メダカの卵

昔から、歌にも歌われてきたメダカ。

確実にメダカを増やすためには、産卵がとても大切です。

ではメダカが産卵するのに良い時期はいつなのでしょうか。

春から秋にかけて

一般的に春から秋にかけてと言われています。

春と言えば、何月からでしょうか。

カレンダーの上では3月からが春ですが、それではまだ早すぎます。

日本は縦に長い国で、寒い地方、暖かい地方があります。

暖かい地方では4月から、そうでない地方では5月からが産卵の季節の初めと言えるのではないでしょうか。

自然のカレンダーでは、雪が解け、田んぼに水が入り、田植えが終わったころ、メダカは安心して産卵できるのでしょう。

では、生み終わる秋はいつまででしょうか。

これも、地方によって異なりますが、遅くても10月まででしょう。

夏は水が熱すぎて、親のメダカが疲れてしまうため、産卵が難しくなるようです。

日照時間による産卵期

ではなぜ、メダカに春がわかるのでしょうか。

人間も、カレンダーが作られるずっと以前から、太陽の動きで一日の活動を組み立ててきましたが、メダカも太陽の光によって生活しています。

日照時間(昼間太陽が地表を照らす時間)が、13時間以上になると、メダカは卵を産み始めます。

現代のカレンダーでいうと、春分の日から役一月後、4月半ばくらいになります。

家庭でメダカを飼っているときは、ライトなどをつけて日照時間を調節してやれば、産卵をコントロールすることができるでしょう。

日照時間が13時間以上、という条件では、9月半ばまでで産卵が終わることになります。

水温が保たれていれば、10月まで産卵する場合もあります。

一方、日照時間が長すぎると、逆に産卵しにくくなるという研究もあります。

最適な日照時間は、14時間程度という説が有力です。

温度による産卵期

もう一つ、日照時間と同じくらい大切なのが水温です。

メダカが産卵し、繁殖できる適温は、18℃から25℃と言われています。

日照時間が十分でも、水温が低いと産卵はできません。

地方によって野生メダカやヒーターを使わない水槽での産卵時期が異なってくるのです。

室内の水槽で、ヒーターを使わず飼育した場合、水温が18℃以上になるのは4月も半ばに入ってからでしょう。

ヒーターを使った場合は、水温は一定に保たれているので、日照時間で産卵期を迎えさせることができますね。

真夏に産卵を休むのは、水温が高すぎ、メダカの体が弱ってしまうためと先ほど書きましたが、夏でも水温を適温に保ってやれば、産卵を続けて行うことができます。

日照時間や水温が保たれていても産卵しない場合

日照時間と水温、二つの条件がメダカの産卵に必要だということをご紹介しました。

しかし、実際にメダカを飼ってみると、なかなか卵を産まなくて困ったりします。

そういう時は、メダカがまだ成魚になっていなかったり、栄養の不足で弱り気味だったり、ということが考えられます。

また、振動や騒音などのストレスでも、産卵しないことがあります。

栄養のあるエサを十分に与えて、静かな環境に置けば、産卵が始まるでしょう。

春に産卵が始まる理由

もう一つ、春に産卵する大きな理由が、メダカのエサです。

メダカは、プランクトンをエサにしています。

このうち、植物プランクトンは、太陽の光で繁殖するため、春になり日照時間が多くなると、冬より数が増えます。

それをエサにする動物プランクトンも同じように春から数が増えてきます。

すると、またそれを食べた親のメダカが栄養をつけ、産卵できる体になる、というわけです。

生まれたばかりの小さな小さな子メダカのエサは、植物プランクトンが主です。

そのためにも、春からメダカの繁殖期が始まるのでしょう。

メダカの産卵時期を見極めよう

メダカの産卵時期については以下のようにまとめることができます。
1.4月から10月。ただし、地方による。
2.日照時間が13時間以上。
3.水温が18℃から25度程度。
4.植物プランクトンの栄養が豊富である時期。

水盤やカメなどを使って屋外で飼う場合、また、水槽にヒーターやライトをつけて屋内で飼う場合と、家庭によって飼い方は様々ですが、メダカの繁殖に挑戦してみてください。

元気な子メダカをたくさん増やし、楽しいメダカ生活が送りましょう。