どんなに優れた濾過機を使っていても水槽の水は汚れていきます。
そんなときは思い切って、水槽をリセットしましょう。
水槽がキレイになれば、魚たちも喜びます。
それでは、今回は水槽のリセットの方法と手順をご紹介します。
準備
まず水槽につながっている様々な器具のコンセントを抜きます。
照明、濾過機、ヒーター。
濡れた手でコンセントを抜くと感電するというのは都市伝説や迷信の類ではなく事実ですので、くれぐれも気をつけてください。
乾燥していても抜けかかったプラグの金属部分に触れば感電しますが、手が濡れているとより電気を通しやすくなります。
水槽の水を抜く
水替え用のポンプ付きホースがあれば作業を難なくこなすことができます。
ホースの途中にあるポンプを数回押すだけで、水槽の中の水を吸い出すことができます。
また、ホースの先は網目になったフィルターがついているので、これを水槽の底砂の中に差し込めば、ゴミや糞を取り除くことができます。
これがあると重宝するのですが、なくても大丈夫です。
やり方は簡単です。
ふつうのホースを水槽の中に沈めて、ホース全体を水で満たしてください。
水中で、片方のホースの口に指を突っ込んで栓をします。
栓をした状態まま水槽からホースをゆっくり引き出します。
このときホースの口から空気が入ると、水が水槽に逆戻りしてしまうので、完全に塞ぐことが大切です。
もし水が戻ってしまったら、やり直しです。
外に出したホースの口を水槽の水面より下に持っていき、指を引き抜くと、ホースの口から水が出てきます。
魚の一時避難用の容器と、バケツを二つ用意して、水槽の水を移します。
バケツのひとつは底砂を洗うためのもの、もうひとつは濾過機のろ材を洗うためのものです。
三つとも水がいっぱいなったら、いったんホースを水槽から抜いて、魚を容器に移します。
ネットですくうとき、魚の体やヒレにダメージを与えないように注意してください。
水草も同じ容器に入れておけば良いでしょう。
熱帯魚の場合は、水が冷えないようにヒーターを入れておきます。
そして水槽に戻り、また同じ手順で残った水を抜いてしましょう。
洗う
水を抜いた水槽を、洗える場所に持っていきます。
洗面所よりはお風呂場などの広い空間の方が問題は起こりにくいです。
まず、水槽の中の底砂をバケツに移して洗います。
底砂にはバクテリアが住んでいるので、水道水で洗ってはいません。
水に含まれている塩素でバクテリアが死んでしまいます。
バケツに溜めておいた水槽の水を使って、お米を研ぐような感じで洗います。
それが終わったら、もうひとつのバケツで濾過機のろ材を洗います。
これも水道水は禁物。
バクテリアが死んでしまうと、再びセットしたときに水質が安定しないからです。
ろ材は優しくもみ洗いをします。
水槽本体は、水道水を使っても大丈夫です。
ただし石鹸や洗剤は使わないでくださいね。
初めにガラス面のコケを落とします。
コケを取るスクレーパーがあると便利ですが、無ければメラミンスポンジで代用できます。
水槽枠もしっかり洗いましょう。
細かいところは綿棒を使って汚れを落とします。
仕上げは柔らかい布やウールマットを使って、優しく磨き洗いをします。
ときどき、光を当ててみて、洗い残しがないか確認します。
濾過機の本体とアクセサリー類も洗います。
細かいところは綿棒を使うと良いでしょう。
ろ材の交換
上部式のフィルターを使っている場合は、濾過機のろ材を交換することもできます。
そのときは、全部を一度に交換するのではなく、水槽の水で洗ったろ材を残して、半分だけを新しいものにします。
バクテリアがいなくなってしまうと、増えるまでに時間がかかるからです。
投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターは、ろ材を交換すると、全交換になってしまうので、水槽の大掃除とは時間をずらして行った方が、水質が不安定になる危険を冒さないで済みます。
セッティング
水槽を元の位置に戻して、水を注ぎます。
底砂を巻き上げないように、小さな木の板を浮かして、そこに水をかけていきます。
流木を装飾に使っているなら、それにかけても良いでしょう。
そして、魚に負担がかからないように、飼育していた時の水温に調節します。
熱帯魚の場合は水温計があると思うので、それを見て、水温が低かったらお湯を足し、高かったら、水を入れます。
金魚の場合は、容器と水を入れた水槽をしばらく同じ空間に放置しておけば、水温が同じになります。
その後、塩素の中和をして、水草を植えます。
水槽用のアクセサリーを並べて、ヒーター、濾過機をセットします。
ここでも感電には要注意です。
コンセントにプラグを差し込むときは手を拭いてくださいね。
全て整ったら、魚を入れます。
容器の中の水も一緒に入れて、新しい水への負担を少しでも軽くしましょう。
数か月に一回は水槽のリセットを
水槽の大掃除は数か月に一度が目安です。
最初は大変かもしれませんが、慣れてくれば、スムーズにできるようになります。
キレイになった水槽は、鑑賞する人間にとっても、魚にとっても、気持ちが良いものです。