小さなスペースで手軽に飼えるペットとして大人気のメダカ。
最近では家庭で新しい品種を繁殖させる愛好家も増えています。
ぜひこの際に新しい家族を増やしてみてはいかがでしょう。
自分だけの水槽の中に大きな目でかわいらしく泳ぐ姿にきっと癒されるはずです。
そんな可愛いメダカを、上手に繁殖させるコツをご紹介します。
メダカ産卵のための条件
メダカの産卵時期は気温が18℃前後になる春から秋にかけてですが、これは屋外での飼育の場合で、室内での飼育の場合は季節に関わらず水温が18℃から20℃に達し、条件が揃えば、メスのメダカは毎日のように産卵をしはじめます。
ホームセンターやアクアショップ等で繁殖や産卵を促すための飼料も市販されていますが、餌のあげ過ぎは食べ残しから水質悪化の元となりますので、注意が必要です。
産卵をし始める前に繁殖に適した環境を整えておきましょう。
メダカの産卵準備
メダカの産卵に際して最低限必要なものは、相性が良く健康なオスとメスのペア、酸素が豊富で安定した水質と産卵に適した水温に、ホテイアオイやマツモ、オオカナダモなどふさふさとした種類の水草です。
ここに挙げた水草は比較的入手しやすいものですが、管理が困難な場合、太めの毛糸を数本まとめ、重りをつけて沈めておくか、反対に発泡スチロールなどの浮きを着けて垂れ下げておくなど手作りで代用することも可能です。
準備するものは少ないのですが、水質を安定させるため循環させるか、少量ずつこまめな水替えを行うこと、餌をあげすぎないようにすることも大切です。
さらに、メダカは水流を感じると逆らって泳ぐ習性があるので、水槽の水を循環させる場合、強い水流を起こすと泳ぎ疲れて弱ってしまうことがありますので、注意が必要です。
メダカの産卵開始
条件が整えばメダカはほぼ毎日卵を産みます。
産卵の時間帯は基本的に明け方から早朝にかけて行われるので、観察していない限り飼い主がその瞬間を目にすることはあまりありません。
産んだ卵はしばらくの間、メスのお腹にかたまりになってくっつき、その後水草などに付着させます。
お腹に抱えている間に、他のメダカに食べられてしまったり、そのまま落としてしまう場合もあるので、卵を抱えた個体を見つけ次第網ですくい、ピンセットや指でそっとつまんで取るという方法もありますが、初心者にはあまりオススメできません。
お腹から離れたところを見計らって、親メダカの水槽から取り出すという方法が安全です。
メダカの卵の育て方
産卵した卵やふ化して間もない稚魚は、そのままの水槽にしておくと大人のメダカに食べられてしまうことがあるので、卵の段階から別にして飼育しましょう。
産みつけた水草をその部分だけ切ってしまうか、スポイト等で潰さないよう気を付けながら回収し別の容器に移動させます。
通常メダカはカルキを抜いた水で飼育しますが、卵の場合は水道水でも構いません。
いずれにしても、毎日水を変えてできるだけ清潔な状態を保ちましょう。
気温によって10日から二週間でふ化しますが、中には無精卵が混じっていることもあります。
白っぽくなったりカビが生えたりしたものは、他の卵にも影響するので早めに取り除きましょう。
メダカの卵が孵ったら
卵をよく観察していると、次第に目のようなものが現れ時々回転するように動き、ふ化直前になると魚らしいシルエットを観察することができます。
生まれたばかりの稚魚は針子と呼ばれ、名前の通りとても小さく細い状態です。
生まれて数日はお腹についた袋から栄養を補うことががきるので、餌を与える必要はありません。
数日後から稚魚用の餌をごく少量与えましょう。
口に入らないサイズのものは餌と認識しないため、大人用の餌を与える場合は細かくすりつぶす必要があります。
大人の飼育と同様、餌の与えすぎに注意し水を清潔に保ちましょう。
ふ化したばかりの稚魚は泳ぎも弱弱しく、とても小さいので大きくなるまでは稚魚同士での飼育をオススメします。
生まれた日が違う稚魚同士の場合は成長のスピードも異なり、ある程度大きくなると縄張り争いが起こる場合があります。
そのような場合に小さな個体が隠れることのできる水草を多めに入れてあげましょう。
水草を入れるメリットは隠れるスペースになることの他にも、バクテリアが付着し天然の飼料になったり光合成による酸素の補給などにもつながったりすることなので、是非水槽に入れることをオススメします。
ふ化した後のメダカは日に日に成長していくので、その都度餌の大きさや環境を整え対応しましょう。
メダカを上手に繁殖させて素敵なアクアリウムを作ろう
このようにいくつかのコツでメダカは簡単に増やすことができます。
飼育のコツを覚えて慣れてきたら、水槽のレイアウトをコーディネートしたり、貝やエビなどと共存させてみたり、オリジナルのアクアリウムも作ることができます。
それぞれのペースでかわいいメダカとの生活を楽しんでみて下さい。