魚を飼っている方ならば分かるかと思いますが、水槽の水は案外汚れやすいものです。
放って置くと臭いを放ちますし、魚の健康にも良くありません。
しかしこの水替えという作業は中々難しいものです。
どの位水を変えたらいいのか、その間に魚はどうしたらいいのか、など気を使わなければいけない点があります。
水槽の水替えはどの様に行っていけば良いのかご紹介します。
水槽の水は全て取り替えない
水槽の水替えをする上で重要なのは、全ての水を変えてはいけないという事です。
水槽の水は一見すると透明で、水道水と変わらない様に見えますが、水槽の水には「バクテリア」と呼ばれる微生物が住んでいるのです。
このバクテリアなのですが、糞や餌の食べ残しを分解してくれたり、魚にとって有害な物質を無害にしてくれたりと、魚たちが生きていく上で必要不可欠な存在です。
水槽の水を全て変えてしまったらバクテリアが居なくなってしまいますので、余程汚れている場合等を除き、水槽の水はある程度残す様にします。
水替えの量の目安としては、飼っている魚の種類や数にもよりますが、大体3分の1程度から半分を目安にしましょう。
水替えの頻度はどの位か
水替えの頻度は、水槽の大きさ、魚の数や大きさ等によって異なりますが、その目安として1週間から10日に一回位が適切です。
一見汚れていない水槽でも、水の中には魚にとって有害な物質が溜まってしまう事が有ります。
バクテリアがいればその有害な物質を分解してくれますが、飼っている魚が多かったり、餌をあげ過ぎている場合などはバクテリアの働きが追い付かずに、汚れが溜まってしまうのです。
また水が汚れない様に飼育していたとしても、水替えを怠っていると水の中にある「栄養」が無くなってしまいます。
こうなると魚の健康にも良くないので、例え水があまり汚れていなかったとしても、最低月に1回は水替えをする様にします。
床を汚さずに水替えをするには
小型の水槽なら水替えは楽ちんですが、大型のものとなるとそうはいきません。
大型水槽の場合は、水が床などに零れたりしない様に、「排水ポンプ」等を用いると便利です。
最近では電動式の物などもあり、態々水槽を排水場まで運ぶ必要もありませんし、好きな量だけ水を変える事が出来ます。
また排水の際には底に沈んでいる糞や食べ残し等も一緒に吸い取ってしまえば、水替えと一緒に掃除も出来ますので一石二鳥です。
水替えの時に魚はどうするのか
基本的に魚は入れたままで水替えを行います。
水槽の水を全て変えてしまう様な大掛かりな水替えならばいざ知らず、魚が泳げる水位が残っているならば残しておくのが無難です。
その方が魚にも負担が少なく、水替えも大変にならないからです。
また初心者の方で水替えに慣れてない場合や、大型水槽の為時間がかかる場合などはエアレーションをして酸素を供給しておく事をオススメします。
大掛かりに水替えを行うならば、魚は手や網などですくうのではなく、小さな容器などで水ごとすくう様にしましょう。
人の手で触れられる事や、水から出される事は魚に大変な負担とストレスを与えてしまいます。
水の作り方
水替えの際に新しく入れる水は、ある程度手を加えておく必要が有ります。
まず最初はカルキ抜きをします。
水道水には塩素などの魚にとって良くない物質が含まれているので、カルキ抜きでそれを除去するのです。
出来ればカルキ抜きの他にも、水の中の重金属を無害化するコンディショナーや、市販の栄養添加等を行うと尚良いです。
最近ではカルキ抜きとコンディショナー、栄養添加等が一体化した便利なものも販売されています。
次に新しく入れる水と、水槽に残った水を同じ水温にします。
魚にとって急激な水温の変化は大きな負担となります。
水温を同じにしておく事で、新しい水により早く慣れる様なります。
水槽の水が温かいなら、予めぬるま湯を用いて水替えをする等の工夫をすることがオススメです。
また水替えの量が3分の1程度ならばあまり必要有りませんが、半分以上水替えを行う場合はいきなり新しい水を入れるのではなく、少しずつ時間を置いて入れる様にしましょう。
水温だけではなく、水質の急激な変化も魚には良くないのです。
魚の種類によっては弱ってしまう事や最悪死んでしまう事も有り得ます。
目安としては、新しく入れる水の3分の1を入れて10~30分程待ってからまた3分の1入れる、と言った具合に少しずつ慣らしていきます。
水槽をいつも魚に最適な環境にしよう
魚類を飼育していると避けて通れないのがこの「水替え」です。
最近では水替え頻度を少なくする薬品等も販売されているようですが、やはり魚の健康な育成やキレイな水槽を保つ為には水替えは必須です。
魚にとっての水は人間にとっての空気と同じです。
そう考えたら水替えの重要性がよく分かると思います。
本来は大海原や川に生きている魚を水槽と言う小さな容器で飼育するので、より良い環境を作ってあげたいですよね。