エンゼルフィッシュの産卵時に飼い主がすべきこと

最終更新日:2016年8月24日

エンゼルフィッシュは、飼いやすく、飼育環境下でも比較的繁殖を起こさせやすい魚です。

しかし、産卵した状況を放っておいて勝手に殖えるかというと、そうではありません。

産卵が起きたとき・起きそうな時はどうしたら良いでしょうか。

1.基本的に2本以上の水槽を用意しておく

エンゼルフィッシュの繁殖では、基本的に2つ以上の水槽が必要です。

普段生活するメインタンクのほか、繁殖用の水槽(45~60cm)を用意すれば産卵・繁殖に備えられます。

ペアが確認され、他魚を威嚇する・ガラス面や水草平面を揃ってつつくなどの行動が出たら産卵が近いと判断しペアを繁殖用水槽に移動させます。

急に水槽を用意するのも難しい話なので、機材だけは用意しておくとか恒常的に繁殖を狙うなら常に水を張って水質・水温を本水槽と合わせておくと便利です。


2.普段の水槽で産卵が起きたら

エンゼルフィッシュは、ペアを作り産卵するところまでは実は普段の水槽でも見られます。

しかしそのままでは稚魚や卵が他の魚などに食べられてしまいます。

この場合(普段の生活水槽で産卵が起きた)で、そのまま放置で繁殖を行うのは一般に不可能です。

繁殖が起きそうな段階で、ペアを繁殖用水槽に移すのがスタンダードです。

ペア以外の他の魚達を別の水槽に移動させ、普段の水槽を繁殖用とするのはOKです。

フィルターは稚魚を吸い込まないスポンジ型などに変更します。

または「セパレーター」で水槽を仕切る方法もあります。

すでに卵が岩や水草などに付着しており人為的に移動可能なときはそれらとペアを繁殖用水槽に移動させます。

また、そもそも水槽内にペア以外の生物を飼っていないときはガラス面等に産卵が起きたらそのままでも大丈夫です。

フィルターのみチェックします(稚魚を吸い込まないものにする)。

ただしいずれは稚魚たちが育ってくるので放置だと過密状態となります。

ペアあるいは他魚の移動がどうしてもできない場合では残念ながら実際の繁殖は見送ることになります。

3.繁殖水槽の設備を用意しておく

繁殖用水槽には、岩や石、流木、塩ビパイプ、ガラスアマゾンソードなどロゼット型の水草(直植えせずポット等で良い)市販の「産卵筒」などを入れておきます。

このどこに産卵するかはペアが選択します。

産卵したい場所をつつき確認する様子が見られます。

繁殖用水槽には薄めに砂を敷き、水温や水質は普段の水槽と同じにします。

フィルターは稚魚を吸い込まないスポンジ式などとしエアレーションは必ず行ってやや強めとします。


4.繁殖水槽で産卵が起きたとき

ペアを確認したら繁殖水槽へ移動させます。

2匹がガラス面をつつくなどの行動が出始めたら産卵が近いです。

メスが産卵し、続けてオスが放精します。

繁殖水槽で産卵が起きてから幼魚の成長まで、人間が水槽に特別手を入れる必要はなく基本放っておいて構いません。

ただしペアが卵を食べてしまわないかを確認します。

ペア(一方でも)が稚魚を食べてしまわないか確認し、これらが起きている時は、ペアは適宜元の水槽に戻します。

親魚はヒレで卵に水流を送るなどします。

卵は2~3日、長くとも5日で孵化します。

観察するとはいっても、産卵前後にエンゼルに負担をかけると良くありません。

水槽前を不必要にウロウロして音を立てたり、無用に照明をつけたり消したりは止めましょう。

孵化後4~5日程度で稚魚はよく泳ぐようになり、ペアは稚魚をなんとなく移動させるとか保護しやすい場所に誘導するなどの行動を取ります。

生後1ヶ月経過すれば稚魚はある程度しっかりしてきて、2ヶ月経てば500円玉サイズに。

こうなれば一般的な水槽にも入れられます。

また産卵から10~14日ほどで再びペアの産卵行動が起きうるのでこれを狙う場合はペアを更に別の水槽に移します。

5.えさの準備をしておき、すみやかに与える

稚魚は孵化から4~5日ほどでしっかり泳ぎだし、えさを食べるようになります。

稚魚のえさはブラインシュリンプが最も適しており、これを湧かします。

ブラインシュリンプは卵の状態で長く保存できます。

28℃ほどの塩水(約3%)を張りエアレーションしたプラケースでブラインシュリンプを孵化させます。

ブラインシュリンプは約「24時間」で孵化します。

どうしても入手できない時は熱帯魚用ベビーフード(細かい粉状)や固ゆでした鶏卵の卵黄を使います。

稚魚がやや大きくなってきたら(一ヶ月が目安)イトミミズを刻んだものを与えます。


6.人工ふ化も適宜行う

卵を食べてしまったりする親は元の水槽に戻します。

親を卵から離す方法は「人工ふ化」とも呼ばれますが、さほど難しいことではありません。

エンゼルフィッシュはヒレで卵に水流を送るようにしたり稚魚を移動させるなどある程度の子育て行為をします。

子育てはシクリッド科ならではの面白い行動です。

しかしエンゼルの場合、これらの行為は卵・稚魚にとり必須ではありません。

つまり卵・稚魚とペアを引き離しても特に問題はないのです。

卵だけが残った水槽ではエアレーション・水流がやや卵付近を通るようにし少量のメチレンブルーを入れて病気(主に水カビ)を防ぎます。

7.孵化しない場合に対応する

産卵をしたけれども孵化しないことがあります。

これは無精卵であるか、何らかの不調です。

通常は2-3日、長くとも5日で孵化しますので一週間孵化しないような時では適宜ペアを元のタンクに戻します。

孵化しない場合については、人為的に無理に孵化させるといったことは不可能です。

エンゼルフィッシュは約1年で成熟しますが、メスのほうが成熟が早いです。

500円玉ほどの幼魚(約2ヶ月)から飼いはじめた場合でも飼育1年ほどではまだオスが未成熟なことがあります。

そうしますと放精が不十分で卵が孵化しません。


8.必要に応じて間引きする

エンゼルフィッシュは一回に約300の卵を産みます。

これが全部成長すると当然300匹ものエンゼルを飼うことになります。

それほどの数の飼育はとても無理というケースが多いと思われ、卵のうちに間引きするなどします。

本当に慣れないうちは、頑張って十数匹ほど成長させられれば良い所ですが上手くなってくると育つ魚の数の問題は無視できなくなります。

エンゼルフィッシュの産卵についての知識を知ろう

エンゼルフィッシュでは、「ペアを繁殖用水槽に移動する」のが繁殖の基本です。

ペアを、卵を産み付ける場所(産卵筒、水草など)のある繁殖用水槽に移します。

産卵した卵をペアが食べたりしないかを観察し、食べる時は適宜ペアを戻します。

産卵が起きたらブラインシュリンプを用意し、孵化した稚魚に与えます。

二ヶ月ほどまで成長すればひとまず成功です。

全体を通してそれほど難しいことはありませんが急に機材を用意して対応するのは大変ですから、事前の準備が大切です。

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