ミナミヌマエビは淡水性のエビの中でも比較的飼育がしやすい種で、その可愛らしさと素朴さが人気のあるエビです。
初心者でも繁殖は容易で、既にミナミヌマエビを飼育している人の中には、繁殖に挑戦してみたいと思う人もいると思います。
ミナミヌマエビを繁殖するには具体的にどうすればいいのかご紹介します。
ミナミヌマエビは屋外で飼育する
ミナミヌマエビは元々非常に繁殖力が強い種類のエビですので、なるべく自然に近い環境においておけば自然と繁殖することが多いです。
例えばビオトープ等を用いるのも方法のひとつです。
断熱性のあるなるべく大き目の容器を用意して、暫くの間日光に晒しておいてグリーンウォーターを作ります。
その中で飼育すれば通常の水で飼育するよりもミナミヌマエビの健康に良いでしょう。
夏の暑い時期に屋外で大量のエサを与えながら飼育すれば、意外と簡単にミナミヌマエビは繁殖します。
しかし夏場は蚊が発生する季節ですので、ミナミヌマエビのみの飼育だとボウフラが湧いてしまう可能性が非常に高いです。
もし屋外でミナミヌマエビの繁殖を試みるのであれば、ボウフラ対策をしっかり行うようにしましょう。
水温を安定させる
ミナミヌマエビは自然界では春から秋にかけて産卵をすることが多いです。
その理由は水温が20度前後で安定しやすいからです。
従って水槽内の水温を20度前後に安定させておけば自然と繁殖行動を取りやすくなります。
室内であればそれ程大きな水温変化は起こり難いので、放っておいても勝手に繁殖してくれることは多いです。
しかし夏は水槽の置き場所などによっては急激な水温変化が起こりやすいので、注意してください。
一般的にミナミヌマエビが繁殖行動を起こしやすい水温は20~24度と言われているので、ヒーターを用いれば冬でも繁殖させることが可能です。
水草を育てる
ミナミヌマエビの繁殖には水草の用意が必須になります。
豊富な水草は親エビだけでなく生まれてきた稚エビの隠れる場所や住処にもなりますので、なるべく沢山植えるようにします。
繁殖に最適な環境を用意することによって無理なく繁殖を促すことができるのです。
水槽内にはソイル(底砂)を少し厚めに敷き、ライトも用意します。
ソイルが暑い方が水草はしっかりと植わりますし、根も張りやすくなります。
またソイルには、稚エビのエサとなる微生物やプランクトンを発生させる役割もありますので、用意しておいて損はないでしょう。
ライトは水草が光合成できるよう、きちんと周波数のあった水槽用のライトを用いるのが良いでしょう。
植える水草は「ウィローモス」がオススメです。
ウィローモスはミズゴケの一種で、初心者にも育てやすく、co2等の添加がなくても良く育つ生命力の強い水草です。
またウィローモスは石や木などにも張り付いて育つので、レイアウトもしやすくなります。
ミナミヌマエビを単独飼育する
ミナミヌマエビを繁殖させるときには、できれば繁殖専用の水槽を用意して、ミナミヌマエビ以外の生体は入れないようにすることが望ましいでしょう。
他の生体を入れると、折角稚エビが生まれても他の生体のエサになってしまいますし、それどころか親エビがエサになってしまう可能性だってあります。
外敵がいない環境であれば親エビも産卵しやすいですし、生まれてきた稚エビも育ちやすいです。
繁殖用の水槽を作るコツは、できる限り水替えをせず、レイアウトなども弄らないようにすることです。
ミナミヌマエビは水質に非常に敏感で、ストレスを感じると脱皮する習性があります。
ミナミヌマエビのメスは産卵すると卵をお腹に抱えるのですが、脱皮してしまうと古い殻と一緒に折角生んだ卵まで捨ててしまいます。
こうなると卵に酸素が行き届かず、孵化せず死んでしまいますので、少なくとも産卵から孵化するまでの間は水替えをしないか、慎重に行うようにします。
水流はなるべく弱くする
ミナミヌマエビは元々沼や池などの水流がない場所に住んでいますので、なるべく水流は弱めにすると好ましいです。
水流が強いと、折角生んだ卵や孵化した稚エビが飛ばされたりろ過フィルターに吸い込まれたりしてしまいます。
なるべく水流が弱く、稚エビが吸い込まれにくいろ過フィルターを選ぶ必要があります。
どうしても難しい場合はろ過フィルターそのものを取り外してしまうのもひとつの手です。
水草が入れてあれば光合成で酸素をだしてくれますし、水質悪化にさえ気を付けていればそこまで気にする必要はありません。
ミナミヌマエビの繁殖方法を知ろう
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビとは違い、生涯を淡水域で過ごすエビです。
その為水槽内でも簡単に繁殖が可能です。
ミナミヌマエビ繁殖の最大のコツは「自然に近い環境にすること」と「なるべく手を加えず放っておく」ことの2つでしょう。
先に書いた通り、ミナミヌマエビは繁殖力が非常に強いので、いつの間にか増えていた、何てことも珍しくはありません。
余計な手を加えずに放置する位の方がミナミヌマエビにとっては有り難いのかもしれません。