水槽の魚

熱帯魚飼育や水草飼育などのときに気をつけるべき非常に重要な要素があります。

それは水の「pH」です。

つまり、水が酸性に傾いているかアルカリ性に傾いているかということです。

まれに弱アルカリ性を好む熱帯魚–特に淡水フグ–などがいますが、ほとんどの熱帯魚、もしくは水草は中性のpH7.0から弱酸性のpH6.0ぐらいの間を好みます。

そこで、そうした弱酸性の熱帯魚・水草を飼育する場合に、pHがアルカリ性に傾いてしまったときの対処法をご紹介します。

pHが高くなる原因をつかむ

まずは、なぜ水のpHが高くなってしまうかを知りましょう。

日本の水道水はpH7.0の中性です。

しかし、それはあくまで蛇口からくんだ時点でのこと。

水道水には二酸化炭素が含まれています。

pHは水素イオンの濃度を示す値なので、気体としての二酸化炭素=CO2には水素が含まれないためpHはありません。

しかし、二酸化炭素が水に溶けると、水中の水素と結びつき、その水は酸性に傾きます。

日本の水道水の場合は、それが中性に保たれる程度の量ということです。

しかし、くんで放置した水からは二酸化炭素が抜けていきます。

すると当然水はどんどんアルカリ性に傾いていきます。

もうひとつの原因として底砂が挙げられます。

日本のアクアリウム用底砂として最も普及し、最も安いのが「大磯砂」です。

この大磯砂には、実は細かい巻き貝の貝殻なども含まれています。

貝殻はカルシウムなので、それが水中に溶け出すとアルカリ性になっていきます。

用意する道具

水槽のpH管理をするためには、まずpHの値を知る必要があります。

pHを調べるためには、学校の理科の時間に使ったようなリトマス試験紙や、水に垂らして色の変化を見るpH試薬などがあります。

しかし、より正確にpHを調べるにはpHメーターが推奨されます。

これは小数点2桁までpHが表示される器具で、値段も安いものなら1500円~2000円程度で購入できます。

まずpHを測定し、pH7.0より高い値を示すようであれば、以下の方法でpHを下げます。

底砂の入れ替え

上記のように大磯砂は含まれる貝殻によってpHが上がります。

また、他の底砂を使っている場合でもpHを上げる要素がないかを調べ、底砂に原因があるようであれば入れ替えます。

水草水槽の愛好者がよく使っているのが「ソイル」という底砂です。

これは簡単に言うと有機物を含む土を人工的に焼き固め、粒上にしたものです。

ソイルには水を弱酸性に傾ける働きがあり、それに加えてアンモニアなど有害物質を吸着してくれるとともに、水草に養分を与えてくれる理想的な底砂です。

すでに水槽を立ち上げてあるならば底砂をソイルに入れ替え、もしくはこれから立ち上げるのであれば最初からソイルを敷くようにするのがオススメです。

ただし、大磯砂よりも割高であり、また数年で崩れて効果がなくなるので、そのたびに入れ替えをしなくてはならないというデメリットもあります。

二酸化炭素の添加

水草水槽の場合、光合成をさせるために二酸化炭素を添加します。

上記のようにpHの上昇は二酸化炭素が抜けることでも起こるので、二酸化炭素の添加は水草を育てるとともにpHの変化を抑えるという役割も果たします。

水草水槽とまでいかなくても、水槽内に水草を植えているのであれば、もう少し水草の量を増やして、二酸化炭素の添加ツールを使ってみるのも良いでしょう。

水草が元気になり、水槽内がキレイになるので、酸素も供給されて魚にとっても良いことです。

レイアウトを追加

水槽レイアウトの定番である流木は有機物ですから、水中で少しずつ分解され酸性物質を出すことでpHを下げます。

また、落葉広葉樹の落ち葉などを入れても同様の効果があります。

流木はたいていの水槽レイアウトに合うので汎用性が高いです。

落ち葉の場合は、水草水槽などには合いませんが、日本産淡水魚水槽などのレイアウトには似合うでしょう。

ただし、どちらも拾ってきたものであるなら一度煮沸して消毒します。

また、流木の場合「アク」と呼ばれる有機成分を抜かないと水が茶色に染まります。

熱帯魚店にはアク抜き済みの流木が売られているので、それを使うのが手軽です。

添加物を使う

最終手段として、「pH降下剤」という添加物を入れるという手段があります。

しかし、pH降下剤には俗に「黒ひげ」などとも呼ばれる黒く醜い藻が好むリン酸が含まれていることがありますので、諸刃の剣といったところでしょう。

pH降下剤にはできるだけ頼らず、その他の手段でpHを調節するのが、中の生き物にとっても見た目的にも推奨されます。

少しずつチェックしながらpH値の調整を行おう

pHが高くなってしまったからといって、あまりに酸性化させることに夢中になると、逆にpHを下げすぎてしまうことがあります。

弱酸性を好む魚や水草であっても、酸性が強くなればダメージを受けます。

ですから、対策は一気に行わず、pHのチェックをしながら徐々に行うようにしてください。