猫の舌がザラザラしている理由。猫が生きる上での必須機能

最終更新日:2016年5月2日

猫好きなら誰でも、一度は猫に顔や手をぺろぺろと舐められた事があるのではないでしょうか。

可愛くてとても嬉しい反面、ヤスリの様にザラザラとしていて意外と痛くてビックリしてしまいます。

猫の舌はどのような理由であれほどザラザラしているのでしょうか。

1.ナイフとフォークの代わり

猫の舌は、裏側や側面は他の生き物と同じような軟らかい質感をしていますが、中央部分は約300もの突起が付いており、まるでヤスリのようにザラザラとしています。

この猫の舌のザラザラには、人の使うナイフやフォークのように食べ物を食べやすくする働きがあります。

猫は野生動物だった頃、純粋な肉食動物でした。

自分が狩った鳥やネズミなどを食べるとき、このザラザラした舌を使って骨についた肉をこそげとるようにしてキレイに舐めとって食べていたのです。

猫のアゴは小さく、何でも噛み砕けるような強いアゴではありません。

したがって、犬のように骨を噛み砕いて隅々まで肉を食べきる事は出来ません。

犬のような強いアゴや人間の器用な手の代わりに、ザラザラの舌で人がナイフやフォークを使うように器用に肉をこそげとって食べていたのです。

現在の飼い猫は、この舌のザラザラを骨についた肉をこそげとるために使う機会はほとんどありませんが、この舌のおかげでエサ皿のエサをキレイに舐めとる事が出来ます。


2.スプーンの代わり

猫の舌にあるザラザラの突起は、よく見ると一つ一つが喉に向かって生えています。

この内側へ内側へと向かって行くザラザラのつくりによって、猫の舌は液状の物も簡単にすくえるスプーンのような役割を果たします。

犬が水を飲む様子と猫が水を飲む様子を比べてみましょう。

犬は水を飲むとき、舌の裏面に水を巻き込むようにして飲んでいます。

猫は逆に舌の表面を使い水を持ち上げるようにして飲みます。

犬と猫の水の飲み方にこのような違いがあるのは、この舌の突起の有無が大きく関係しています。

猫は水を飲む時、このザラザラをスプーンのように使って水滴を突起の一つ一つに溜めて飲む事が出来るのです。

このスプーンのおかげで、猫は簡単でしかも音も少なくキレイに水を飲む事が出来ます。

犬の舌にはこのような突起はないので、猫のように表面で水を飲む事は出来ません。

また音も大きく水が飛び散りやすくなります。

また、スプーン代わりのこのザラザラは、水を飲む時だけでなく、喉の奥に食べ物を運ぶ手助けにもなります。

猫は基本的に食べ物を丸呑みにするので、この働きは大いに役立ちます。

3.ブラシの代わり

猫の舌のザラザラは、飲食以外の所でも猫の生活をより便利にしています。

猫に舐められた時、ザラザラしている事を知っていた人でも、思った以上に突起に硬さがあり、ビックリした事がある人も多いのではないでしょうか。

猫の舌のザラザラがこのように硬いのは、これを髪の毛をとかすブラシのように使い、体に付いたよごれや抜け毛を梳きとって毛並みを整えるためです。

ブラシ代わりのザラザラの舌と殺菌作用のある唾液のおかげで、猫はお風呂に入る必要がありません。

短毛種や普通の長さの毛の猫なら、この舌によるグルーミングで十分に清潔を保てます。

おかげで、犬など他のペットのように飼い主が頻繁に体を洗ってあげる必要がありません。

しかし、毛の多く抜ける換毛期やペルシャなどの長毛種は毛が多すぎて、この舌のブラシだけでは足りない事もあります。

換毛期や長毛種の猫は、グルーミングだけに頼ってしまうと抜け毛をお腹に溜め込み過ぎてしまい、毛球症という病気にかかってしまう恐れがあります。

舌のブラシに頼り切らず、猫の状態を見て飼い主がブラッシングしてあげましょう。

猫が自分で毛繕いをしなくなったら体の不調のサインです。

舌のブラシを使う素振りが無く、体が臭ったり毛並みが悪い時は他に異常がないか確認し、病院へ連れて行きましょう。

猫が具合が悪い、もしくは高齢になった証拠です。


4.猫の舌のザラザラの正体

猫の舌がザラザラしているのは表面に約300個の突起があるためです。

この突起は糸状乳頭と言います。

糸状乳頭は舌の中央に密集していて、舌の裏や側面にはありません。

犬の舌は「熱を逃がす」働きに特化していますが、猫の場合は「道具のように使う」働きに特化しています。

この「道具のように使う」働きの中で、糸状乳頭は上記のようなたくさんの役割を持っています。

猫が舌をしまい忘れている様子が見られるのは、このように色々な場面で舌を使うため疲れてしまい、ついしまい忘れているとも言われています。

また、猫の舌はこの糸状乳頭の部分では味を感じません。

味を感じる細胞は舌の側面や手前、奥にそれぞれの味覚ごとに集中しています。

人の舌では味覚は重要性が高く多くの範囲で感じる事が出来ますが、猫の場合の味覚は食べ物の鮮度を知る以上の必要性はありません。

猫にとって舌は人間のように味を感じ、食事を楽しむためにあるのではなく、様々な道具の代わりとなる七つ道具のような存在です。

猫の舌の道具としての役割をより高めるために、猫の舌はザラザラしているのです。

舌のザラザラは猫の健康の立役者

このように猫の舌のザラザラは体の清潔を守ったり、ご飯を食べやすくしたりと猫の健康を守る上で重要な役割を持っています。

猫が自分以外を舐めるのは、愛情表現の一種です。

ちょっと痛いかもしれませんが、それは猫の健康を守る大切な機能です。

ザラザラの痛さにめげずに猫からの愛情を受け取ってあげて下さい。

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