皆さんは、猫がげっぷをしているのを見たことがありますか。

猫のげっぷは、人間のそれとは異なり、しゃっくりのように軽く息を吐きだすような形のげっぷです。

何故、猫はげっぷをするのでしょうか。何か、意味があったりするのでしょうか。

そこで今回は猫がげっぷをする原因をご紹介します。

生理的なげっぷ

生理的なげっぷというのは、普段生活している上で正常な生理現象としてのげっぷという事です。

げっぷは単純に言えば、食道や胃のような消化器内に空気のような気体が貯まってしまい、その気体を外部に排出するために行われています。

例えば、子猫が母乳やミルクを飲む時に、空気と一緒にミルクを飲んでしまうので、その空気を排出するためにげっぷを行います。

これは、人間の赤ちゃんも同じですね。

その際に、お母さん猫が子猫の背中を舐めてげっぷを促すので、まだ小さい猫では背中を舐められると反射的にげっぷをしてしまう事もあります。

また、猫は基本的にえさは丸のみですので、エサの中に空気があったり、ドライフードでも空気ごと食べてしまい、げっぷをすることは大人の猫でもままあります。

水を飲むのが下手な子ですと、水でも同じことが起こったりすることもあります。

軽く1~2回げっぷをするぐらいでしたら、生理的なげっぷですので問題ありません。

ただ、毎食事ごとにするようであれば、エサに加えられている成分から胃の中でガスが発生している可能性があるので、エサを変えてみることをオススメします。

食べるものが原因のげっぷ

こちらは、えさの成分に問題があるタイプのげっぷです。

最も考えられるのが、食物アレルギーによるげっぷです。

アレルギーとは、アレルゲンと呼ばれる体外からの異物に対する免疫反応の事で、この場合はえさに含まれている特定の物質や原材料を体が異物と認識して、その免疫反応としてげっぷをしているという事です。

猫のアレルギーは、牛肉、魚に対するアレルギーが特に多く、他には鶏肉、ラム肉、乳製品、穀物などでアレルギーが報告されています。

これらをエサとして食べさせている。

あるいは、フードの原材料として使われていて、毎食事のたびにげっぷをするようであれば、アレルギーを疑ってみるべきです。

もし、アレルギーであれば、フードを変えることで症状が改善するはずです。

食道に異常がある場合

食道とは、口と胃をつなぐ食べ物や水の通り道です。

この食道が狭くなっている、あるいは詰まっていると、食べたものを戻したり、げっぷが出たりします。

食べ物でもそうでなくても、固くて大きなものや角ばっているものを誤って食べたときに食道で引っかかることがあります。

これを異物性の食道梗塞と言います。

食道梗塞は、内視鏡で引っかかった異物を胃に押し込んだり、口から引っ張り出す、あるいは手術で摘出したりして対処します。

その他には、血管輪異常と言って、食道の周りにある血管が異常に発達したり、食道にからみついたりして、食堂を締め付けてせまくなる病気があります。

また、食道裂孔ヘルニアという病気や食道に腫瘍ができることで、狭くなったりもします。

これらの病気はいずれも、外科手術で対処する場合が多いので注意してください。

異常があれば、動物病院につれていきましょう。

胃に異常がある場合

胃に異常があってげっぷが出ることもあります。

胃捻転と言って、胃がねじれてしまう病気があります。

胃捻転になってしまうと、胃の中が詰まって胃の内容物が腸に送れなくなってしまい、ガスが充満するので、ガスを排出するためにげっぷが出たり、胃の内容物を吐いたりします。

その他に、幽門狭窄という病気があります。

胃と腸のつながっている部分を幽門と言い、幽門の筋肉や粘膜が厚くなることで幽門が狭くなり、胃の内容物が腸に送れなくなるのが幽門狭窄です。

この病気はシャム猫がかかりやすいと言われており、げっぷの原因になります。

これらの病気も外科手術で対処します。

その他にも腫瘍によって胃腸間の内容物の移動の障害、などが原因として考えられます。

鼻炎の結果

鼓脹症という病気があります。

鼓脹症は牛のような反芻動物でよく見られる病気です。

牛の場合は胃の中で、草の発酵によってガスが発生して起こります。

猫の鼓脹症は、何らかの原因で鼻炎となり、鼻が呼吸に使えない状態となって、普段使わない口呼吸が呼吸のメインとなり、慣れない口呼吸の結果、胃に空気が貯まるというものです。

放っておくと死につながる可能性もありますので、げっぷが続いて、お腹がパンパンになっていたら動物病院に連れていきましょう。

猫のげっぷの違いを見極める

食後にしか出ない生理的なげっぷならば大丈夫ですが、一日中止まらないげっぷであれば異常である可能性が高いです。

その場合は、すぐ動物病院に連れていきましょう。

消化管の詰まる病気は、命に関わる危険もありますので、早めの対処をオススメします。