普段は何でもなかったけど、ある日突然発生するのが水槽内の油膜です。
水槽内に発生する油膜は、水面をギラギラと覆ってしまい、生体にも悪影響を及ぼします。
では、油膜を取るにはどのような方法があるのでしょうか。
水替えをする
油膜が発生する原因の一つに、水槽内のタンパク質が多い事が挙げられます。
エサや生体に含まれるタンパク質が、水面に浮かびあがり、油膜として見える事が多いです。
このような場合、思い切って水替えをするのも効果的です。
水替えと言っても、水槽内の水を全て交換するのではなく、水槽の3分の1程度の水を抜き、カルキ抜きした水を入れます。
新しい水と水槽内の温度を合わせる事で、生体やバクテリアへの負担を抑える事が出来ます。
こうする事で、温度変化に敏感な生体にも負担をかけず、フィルター内に生息したバクテリアを全て死滅させる事なく、油膜を取り除く事が出来ます。
エアレーションをする
夏場に特に多いのですが、水槽内の温度が高くなってしまい、油膜が発生している場合もあります。
水温が高くなると、水槽内のバクテリアが活性化してしまい、酸素を多く消費する事があります。
他にも、高温でバクテリアが死んでしまい、その死骸からタンパク質が発生してしまい、油膜になるケースも考えられます。
この場合は、エアレーションをすることによって、水槽内の酸素を増やしてあげる事で、油膜を軽減できます。
他にも、エアレーションによって水槽内の水が撹拌されるので、油膜が減っていきます。
夏場は水温が高くなりやすいので、エアレーションを忘れずに入れてあげましょう。
生体に除去してもらう
既に生体を飼育している場合、油膜を食べてくれる生体を飼育する方法もあります。
混泳になってしまいますし、元からいる生体との相性もありますが、混泳が出来る相性の良い生体ならば、問題無く手間をかけずに油膜除去してくれます。
油膜を食べてくれる生体とは、卵胎生メダカのモーリーです。
モーリーは、大食漢で草食性なので、油膜だけでなく糸状の藻なども食べてくれます。
特に、ブラックモーリーは草食性が強く、油膜除去の効果が高いですが、複数匹同時に飼育すると、増えてしまう可能性があるので、増やしたくない場合には注意が必要です。
油膜取り器を設置する
単種飼育、あるいは水草水槽の場合や、ブラックモーリーを混泳させたくない場合、油膜取り器を設置する方法があります。
この油膜取り器はサーフェススキマーと言い、油膜のたまる水面部分の水を吸い上げてくれます。
油膜だけでなく、水面に浮かんだ小さなゴミも取り除き、本体内部にあるフィルターを通ってキレイな水として排水してくれます。
水槽内部に吸盤で付ける物が多く、大きさも小さくて目立ちにくい物から存在感溢れるものまであります。
ただ、吸い込み口の隙間が大きい商品もあり、エビや稚魚を飼育している場合、吸い込まれないように工夫をする必要があるので、注意が必要です。
すぐに入手できない場合
生体や機械をすぐに入手できない場合、キッチンペーパーで吸い取らせる方法があります。
油膜部分にキッチンペーパーを広げ、吸い取らせる方法です。
何度も行わなければならないので、とても手間がかかりますが、今すぐに対処したい方には最適な方法です。
また、新聞紙を使う方法もあります。
新聞紙だとインクが心配になりますが、短時間であれば問題ありません。
ただ、生体の死骸が水槽内にある場合、油膜の原因となる死骸を取り除いてあげないと、油膜は発生するばかりですので、よく水槽内を観察してから行うと良いです。
特に、貝類の場合には、見分けがつかない事があるので、注意しましょう。
油膜を掬う
キッチンペーパー同様、油膜を直接おたまやカップ等で掬う方法があります。
灰汁を取るように、おたまやカップで水面ギリギリのところを掬い、少量の水ごと除去する方法です。
手間がかかりますが、キッチンペーパーよりも経済的に油膜を除去することが可能です。
場合によっては、何度も根気よく掬う事が必要とされますし、水量が減ってしまう場合もありますので、必ずキレイな水を準備し、減った水量分を入れてあげてください。
こちらも油膜発生の根本的な解決策ではないので、必ず水槽内をよく観察し、考えられる原因の対処をしてから作業をすると良いでしょう。
水槽の油膜をすっきり取ろう
一度気になってしまうと、除去できるまで気になってしまう油膜ですが、根本的な解決をしないと、いつまでも油膜に悩まされる事になってしまいます。
まずは、なぜ油膜が発生したのかを考える事が重要です。
しばらくの間、水替えをしていなかった等の心当たりがあるかと思います。
これらの原因を考え、低タンパク質のエサに変更したり、CO2や水草肥料を見直したりと、原因を取り除いた上で油膜対処をすると、効果的に除去する事が可能です。