メダカの寿命はどの位か。自然環境で2年で飼育環境で4年程度

日本人にとって大変なじみのある魚、メダカ。

今では、生息地が激減し、自然の中で見る事も少なくなってきました。

最近では、人工的な飼育下で作られた様々な品種も出回っているようです。

今回はそんなメダカの寿命をご紹介します。

飼育下での寿命は3~4年

ずばり飼育下での寿命は3~4年です。

うまく飼育すれば5~6年生き続ける例も珍しくありません。

多くのメダカ愛好家が長年飼育した結果、だいたいこれくらいは生きる事がわかっています。

もちろん、飼育下においても数カ月で死んでしまう場合もありますが、平均するとこのくらいです。

さて、ここで言う寿命についてですが、人間の寿命と言ったら「何の病気にもかからずに純粋に老衰で死ぬ」という事を想定していますが、メダカは小さな魚ですので、どういった原因で死んだのか分からない事も多いものです。

ですので、メダカにとって最適な飼育環境の中で多くのメダカが生き続けた期間を、メダカの生理的な寿命と考えています。

つまり、上手く育て続けた時に「生き物として」それくらいは生き続けられるということですね。

自然環境下での寿命は1~2年

一方、自然環境下でのメダカの寿命はほぼ1年、長くて2年と言う事がわかっています。

同じメダカなのにどうして、そんなに違うのでしょうか?

それは、自然環境では温度変化や水質変化も大きく、餌を安定して得られるとも限りません。

また、病原体や寄生虫も周囲にたくさん存在しますし、メダカを捕食する天敵も数多くいます。

そのような環境下で長生きする事は至難の業でしょう。

自然環境では1年に一回産卵しますが、その産卵という一大イベントで多くの個体は力尽きるのです。

よって、自然環境下での寿命は、生態的な寿命と言う事が出来ます。

では、飼育環境下でどうやって長寿なメダカを育てるかを順番に見て行きましょう。

長寿のための餌

餌は市販のメダカの餌でも十分と言えば十分です。

各メーカーさんがメダカの生理的特性を考えて、様々な栄養素をバランスよく配合しています。

ただし、栄養豊富なために、食べ残しのないように適量を与える事は言うまでもありません。

より長寿を目指すのなら是非とも餌に「生きたミジンコ」を与える事をオススメします。

生きたミジンコは与えすぎても水質を悪化させることもなく、何よりもメダカの大好物。

最近では通販でも手に入れる事が出来、そこから自分でも増やす事ができるので、メダカ好きならミジンコ繁殖にも挑戦してもいいかもしれません。

長寿のための水質

メダカを買う時の水は、言うまでもなくカルキを抜いた物を使います。

そして、ある程度、有用なバクテリアが含まれている「たね水」である事が望ましいです。

個体の密度は、エアレーションがなければ3リットルの水に対して1匹くらい、エアレーションやろ過器があった場合は1リットルに1匹くらいが適量です。

これ以上の密度にすると、メダカ自身にもストレスになり、病気にもかかりやすくなります。

長寿のための水温

水温変化に対してメダカはかなり強い魚です。

生存可能な水温は2℃~40℃とかなり幅があります。

外で飼っている場合、表面に氷が張っていても、底の方でじっといますし、真夏のお湯の様な水の中でも泳いでいます。

しかし、メダカにとって最適な水温(だいたい20℃~28℃)で過ごさせてあげたいものです。

その方がストレスも少ないですし、活発に動き回って餌もよく食べ、時期が来れば産卵もするようになります。

長寿のための日光

そして、意外に重要なのが日光。

全面的に直射日光が当たる環境は水温変化が激しくなるためにオススメできませんが、部分的にでも水槽に日光が当たるようにしましょう。

これは、メダカが日光(紫外線)に当たる事で、骨格形成を促進し、病気にもかかりにくくなるためです。

水温が上がりすぎないように注意しながら、メダカに日光浴をさせるのも長寿には大事な要因です。

そして、日光が当たる時間によって、季節を察知し産卵する時期も決まってきます。

稚魚の時が一番死にやすいのです

もしあなたが成魚を手に入れたなら、上記の事に注意すれば3~4年のメダカの天寿を全うさせることができるでしょう。

しかし、卵の孵化からメダカを育てるとなったら、話は違ってきます。

メダカの稚魚、特に孵化後1週間くらいしか経ってない稚魚(針子と言います)は、環境変化に非常に弱い存在です。

ちょっとした水温や水質の変化によって死んでしまいます。

与える餌をよく吟味しなければ稚魚は食べられなくて死んでしまいます。

また、親と同じ水槽に入れておくと、親が稚魚を食べてしまいます。

このような事に注意して最適な環境を維持しても、孵化した稚魚がすべて生き残る事はまずありません。

この時の死んでしまう原因は、はっきりした事はわかりませんが、元々遺伝的に弱い個体だったのかもしれません。

自然環境下では、さらに生存率が低下してしまいます。

メダカの稚魚は多くの水棲生物にとっては、絶好の餌となりますし、環境変化も飼育下の比ではありません。

外で飼育する場合、かなり自然環境に近い部分も多いので、稚魚の生存率はかなり低くなるでしょう。

成魚では絶好のメダカの餌となるボウフラも、稚魚にとっては捕食者、つまり稚魚を食べてしまう存在になります。

庭の鉢に飼っている場合など、ボウフラがわいたら稚魚は食べられてしまいます。

それくらいにか弱い存在なのが、メダカの稚魚です。

孵化直後からのメダカも含めるとメダカの平均寿命はもっと短くなるかもしれません。

しかし、生き残った稚魚が成魚となり4年以上その個体を育てることができれば、感慨もひとしおとなるでしょう。

メダカの寿命を延ばすには飼育環境が大切

メダカの寿命を延ばすには、普段の飼育環境が重要なポイントとなってきます。

少しでも一緒に暮らせるように、メダカの様子には気を付けて育てていきましょう。