一見すると真っ黒でちょっと不気味な見た目のブラックゴーストですが、熱帯魚としてはマニアックな人気があります。

その不思議な生態や、一風変わった泳ぎ方から、飼育して楽しむファンも多くいます。

そんなグラックゴーストの特徴と、飼い方のポイントをご紹介します。

ブラックゴーストとは

ブラックゴーストといえば、何と言ってもその真っ黒な体に目を惹かれます。

熱帯魚と聞いて一般的に想像する華やかなイメージからはあまりにかけ離れています。

その特異な姿が逆に強烈なインパクトとなり、マニアックな魅力を持っている魚です。

ブラックゴーストは南米原産のナイフフィッシュという仲間の一つです。

別にナイフフィッシュという古代魚も存在するのですが、ナイフフィッシュとは別のグループに属しています。

ブラックゴーストはデンキウナギと同じグループに属していて、なんとなくその生態も似ています。

というのも、目は退化しており、視力はほとんどありません。

ごく微弱な電流を発しており、それを使って障害物やエサなどを探しています。

ごくごく一般的なブラックゴーストは500〜1,000円くらいで購入できます。

稀にいる背びれが大きなセルフィンブラックゴーストは、2,000〜3,000円程度で販売されています。

ブラックゴーストの外見的特徴

真っ黒な体以外にも、ブラックゴーストにはいくつか目を引く特徴があります。

まず、尾の部分に入っている白いラインが、少し茶目っ気を感じさせます。

そして、体の側面にある、エラの後ろから尾まで伸びている長いヒレをなびかせるようにして泳ぎます。

この独特なヒレにより、前だけではなく後ろ方向にも進めるので、泳ぐ姿がなんとも特徴的に見えます。

アクアリウムショップでは、5〜10cmほどのブラックゴーストをよく見かけます。

しかし、飼育して成長すると30cmくらいの大きさまで育ちます。

泳ぎ回ったりすることはありませんが、とても泳ぎはうまく、単独飼育なら狭い水槽でも飼うことができます。

ブラックゴーストを飼育するには

飼育するのはそれほど難しい魚ではなく、水槽の環境には神経質になる必要はありません。

水質は弱アルカリ性から中性が基本となります。

弱酸性の水質でも飼育はできますが、急な水質の変化は苦手なので避けてください。

水温は23〜28℃くらいがいちばん過ごしやすいようです。

ブラックゴーストは冷たい水を苦手としているので、25℃前後を目安に維持するのがベストです。

水質や水温に関しては、一般的な熱帯魚の飼育環境と言えます。

また、夜行性なので、暗いところのほうが活動が活発になります。

水槽の中には土管などの隠れ家を用意してあげるようにしましょう。

ブラックゴーストの食性とエサ

基本的には何でも食べてくれますし大食いなので、与えるエサに困ることはありません。

生きエサはとても好んで食べるため、飼い始めには赤虫などを与えるのが一般的です。

エサに関しては少し神経質なところがあり、慣れるまではあまり口をつけないことがあります。

しかし、いったん慣れてしまえば人工飼料でもよく食べてくれるようになります。

赤虫だけでは栄養が偏ってしまうため、人工飼料を主に与えるようにしましょう。

ブラックゴーストの性格

夜行性ということもあり、見た目は非常におとなしい魚です。

臆病な性格でもあり、普段は物かげやシェルターに隠れていることがほとんどです。

攻撃的な性格ではありませんが、同種間では殺し合いのケンカをしたりするようなことがあります。

静かにしていることが多いのですが、そうした攻撃性も持っておりのだと覚えておきましょう。

ブラックゴーストと混泳できる魚

一言でいうと、ブラックゴーストは混泳には向いていません。

大きく成長する魚でもあるので、基本的には単独での飼育が良いでしょう。

まず、同種との複数飼育ですが、ブラックゴーストはお互いに電流を発して周囲の様子を探っています。

ですので、狭い水槽では他のブラックゴーストの電流がストレスになってしまうようです。

激しいケンカをしたりするので、複数飼育の場合はじゅうぶんに広い水槽とシェルターなどの準備が必要になります。

また、他の熱帯魚との混泳ですが、ブラックゴーストの発している電流が他の魚のストレスになってしまいます。

ブラックゴーストが他の魚の鱗やヒレをかじったりすることもあるので、あまりオススメできません。

混泳させる場合、ある程度の小競り合いをしても気にしないのであれば混泳は可能です。

しかし、小型で泳力の弱い魚にとっては、ブラックゴーストはとても危険な存在なのでやめておきましょう。

ブラックゴーストの寿命と病気

体が大きく成長する魚なので、それに応じて長生きする魚です。

だいたい5年以上は生きると言われていて、10年ほど生きるブラックゴーストも珍しくありません。

長生きさせたい場合には、単独で攻撃相手がなく、なるべくストレスの少ない環境で飼育しましょう。

基本的には体が丈夫ですが、気を付けたいのは病気に白点病があります。

体の表面が柔らかく、若いブラックゴーストは表面にとても傷がつきやすい状態です。

そのため、急激な水質や水温の変化により、白点病が起こりやすい傾向があります。

飼育し始めるタイミングや、水換えの時には、一度に全部替えず、少しずつ慎重に行う必要があります。

ブラックゴーストの特徴を知ろう

ブラックゴーストはちょっとアクの強い感じはありますが、独創的な姿に魅力を感じる人も少なくないはずです。

水槽に慣れてしまえば飼育も難しいことはなく、のんびりを飼うことができる魚です。

ちょっと普通の熱帯魚に飽きてしまったり、水槽が空いてしまったときにはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

よく見ると目はとても小さく、愛嬌のある顔をしています。

女性の方でも、ブラックゴーストの飼育の魅力を感じていただけるのではないでしょうか。