大きくてオオカミのような強さを感じるエストレラマウンテンドッグ。

日本ではまだ馴染みがないものの、海外では多くの愛好家がいます。

ここでは、エストレラマウンテンドッグについてご紹介します。

エストレラマウンテンドッグの歴史

エストレラマウンテンドッグは、ポルトガルのイベリア半島で確認された最も古い歴史をもつ犬種であると考えられています。

この地方で番犬としての役割を果たし、活躍していました。

2度にわたる大戦や、牧羊が縮小されるなどの環境の変化によって、19世紀後半には絶滅品種に指定されるまでになりました。

しかし、国内の波乱の影響を受けずに生存したエストレラマウンテンドッグが国外で確認され、どうにか絶滅の危機は乗り越えることができました。

現在ではドッグショーによく出場し、ポルトガルのみならず、他のヨーロッパ諸国やアメリカにおいて人気が高まってきており、繁殖も順調に行なわれています。

また、警察犬や軍用犬として活躍している場合も多いです。

エストレラマウンテンドッグの特徴

平均的な体高が62~72㎝、体重が30~50kで、大型犬に属しています。

骨太でがっしりしており、デューラップといわれる喉にある「たるみ」が特徴的な犬種です。

「レオンベルガー」と呼ばれている犬種に似ているといわれますが、このエストレラマウンテンドッグの方が少し骨太です。

被毛は山羊のようにたくさん生えており、粗いダブルコートとなっています。

そして被毛の長さには2つのタイプがあり、短い毛の「ショートコートタイプ」と長くてフサフサした毛の「ロングコートタイプ」に分けられます。

ちなみに「ロングコートタイプ」にみられるたてがみは、寒い場所では首元から熱が逃げるのを防ぐ役割を果たします。

また、オオカミに噛まれてしまっても怪我のダメージを軽減することができるようになっています。

これはまさにポルトガルの厳しい生活に合わせて進化したものだと思われます。

カラーはイエローを基調にブリンドル、フォーン、ウルフグレーなどがみられます。

エストレラマウンテンドッグの性格

エストレラマウンテンドッグは羊飼いの番犬をしてオオカミや泥棒に対しても臆することなく立ち向かっていた犬種で、警戒心が強く、番犬にとても適しています。

危険をすぐさま敏感に感じ取ることにも長けています。

また、飼い主に対してはとても忠実で、愛情深い一面もあります。

ただ、少し独立心が強く、しつけは難しいといえます。

成長をした時に手が負えなくなると危険なので、しっかりと子犬の時期訓練をしておかなければなりません。

もしも飼い主のランクが下だと判断されてしまったら、そのエストレラマウンテンドッグの認識を変えるのは大変です。

訓練中は特に、毅然とした態度で接するようにしましょう。

エストレラマウンテンドッグの飼い方

実は、エストレラマウンテンドッグは、番犬や狩りに適した犬種であり、あまりペットに向いているとはいえません。

もしそれでも飼いたいと思う人は、1度「ジャパンケネルクラブ」が主催しているドッグショーを実際に見て、できることなら飼い主から直接話を聞くことをオススメします。

しかし、飼い主には友好的な性格ももっており、きちんとしつけを行なうことができれば、良きパートナーになってくれるでしょう。

とにかく子犬の頃からの服従訓練が何よりも重要です。

エストレラマウンテンドッグは体が重いため、激しい運動をすると腰に負担がかかってしまいます。

とはいえ、運動不足であるとストレスを感じてしまうため、軽い運藤は行なう必要があります。

毎日2回、1時間ずつ時間を確保し、散歩などに連れていってあげましょう。

また、「ショートコートタイプ」なら週に1回、「ロングコートタイプ」なら週に2~3回はブラッシングしてあげるように心がけましょう。

エストレラマウンテンドッグの寿命とかかりやすい病気

エストレラマウンテンドッグは、あく寿命が10~12年と言われています。

気をつけるべき病気は、大型犬に多い「股関節形成不全」と「皮膚病」です。

「股関節形成不全」は、骨が急に成長するため、それに筋肉の成長がおいつかないことで起こる病気です。

歩き方がおかしいと感じたら、病院を受診しましょう。

また、「皮膚炎」は治っても再発しやすく、症状が長引きしやすい病気です。

被毛のお手入れの際、全身をマッサージしてあげるようにし、皮膚炎を発症していないかどうかチェックしてあげると、コミュニケーションにもなり、オススメですよ。

エストレラマウンテンドッグの価格

子犬の販売価格は50万円前後であると言われています。

ただし、エストレラマウンテンドッグを繁殖しているブリーダーはかなり見つけにくいため、海外からの個人輸入を中心に検討を進めた方がいいでしょう。

海外では20万円ほどで販売されているのですが、別途手数料などがかかるため、40~50万ほどと考えておくべきです。

ちなみにエストレラマウンテンドッグのエサ代は、およそ月に2万ほどかかり、ここにしつけに必要なお菓子代を合わせて考えると年間で30万円ほどかかります。

また、サークルやトイレ用品といった必要最低限の備品を飼いそろえると10万円はかかるでしょう。

エストレラマウンテンドッグの特徴を知ろう

エストレラマウンテンドッグの性格や飼育の際の注意点、かかりやすい病気などについてご紹介しました。

大型犬の飼育は大変ですが、家族でよく相談し、購入を決めるようにしましょう。

いいパートナーにめぐりあえますように願っています。