンブナはおとなしいですが他の魚に攻撃されることがあるので注意しましょう。
混泳できる種類については、チョウセンブナが食べられないサイズや攻撃されない種類であれば、広い範囲で可能です。
特にカマツカという魚は糞を食べてくれるので、水槽内が清潔に保てるようです。
また、特徴的なのが子育てで、オスが泡巣を水草の合間につくるという習性があり、かいがいしく世話をする様子など独自の生態を観察することができます。
チョウセンブナの購入、値段
チョウセンブナは美しいですが、他の観賞魚に比べて地味なイメージがあるようで、ペットショップに入荷することがそれほど多い魚ではありません。
しかし春や夏にはショップにちらほらいることもあります。
河川などで捕獲することも可能ですが、場所によっては保護対象になっている地域もあるので気をつけましょう。
値段についてはそれほど高額ではないようで、おおよそ500円~800円ぐらいで購入できるようです。
またこのチョウセンブナは水質変化、気温変化などに強く、ラビリンス器官という自ら水中から酸素と取り込める臓器を持ち合わせています。
エアレーション(水流で酸素を送る物)等が必要なく、水槽設備も安価で済むという利点もあります。
チョウセンブナの寿命、健康
チョウセンブナの寿命は3年ほどと言われています。
元々は水質・水温変化にとても強い魚ですが、病気を治療するために行う薬浴が難しいなど、いったん病気になると完治が難しいなどの面を持っています。
病気を防ぐためには適度な水質を保つことが大切になってきます。
そのためにはエサの食べ残しはこまめに取り除く、一回のエサをたくさん与えないようにして水質が濁らないようにするなどの工夫が必要です。
チョウセンブナが一度で食べ残しをせず食べきる量が適量です。
そのようなところに気をつければ、エアレーションなどの設備もいらず、水温管理に使うヒーターやクーラーもそれほどつけなくてもよく、非常に飼いやすい観賞魚であると言えます。
適水温は20℃~30℃、水質はPH6、0~7,5です。
チョウセンブナの飼育
チョウセンブナの飼育は一般的な45cm水槽から、ビン、コップ、ボトルなど多種多様な容器で可能です。
魚の美しさや水草などをアレンジして楽しむボトルリウムにも適した魚であると言えるでしょう。
また、本来気温等の変化等に強い魚ですので、管理に気をつければ屋外で飼育することもできるようです。
睡蓮鉢などに水と水草を入れてチョウセンブナを飼います。
この場合ミジンコなどの自然発生した微生物を食べます。
一方、水槽飼育においてのエサは人工飼料、ベタ用のエサを与えます。
顆粒のエサが量を見極めやすく、水も汚しにくいのでオススメです。
野生下ではイトミミズ、アカムシなども食べています。
食べ残しは必ずキレイにしましょう。
水槽内にはアナカリス、マツモ、ウォータースプライト、睡蓮などの水草を入れてあげるとよいでしょう。
他にも魚同士がケンカするような兆候があれば隠れ家や流木などをレイアウトしてあげるとよいでしょう。
チョウセンブナの特徴を知ろう
チョウセンブナは国内にもいる魚ですが、実は意外と知られていない魚です。
熱帯魚に比べるとやや地味に思えるかもしれませんが、よく見ると朱や青の色合いがとても美しく味のある姿をしています。
飼育も比較的難しくなく初心者でも飼うことができます。
興味を持ったならば一度熱帯魚店で探してみましょう。