アクアリウムにおいて水温管理はとても重要です。
とくに水草水槽では水温の上昇で水草が溶けたり枯れたりする原因となりやすいものです。
水槽を冷却するにはどのような方法があるのでしょうか。
日光が当たる場所に水槽を設置しない
水槽に日光が直接当たるだけでかなり水温が上昇してしまいます。
とくに夏場となれば日光が当たらなくても水温は35度以上にも上昇するので、日光が当たるとなれば水温の上昇は水草だけではなく生体にとっても大きなダメージとなります。
日陰に水槽を移動させることができれば移動させましょう。
水槽の移動が難しい場合にはカーテンを使用するなど遮光の工夫をするようにしましょう。
設置場所で言うなら日光以外にも水温を上げてしまう要素があります。
リビング・キッチンは電化製品が多くほかの部屋よりも室温が高くなりやすいので涼しい部屋に設置することも有効です。
メリットはなんの機材も使うことなく水温をある程度下げることです。
デメリットは設置場所を選ぶために鑑賞しにくくなることです。
ファンを回す
ファンで水槽を冷却する方法が一般的です。
アクアリウム用のファン(扇風機)があります。
とくにアクアリウム用でなくても構いませんが、アクアリウム用のファンなら水槽に設置しやすく設計されているのでオススメです。
ファンを回すことで私たちも涼しくなるように、アクアリウムでは水面を揺らし、水を蒸発させます。
蒸発させることで気化熱として水温を低下させることができます。
ファンにもサーモスタットがついているものがあり、サーモスタットがあることで水温が低下しすぎないようにコントロールできます。
メリットはファンは安価ですし、設置も簡単です。
アクアリウム用のファンは千円程度から数千円で入手できます。
デメリットは冷却能力が弱いことです。
水温が35度になるような環境では30度以下に水温を下げるような能力はありません。
また、気化熱を利用するので水が蒸発するので水量が減ります。
海水水槽では塩だれの原因になります。
エアレーションと同時に行うことで水が水面ではじけて水温の低下を効率的にできます。
アクアクーラーを回す
アクアクーラーとは飼育水を冷却装置に循環させて水温を下げる方法です。
メリットはより確実に設定した水温まで冷却できることです。
デメリットは消費電力ややかかってくることと、設置場所が必要になること。
そして何よりもその本体価格です。
価格は適応水量などでさまざまですが、2万円~7万円と非常に高価です。
そのため海水水槽などではよく利用されていますが、一般家庭の淡水水槽で利用されることはほとんどありません。
アクアクーラーは外部濾過器と同じ程度のサイズがあるので場所を取ります。
また、水槽内に給水パイプと排水パイプを設置するなどの手間もかかり、水槽内の景観も損なわれることがあります。
水換えを行う
水温が高くなった飼育水を破棄して、新たに水温を調節した水を水槽内に入れることでも水温を下げることができます。
メリットはとくに器具を使用することなく水温を低下させることができること、水換えにより水もキレイになることです。
デメリットとしては手間がかかることと、時間が経つことで少しずつ水温が上昇すること、生体・水草への悪影響の可能性があることです。
水換えをしても水温が上昇することは避けられませんし、毎日の水換えは水槽内の養分も排出することになるので水草水槽では水草の成長や維持にも影響を及ぼします。
水がキレイになることは生体にとってはいいことなのですが、水を捨てて追加するという作業により生体には一時的にストレスがかかることになります。
緊急時の対策としてはいい手段ですが、連日の冷却手段には適さないでしょう。
氷を入れる
氷を入れることで温まった飼育水を冷却することができます。
ペットボトルに水を入れて凍らせたものを入れる人もいれば、氷を直接入れる人もいます。
メリットは確実に水温を下げることができることですが、デメリットは急激な水温変化です。
急激な水温変化は冷却時だけではありません。
高水温であれば氷はすぐに溶けて水温も下げることができますが、それも生体にとってはストレスがかかります。
また急激に水温を下げることができても氷が溶けきってしまえばまた水温が上昇することになります。
水温低下によりストレスを与え、再び水温が上昇することでもストレスを与えてしまうと生体・水草ともにダメージを与えてしまう可能性があります。
水槽を冷やす方法を知ろう
いくつか水温を下げる方法を紹介しましたが、オススメしたいのは「水槽の設置場所を検討する」ことと「ファンを回す」ということです。
設置場所は地味かもしれませんが日光が当たらないだけでかなり水温の上昇を抑えてくれます。
またファンは安価ですので複数個使用することで水温の低下を効率よくできます。
もし余裕があるのであればアクアクーラーで快適な管理をするのもいいでしょう。