可愛らしいルックスと小さなスペースでも飼いやすい手軽さから人気のメダカ。
産卵期を迎えたメダカは毎日のように卵を産み、上手に育ててあげればどんどん子供が増えていきます。
寿命の短いメダカを飼育する上で繁殖させ、増やすということも、楽しみのひとつですね。
そこで、小さな稚魚を育てるためにオススメのエサを成長の度合いに合わせてご紹介します。
生まれたばかりの稚魚へのエサ
メダカの稚魚は一般的に針子と呼ばれるほど、細く小さなものです。
しかし、よーく目を凝らして観察してみると、孵化したてのメダカにはヨークサックといって、お腹に袋のようなものがついています。
生まれてからの数日はこの袋から養分を吸収しているため、エサやりは不要です。
数日たってヨークサックが無くなった頃からエサを与え始めるのですが、まず初めにメダカの稚魚はどんなものをエサと認識するのか。
稚魚に関わらずメダカは、自分の口の大きさに入るものしかエサと認識しません。
そこで、生まれたばかりの小さな稚魚にはそれに見合った小さなエサを与える必要があります。
1番簡単な方法は、ホームセンターやペットショップ等で市販されている稚魚専用の飼料を与えること。
稚魚専用のエサはとても細かく作られているため、水面に広がりゆっくりと沈むので、稚魚も口にしやすく安心です。
しかし、食べ残しは水面に油膜を作るなど、水を汚す原因となるためほんの少量を数回に分けて与えるようにしましょう。
そしてもうひとつオススメするのは、グリーンウォーターを作って少しづつ入れてあげるという方法。
グリーンウォーターとは、水中に植物性のプランクトンが発生した水のことで、発泡スチロールに水道水をいれ10日程度屋外に放置しておくか、またはそこに親メダカ数匹を放しておくと自然とできる緑色の水のことです。
この水は稚魚にとって天然の飼料となるので、少しづつ水槽にいれてエサを補給してあげましょう。
グリーンウォーターの水でも、あまり濃すぎてドロッとしているものや茶色に変色したものは使えません。
匂いがなく新鮮なものを補給してあげるよう注意が必要です。
その他、親メダカのエサをすりつぶして細かくしてあげるという方法もありますが、生まれたてのこの時期は本当に小さなエサしか口にしないため、うまくすりつぶせなかったものは食べ残しとなってしまいます。
もう少し成長してから与えることをオススメします。
1か月を過ぎた時のエサ
メダカは成長するにつれて縄張り争いをするようになります。
この時、後から生まれて体の小さい個体は上手にエサを獲得することができず、死んでしまうこともあります。
また、これは大人のメダカにも言えることですが、容器の大きさで生存率は変わってきます。
メダカ1匹に対して1リットルくらいが目安と言われています。
できるだけゆったりとした環境で、水草など隠れ家となるスペースを入れてあげれば、複数でも快適に飼育することができます。
少し成長した稚魚ですが、1か月で約1センチ程度で、まだまだ泳ぎも未熟です。
稚魚専用の飼料から、親メダカのエサを細かくしたものなどを与え、様子を見ましょう。
水面できちんと食べているかチェックするのも大切です。
また、より自然に近い飼料として、赤虫の乾燥したものなども市販されています。
天然飼料の方がメダカの食いつきもよく、成長を早め比較的丈夫に育ちますが、これに関しても小さくして与えるように気を付けましょう。
グリーンウォーターの供給を続けて飼育することも可能です。
2~3か月を過ぎた時のエサ
生後2か月半を過ぎた頃からはすっかり大人のような姿になり、サイズの大きいエサでも食べられるようになってきます。
この大きさに成長するまでにある程度弱い個体は淘汰され、健康な個体が残っている状態になると言えます。
この頃からは、今まで程こまめにエサをあげなくても良くなります。
徐々に親メダカと同じくらいのペースに合わせていきましょう。
しかし、稚魚同様、エサのあげ過ぎには注意しましょう。
体長が2センチを超えれば成魚と同じ扱いをして構いませんが、強いエアーレーションや急激な水質の変化は弱ってしまう原因となります。
親メダカと一緒に泳がせたいと思う方もいるでしょうが、食べられる心配がなくなったとはいえ、子メダカにとっては追いかけられてストレスになる場合が多いのであまりオススメできません。
メダカの稚魚の成長に合わせてエサをあげよう
あまり知られてはいませんが、メダカの稚魚がうまく育たず死んでしまう原因で最も多いのは餓死だそうです。
自然界と違い水槽内にちょうど良い食料がない場合、メダカの稚魚はあっという間に弱っていってしまいます。
しかし、このように成長に合わせたエサを選んであげることで生存率をグッとあげることができます。
ちょっとの手間で仲間を増やすことのできるメダカですが、手軽さゆえに増えすぎて手に負えなくなることも考えられます。
また、何年も同じメダカだけで繁殖を続けることで、変形した稚魚が生まれてきたり、弱い個体が増える原因にもなります。
小さくともメダカは命ある生き物です、繁殖は責任を持って計画的に行いましょう。