鯉と言えば日本では古くから愛されてきた魚であり、恐らくほとんどの日本人に馴染みのある観賞魚でしょう。

特に錦鯉などの美しい鯉は誰しも一度は飼ってみたいと思った事のある魚です。

しかし実際に錦鯉をはじめとする鯉とはどの様な魚で、どういった特徴があるのか詳しく知らない人も多いと思います。

これから鯉を飼育してみたい人の為に、鯉の特徴についてご紹介します。

鯉の歴史と錦鯉

鯉と言えば和のイメージが強い方が多いと思いますが、元々の発祥は紀元前5世紀頃の中国と言われています。

日本に鯉が入ってきたのは大体紀元前1世紀頃だとされています。

日本書紀でも景行天皇が池の鯉を鑑賞していたと記載されているなど、かなり大昔から日本では鯉が観賞魚として飼育されてきました。

一方鯉の中でも有名な錦鯉は、江戸時代に今の新潟県で突然変異で誕生したと言われています。

錦鯉の歴史は意外なことに、それほど古くは無いようです。

鯉の性格と飼育難易度

基本的に鯉は大人しくて人懐こい性格をしており、同種間で争い合うことは無いと言われています。

同じ大きさの魚であれば別種であってもケンカはほとんどないので、金魚やコメット等とも混泳が可能ようです。

また鯉はエサをくれる人の顔や仕草を覚える事が出来るようで、飼い主がエサを持って近づくと集まってきます。

長く飼育した鯉ならば人の手からエサを食べる様にもなってきます。

鯉は上記したように大変人懐こく大人しい魚ですので、飼育難易度は決して高くはありません。

鯉は周囲の環境に適応する能力が非常に高く、飼育する場所の大きさに合わせて成長すると言います。

その為水槽で飼育することも可能で、その水槽に合わせた小型の鯉に成長するようです。

また身体そのものも非常に丈夫で、水質の悪化や低酸素状態、長期間の絶食にも耐えられるほどです。

鯉の丈夫さを表す話として「濡れた布に包まれただけの状態でも数時間は生きていける」等という話さえあります。

また一週間程度であればエサを与えずとも体調を崩すこともないので、旅行に行くときにも心配はありません。

鯉の価格

鯉には大きく分けて錦鯉と真鯉がいて、種類によって価格は大きく変わってきます。

錦鯉は観賞用の魚ですので、真鯉に比べて高価な傾向があります。

反面、錦鯉に比べると真鯉は流通量が少なく、小型のものや観賞用のものはあまり出回っていません。

買うとしたら食用の大きな真鯉が多く、そういったものは価格も高い傾向がある様です。

錦鯉には緋鯉等のシンプルな個体から、数種類の色が複雑に混じり合った美しい個体まで様々な種類のものがあり、100種類以上の品種がいると言われています。

錦鯉は体の大きさ、品種や等級によって価格は大きく変わってきます。

金魚大の大きさのものであれば、余程珍しい品種でもない限り数百円から1000円前後で販売されている事が多いですが、大型のものであればそれだけ高価になってきます。

中には1匹数万円もする高価な個体さえ存在します。

一番流通量が多いのは、10㎝前後の赤と白が混じった種類のもので、1000円強で販売されていることが多いです。

鯉の寿命

ペットを飼育していれば避けて通れないのが「寿命」の話です。

品種や飼育環境によっても前後しますが、鯉は魚類の中でも長寿に分類され、平均的に20年から30年ほど生きると言われています。

しかし鯉は飼育環境によって寿命がかなり違ってくるようで、環境次第ではそれ以上に生きることも多いです。

大きな池などで飼育されているものの中には70年から100年以上も生きる個体さえいます。

鯉の最長寿はかつて岐阜県で飼われていた「花子」という緋鯉で、なんと226年も生きていました。

世界最長寿の鯉としてギネスにも認定されています。

鯉の入手方法

鯉の飼育を考えている方に一番オススメの入手方法は、やはり「ブリーダーから買う」事でしょう。

最近では熱帯魚店でも錦鯉が多く見られるようになり、通販やホームセンターなどでも取り扱われることが多くなりました。

確かにそういった場所ならば手軽に鯉を入手できるでしょう。

それでも、鯉を専門に扱っているブリーダーから買えば、健康な個体を入手し易いですし、飼育方法などのアドバイスも貰えます。

錦鯉は元々古くから日本で養殖されてきた魚ですので、国内のブリーダーも多く、信用できる業者も沢山あります。

また鯉を専門に扱っているブリーダーの元であれば、ホームセンター等にはいない良質な個体や珍しい品種も見つかるかもしれません。

身近な鯉の特徴を知ろう

日本では「鯉は出世魚」とされ、古くから鯉のぼりや諺に用いられる等、日本人に愛されてきました。

特に錦鯉は裕福な家や武家屋敷の池でも飼われるなど、上流階級の象徴のような扱いをされてきました。

最近では日本以外でも錦鯉の存在はメジャーとなっており、ヨーロッパやアメリカでも飼育するアクアリストが多くなってきていると言います。

外国の熱帯魚もキレイではありますが、ここは日本人らしく鯉を飼ってみるのも良いかもしれません。