アイルランド原産であるアイリッシュテリア。

テリア種の中でも、最も古くから存在している犬種の1つとされています。

現在では、あまり繁殖がされておらず、比較的珍しい犬種とされています。

そんなアイリッシュテリアとは、どのような犬種なのでしょうか。

テリア気質な性格

飼い主やその家族に対してはとても愛情深く忠実です。

また、優しい一面もあり、子供などとも仲良くすることができます。

しかし一方で、見知らぬ人には警戒心を持ち、攻撃的になることがあります。

また、恐れを知らず、何事にも立ち向かっていく性格も持っているため、他の犬などとケンカになると、後に引くことなく、勝つまで攻撃を止めないということもあります。

このような行動は、正にテリア種ならではの、頑固で闘争心がある性格から来るものと言えます。

遊び好きで好奇心旺盛な一面もあるため、冒険をしたいという気持ちも強いです。

アイリッシュテリアの体重・体高

アイリッシュテリアの体重は11kg〜12kg、体高は43cm〜46cmで分類としては中型犬となります。

テリア種の中では大きな方で、優雅ですらりとした細身な姿が特徴的です。

体格としては、筋肉質で逞しく、丈夫な身体をしています。

頭は小さく、足は真っ直ぐで長めとなっています。

耳は垂れ耳ですが、まれに立ち耳の個体もいます。

尾は、昔は全体の4分の1を断尾していましたが、現在では行われていません。

歩く姿は悠然としており、動きは活発でかつしなやかです。

被毛は、体のラインが見えるほど短いです。

毛色は、単色のみ認められており、レッド、イエロー・レッド、レッド・ウィートンがあります。

アイリッシュテリアの寿命とかかりやすい病気

アイリッシュテリアの寿命は、13年〜15年とされています。

かかりやすい病気としては、進行性網膜萎縮などがあります。

進行性網膜萎縮とは、目の中にある網膜が萎縮してしまい、正常な働きをしなくなり、視力が低下してしまう病気です。

この病気になると、まず夜間や暗い場所などで物に気付かずつまづいたり、歩き方がおぼつかなくなったりします。

それが嫌で、夜間の散歩などをしたがらなくなります。

病気が進行していくと、今度は昼夜問わず物が見えづらくなり、明るい場所でも物につまづいたりするようになります。

この病気の難点は、進行が徐々に進むため、飼い主が気付きにくいということです。

更に、明確な治療法はないため、この病気にかかったら、飼い主が、物の配置を安全なものに変えるなどの配慮が必要となります。

なるべく犬本人のストレスとならないよう、この病気とは上手く付き合っていく事が必要です。

アイリッシュテリアのしつけ方

元々が狩猟犬のため、その本能で、小型犬や小動物を追いかけようとすることがあります。

そのような行動で、他の動物に危害を加えるなどのトラブルが起きないように、制止命令を聞くことが出来るようにしつけをしておくことが、とても重要です。

そのためにもまず、服従訓練を完璧にしておくことが必要です。

アイリッシュテリアに限らず、犬というものは、自分よりも下の立場の者の言うことは全く聞きません。

飼い主と言えど、アイリッシュテリアから立場が下だと認識されれば、指示などは全く通らなくなります。

必要以上に誉めたりして甘やかしてしまうと、自分の方が立場は上だと勘違いをして、言うことを聞かなくなります。

誉める時は誉め、悪いことをした時は厳しく叱るというメリハリのあるしつけを、子犬の頃から行っておきましょう。

それでもしつけが完璧ではない場合は、外に出る時に必ずリードを着用する事が望ましいです。

アイリッシュテリアを飼う際の注意点

アイリッシュテリアは、とても活発で好奇心旺盛な犬種のため、運動量も多く必要です。

基本的には、1日中室内で大人しくするということができないタイプです。

毎日1日1時間程度の散歩をすることが望ましいです。

また、広い庭やドッグランなどで走り回らせてあげるなどの運動も行えることが好ましいです。

運動を怠り運動不足になると、ストレスが溜まってしまい、家の中でも暴れたりイタズラをしてしまうこともあるので注意が必要です。

被毛のお手入れは、週に1〜2回のブラッシングと年に2〜4回程度のトリミングが好ましいです。

アイリッシュテリアの価格と入手方法

アイリッシュテリアの価格は、15万円〜25万円程度となります。

入手方法としてはいくつかありますが、ペットショップからの購入やブリーダーからの購入などが主に知られている方法です。

ペットショップは、比較的各所に存在しているため、足を運びやすいのが利点ですが、必ずしもアイリッシュテリアがいるとは限らないというのが難点です。

特にアイリッシュテリアは、日本でも知名度は低いため、なかなか出回ることはありません。

その一方でブリーダーは、アイリッシュテリアを扱っているブリーダーを見つければ、確実に手に入りますし、その犬の詳しい情報なども聞くことができます。

ただし、ブリーダーが身近にいるとは限らないのが難点であり、どちらにしても良い点・悪い点があります。

自分に合った入手方法を探してみましょう。

アイリッシュテリアのことを知ろう

典型的なテリア気質なことから、テリア愛好家の中では非常に愛されているアイリッシュテリア。

しかし、その難しい性格やしつけなどの大変さから、初めて犬を飼うかたには向いていない犬種です。

安易に「大丈夫だろう」と考えて飼おうとせずに、しっかりと特性を理解した上で飼うことを検討しましょう。