猫のお腹のたるみは何?名前や理由を知ろう

最終更新日:2017年1月29日

猫のお腹がタプタプたるんで垂れ下がっているのをよく見ます。

これはもしかすると肥満なのでしょうか?それにしても多くの猫に見られるのはなぜでしょう?

お腹のたるみの名前は「ルーズスキン」

このお腹のたるみは猫のお腹の皮が余った部分で、「ルーズスキン」という名前があります。

これはほとんどの猫が持っている体の特徴で、病気ではありません。

猫によっては地面に着きそうなくらいたるんでいることもあります。

普通は「ルーズスキン」と言われますが、さらに学術的な英語では「Primordial Pouch」(プライモーディアルポーチ)と言われます。

Primordialは「原始的」、Pouchは「袋」です。

「原始的な袋」と言われるように、この袋はヤマネコなどの野生猫の方が発達しています。

トラやライオンなどの大型のネコ科の動物にも見られます。

猫にはなぜルーズスキンがあるのか

ネコ科の動物がこのような袋をお腹に持つようになった理由はいくつかの説があります。

まず「内臓を守るため」です。

野生動物は戦ったときに本能的に相手のお腹を噛もうとします。

お腹は柔らかく、内臓が入っている急所だからです。

そのお腹を守るために皮が伸びてルーズスキンになったと言われています。

また「後ろ足を自由に動かす柔軟性を得るため」という理由もあります。

猫の体は全体的に柔軟性に優れていますが、獲物を狙うときに特に大切なのは後ろ足の柔軟な動きです。

後ろ足の関節を大きく動かして、素早い動きと優れたジャンプ力を得るために皮が伸びたという説です。

また「食いだめをするため」という理由もあります。

野生の猫は獲物を捕って食べますが、毎日捕って食べるわけではないので、捕れたときにまとめ食いになります。

まとめ食いをすると急にお腹が膨れるためよく伸びる皮が必要になった、また栄養分を蓄えるために袋が発達したとも言われています。

ルーズスキンが特に見られやすい猫種

猫種によって、特にルーズスキンが目立つものがあります。

「アメリカンショートヘア」「エジプシャンマウ」「ピクシーボブ」「ベンガル」といった猫種と、その血を引くものはルーズスキンが特に見られます。

「ベンガル」は「ベンガルヤマネコ」の血を引いていて野生猫に近い特徴を持つので、ルーズスキンが特に目立つのかもしれません。

上記の猫は、海外でのキャットショーではルーズスキンが審査の対象になることもあり、立派なたるみがあるほど良い評価になります。

ルーズスキンと肥満の見分け方

ルーズスキンは病気ではありませんが、肥満でたるんでいる場合もあります。

ルーズスキンと肥満は判別が難しいのですが、チェックしてみましょう。

ルーズスキンに触ってみて中に何もない皮だけなら大丈夫、中に肉が詰まっているようならそれは皮下脂肪で肥満です。

歩いたときにたるみが揺れるようなら皮だけなので大丈夫、お腹にくっついているようなら皮下脂肪がたまっているかもしれません。

また体重が適正か、他の体の部位にも余分な脂肪がついていないかで判断しましょう。

避妊後のメス猫のお腹のたるみ

メス猫は避妊手術をしたあとに、急にお腹がたるんできたということがよくあります。

これはルーズスキンとは別に、ホルモンの影響でおなかがたるむようです。

痛みや炎症、発熱や食欲不振などの症状がなければ普通は特に問題はありません。

しばらくするとたるみが自然におさまってくることもあります。

また一般的にメス猫はオス猫よりもルーズスキンが目立ちやすい傾向があります。

ルーズスキンにできる炎症「イエローファット」

ルーズスキンに病気が見つかることがあります。

お腹のたるみの部分を触って、しこりのようなかたまりに触れたら、それは「イエローファット(黄色脂肪症)」かもしれません。

しこりが熱を持ったり、触ると痛がったり、歩き方が不自然になったりします。

不飽和脂肪酸を多く含む青魚(イワシ、アジ、サバ、サンマなど)の過剰摂取が原因です。

青魚のDHAは猫の健康に良いのですが、猫はこれらの魚の不飽和脂肪酸を体内で処理するのが苦手です。

猫の体内に取り込まれた不飽和酸脂肪は、猫の脂肪を酸化させて、黄色い脂肪組織「イエローファット」のかたまりを作って炎症を起こします。

大抵ルーズスキンから発症して、胸の方に広がっていきます。

もし見つかったら、獣医師に相談して炎症を治療をして食事を改善しましょう。

猫のお腹チェックは大切

猫のお腹が出ているときにルーズスキンやただの肥満だと思っていると、実は別の病気でお腹が腫れていることがあるので要注意です。

猫のお腹が腫れているときに考えられる病気は、腹部の腫瘍(子宮がんなど)、肝炎、回虫症、巨大結腸症、クッシング症候群、伝染性腹膜炎など、いろいろあります。

また泌尿器系に結石ができると尿が出なくなってお腹が膨れ上がるようになります。

これらは一見ルーズスキンや肥満と区別がつきにくいものですが、お腹を触ってよく見て、また他の症状がないか気をつけてチェックしましょう。

猫のお腹のたるみはどんなものかを知ろう

猫のお腹のたるみ「ルーズスキン」は、野生の猫が生きていくために大事な役割をしていたものでした。

その名残がイエネコにも残っているのです。

ペットの猫のルーズスキンが脂肪をためる袋になってしまわないように、日ごろからきちんと健康管理をしましょう。

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