リクガメを飼育したいと思ったとき、まずはその種類の多さに驚くかもしれません。

それぞれ飼育方法や特徴がちがうので、飼う前にある程度それぞれの知識を持っておく必要があるでしょう。

リクガメの代表的な種類を把握し自分に合ったリクガメを見つけましょう。

ヘルマンリクガメ

リクガメの中で最も飼育に向き、初心者にもオススメできる種類といえばヘルマンリクガメでしょう。

性格はおっとりとしていて世話しやすく、日本の気候にも慣れるので体調面での心配が少なくて済みます。

あまり大きくなることもないので、長期での飼育にも対応しやすいです。

繁殖個体が多いので、ペットショップなどでもよく見かけることができるでしょう。

それゆえに飼育の情報交換が容易で、初心者の抱きがちな不安も解消しやすいというメリットもあります。

同じようにヘルマンリクガメを飼う多くの味方がいれば、飼育の悩みを共有して話し合うことができるでしょう。

ニシヘルマンリクガメとヒガシヘルマンリクガメの二亜種がいますが、ヒガシヘルマンリクガメの方が寒さの変化に強いので安心して飼育ができます。

甲羅や腹の模様にも違いがでるので、見た目の好みで決めるのもいいでしょう。

ロシアリクガメ

ヨツユビリクガメやホルスフィールドリクガメなどの別名で呼ばれ、気温の変化に強いため初心者向けのリクガメの一種とされています。

他のリクガメとちがって前足が四本しかなく、それを器用に使って穴を掘る習性があります。

ときには何メートルもの巣穴を掘り、冬場はそこで冬眠して過ごす個体もいます。

野外飼育が可能な種類ですが、その際には脱走に注意する必要があるでしょう。

室内で飼育するときには、他のリクガメよりも多めに床材を敷いておくことで地面を掘り進む姿を見ることができます。

全身を隠すことができればストレスの軽減にもなるので、ロシアリクガメの飼育には水槽内のレイアウトにも工夫をしてみましょう。

こまめな掃除を行い、衛生面の管理に抜かりがないように注意してください。

ギリシャリクガメ

日本でも多くの人が飼育していて、とても人気のある個体であるギリシャリクガメは、もちろん初心者にもオススメできる優良な種類です。

世界中のあらゆる場所に生息し、多くの亜種とそれぞれの特徴を持っています。

飼うことになったギリシャリクガメがどのような環境を好み、必要としているのかをきちんと理解することが飼い主としての最初のスタートになるでしょう。

それからそれぞれの個性を把握し、柔軟な飼育を心がけてください。

湿度が高いと体調を崩しやすくなるので、通気性の良い場所に水槽を置き、風を浴びせてなるべく乾燥させるようにしてください。

他の種類と比べて多くの水を飲むので、毎日新鮮な水に換えることも必要です。

水皿がひっくり返ったりすると、水槽の湿度が上がってギリシャリクガメにとって不快な環境になるので注意しましょう。

アカアシガメ

頭と足に赤や黄色の模様を持ち、見た目にも色鮮やかなアカアシガメは、一般的にも強い人気を誇っている種類です。

高温多湿を好むため日本の環境に適応しやすく、育てやすいリクガメだといえるでしょう。

基本的に草食性ですが、野生の名残で動物性タンパク質も積極的に摂取します。

食事はその辺りを考慮し、野菜や果物以外のものも与えるようにしましょう。

特に頭が赤く、小柄な個体はチェリーヘッドと呼ばれています。

派手で鮮やかな見た目は、毎日の飼育を楽しくさせてくれるでしょう。

三十センチくらいにしか成長しないと言われていますが、個体によってはもちろんそれ以上にもなりえます。

水槽や飼育場には、大きさに余裕のあるものを用意してください。

インドホシガメ

リクガメの中でもトップクラスの人気を持つインドホシガメは、黒の体に白い線が入った特徴的な姿で多くの人を魅了してきました。

非常に湿度の高い環境が最適とされ、水槽内は常に湿っているような状況を作ってあげましょう。

霧吹きや加湿器を利用して、こまめな管理を徹底するようにしてください。

やや神経質な個体が多く、気温や湿度はもちろん、季節によって大きく環境が変わらないように気をつけましょう。

寒い季節には温浴をさせることも可能なため、体調を見て試してみてあげてください。

湿度の多い環境を維持するために、床材にはヤシガラなどの湿気を多く含むものを選びましょう。

汚れや食べ残しは見つけ次第すぐに除去し、衛生面を良好に保つように気をつけることが、インドホシガメを上手に飼うポイントとなります。

準備できる飼育環境から、飼育するリクガメを選ぼう

人の生活スタイルによって、リクガメのために準備することができる環境には差がでます。

きちんとした世話ができるように、代表的なリクガメの中から自分に合った特徴を持つ種類を選びましょう。

そしてどの種類を飼育することになったとしても、必ず最後まで責任を持って育てるようにしてください。

リクガメの寿命は長いものですから、お互いに気持ちよく生活できるようにがんばりましょう。