水族館で大きな水槽を、何匹ものクラゲが舞っている光景はとても不思議なものに見えますよね。

海に生きる魚や甲殻類、大きな哺乳類とも違うその形態は、人の興味を大いに引き付けます。

最近では、その幻想的な姿に癒しを見出して、自宅でクラゲを飼育する人も増えてきています。

しかし、一般的に難しいと言われているクラゲの飼育には、どんな苦労があるのでしょうか。

クラゲは生態に謎が多い

自然界には数多くのクラゲの種類の存在が知られています。

ミズクラゲやアカクラゲ、それから私たちの身近にもいるアンドンクラゲなど、姿かたちはさまざまです。

しかし、いまだにクラゲのその生態は謎が多く、わかっていないこともたくさんあります。

毒をもっているものも多く、私たちにはクラゲに対する恐怖心というのも少なからずあります。

実際に飼おうと思ったときにも、熱帯魚などに比べると情報量の少なさがネックになります。

生態についての謎が多いのは、後述するような飼育の難しさも影響しているのでしょう。

水族館や研究機関でさえ、飼育や繁殖にてこずっている生き物です。

なおさら、個人が自宅で飼うのは難しい生き物と言わざるを得ません。

クラゲは水質の変化に敏感

まず、クラゲはなんとなく漂っているように見えて、非常に水質の変化に弱い生き物です。

どこの海でもふらふらと泳いで生きてられるというわけではないのです。

水質の変化やプランクトンの異常繁殖により、クラゲの大量死が見つかることもあります。

それだけ理想的な飼育環境の再現や維持は難しいといえるでしょう。

そもそも、クラゲの飼育には海水が必要です。

最近では熱帯魚ショップに海水の元が売られているので、それほど困る問題ではありません。

しかし、エサとなるプランクトンを入れたり、中に生物の住む水は刻一刻と変化しています。

水温やpHの変化に、とても大きな注意を要します。

クラゲは泳ぐ能力が弱い

クラゲを見ていてわかるように、とても魚のように上手に泳ぐことはできません。

基本は漂うように、流れに身を任せて泳いでいます。

一応、自力で泳ぐことはできますが、あまり上手とはお世辞にも言えません。

また泳ぐことはかなりのエネルギーを使うので、クラゲにとって負担が大きいのは言うまでもありません。

自宅で飼うときにも、水槽の中でクラゲが漂う水流を作ってあげる必要があります。

これがまた厄介で、別の問題を引き起こしたりします。

クラゲがポンプに巻き込まれたりして、フィルターに詰まってしまうことがあります。

また、強すぎる水流でゼラチン質に傷ができたり、ケガをしてしまうことがあります。

クラゲの飼育には手間がかかる

先ほど紹介したように、クラゲを飼育するには海水を用意する必要があります。

手軽に購入できるとはいっても、生活できる状態にするのにはひと手間かかるのです。

またせっかく用意しても、エサの食べ残しなどが水質の悪化に繋がってしまいます。

いざ水槽に入れてからも、何かと気をかける必要があります。

またクラゲは光が不足すると弱ってしまいます。

メタルはライドランプなど、基本的には常時ライティングが必要な生き物です。

こうした飼育にかかる手間が、クラゲを飼うことのハードルを上げているとも言えるでしょう。

かわいい子ほど手間がかかると言いますが、本当に好きでないとここまでできませんよね。

寿命が短い

ここまで飼育の難しさと環境についていろいろと紹介してきました。

しかし、クラゲの飼育にはひとつ根本的な問題が存在します。

というのも、クラゲの寿命はとても短く、半年から1年ほどということです。

どこからどう見ても、クラゲが厳しい野生の海を生き抜いて、何年も生きるようには見えませんよね。

その儚さもひとつの魅力であったり、ミステリアスな雰囲気を演出しているのかもしれません。

長生きするクラゲもいますが、これだけ手間をかけても非常に短命なのはちょっと残念です。

クラゲを飼うための便利グッズ

いろいろと調べれば調べるほどに、クラゲを家で飼育するのは難しそうと思えてきてきます。

しかし、ゆらゆらと泳ぐ姿は幻想的で、飼ってみたいと思わせる魅力はじゅうぶんにあります。

どうにかして飼ってみたいと思う人は少なくないはずです。

最近では、クラゲの飼育キットも簡単に手に入るようになりました。

理想的な飼育環境を整えるときに、一からそろえようとするととても大変なのはお分かりいただけたと思います。

しかし、一式そろったセットになっているので、そうした便利なものを使ってみてもよいかもしれませんね。

クラゲの飼育は難しい

まだまだクラゲの生態についてはわかっていないことが多く、熱帯魚のように気軽に始められるものではなさそうです。

身近な存在ではあっても、こうした一面があるというのは、それはそれで興味を引かれる部分でもあります。

見た目の無防備さや、頼りなさからなんとなく想像は尽きますが、やはり長期飼育するのは難しいようです。

本気でクラゲを飼育するというのは、思った以上に大変なのかもしれません。

クラゲのためにいろいろと工夫を凝らした飼育グッズも増えているので、そういったものからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

もしかしたら、新たなクラゲの魅力に気づくことができるかもしれません。