雑種犬が純血種よりも丈夫と言われる理由とは

最終更新日:2017年1月29日

いろいろな種類の犬が交配して血が混ざりあった雑種犬は、純血種よりもランクが下のように思われがちです。

しかし雑種犬は純血種よりも強く、特に遺伝子疾患にかかるリスクが低いと言われます。

それは本当でしょうか?またどうしてなのでしょうか?

遺伝子疾患に関する純血種と雑種犬の比較

雑種犬は純血種に比べて特に遺伝病にかかりにくいと言われますが、本当でしょうか?

それについてアメリカで研究したデーターがあります。

1995年から2010年にかけて、純血種と雑種で遺伝病のかかりやすさを比較した研究が、アメリカのカリフォルニア大学で行われました。

大学と関連する動物病院の治療を受けた9万頭以上の犬について、対象とする24種の遺伝病に罹患しているかどうかのデーターを取った研究結果です。

それによると、その中の27254頭の犬に1つ以上の遺伝病が見られました。

24種の遺伝病のうち13種は、純血種も雑種犬も罹患率はほぼ同様でした。

10種の疾患は純血種の方が罹患率が高く、1種は雑種の方が罹患率が高いという結果になりました。

この結果からみると、たしかに雑種犬の方が遺伝病の罹患率が低いということになります。

雑種犬は遺伝病のリスクが低くなる

このアメリカの研究結果は遺伝病に関してだけの結果です。

他の病気についてのデータはないので一概には言えませんが、遺伝病に関して雑種犬が強いというのはたしかようです。

その理由として、雑種犬は性質が違う種類の遺伝子を受け継ぐので、遺伝病を引き継ぐリスクが低くなる、という説があります。

それに対して純血種は、もともと親の犬種が持っている遺伝子をそのまま引き継ぐので、遺伝病も引き継がれる可能性が高くなります。

犬種によってかかりやすい遺伝病がそれぞれありますので、ほとんどの純血種は生まれながらに遺伝病に罹患するリスクがあります。

雑種犬は多様な遺伝子を受け継いでいて良い特徴があらわれやすい

雑種犬が遺伝的に優れているというのは他にも理由があります。

雑種犬は先祖の代から多様な遺伝子を受け継いでいて、両親にはない良い遺伝子の特徴があらわれる可能性が高いのです。

そのため病気にかかりにくかったり、環境に適応しやすいなどの良い点が出てくるのです。

ではなぜ、悪い遺伝子より良い遺伝子が出てくるのでしょうか?

遺伝子は自然に受け継がれた場合、環境に適さない悪い遺伝子は淘汰されて、良い遺伝子が生き延びるというふうに「自然淘汰」がなされるのです。

何代も代を重ねるうちに、多様な遺伝子の中から良い遺伝子が生き残り、子孫にあらわれやすくなります。

雑種犬は環境に適応して進化してきた

もともと人間の手にかからず代を重ねてきた雑種犬は、その土地の環境に順応するように進化してきました。

例えば寒い地方に育った雑種犬は、寒さに強い遺伝子を持ったものだけが生き残って、それ以外のものは淘汰されてきました。

雑種犬は、人間が保護しなくてもその土地に順応できる遺伝子だけが進化して生き残り、今に至っているのです。

それに対して純血種は、自然淘汰の現場から隔離された環境で人工的に交配しているので、必ずしもその土地の環境に適応した遺伝子が残っているとは限りません。

例えば長毛種はもともと寒い土地に適応していたのですが、今では世界中で飼われています。

暑い土地でも長い毛になるように交配され、生き残るように人間が環境を整えていますが、遺伝子と環境がマッチしているとは言えません。

雑種犬は本能で選んだパートナーと子孫を残している

雑種犬は、先祖の代は自然の中でパートナーに巡り合って、交尾して子孫を残していました。

現在のペットとして飼われている環境でも、雑種犬ができる経緯というのは「思わず妊娠してしまった」ということが多いのではないでしょうか?

いずれにしても、犬が本能で相手を選んだ結果残された子孫が雑種犬です。

動物が子孫を残す場合、本能が遺伝子にとってベストマッチの相手を嗅ぎ分けると言われています。

人間の婚活の場合もそうですが、どんなに条件が良い相手でも、なぜか生理的に受け付けないという場合があるでしょう。

これは良い子孫を残すために、本能が相手を選別しています。

雑種犬が本能で相手を選び子孫を残しているのに対して、純血種は人間が管理してパートナーを決めています。

人間の知恵もだんだん進化して、ベストに近い遺伝子の組み合わせを作れるようにはなっていますが、まだ自然の力には及んでいないのです。

ミックス犬について

異なる種類の純血種を人工的に交配させて作った一代目は「ミックス犬」と言われます。

例えばチワワとダックスフントを合わせた「チワックス」やマルチーズとプードルを合わせた「マルプー」などです。

これらも広義で言えば雑種犬に入ります。

しかし一代前まで純血種だったうえに、人間が人工的に交配しているので、何代も前からいろいろな血が混ざってできあがった雑種犬とは違います。

ミックス犬は、遺伝子の点からいうと、雑種と言ってもむしろ純血種に近いです。

「ミックス犬は雑種だから丈夫で遺伝子疾患のリスクが低い」とは必ずしも言えないでしょう。

雑種犬が丈夫と言われる理由を知ろう

雑種犬が遺伝子の点で優れているのはわかりましたが、すべての雑種犬が病気に強く遺伝子疾患のリスクが全くない、というわけではありません。

本当に強いか、優れているかはどんな血を受け継いでいるかによるものです。

また純血種、雑種犬にかかわらず、健康に育つかどうかは、持って生まれた遺伝子の質もありますが、それ以上に飼い主の愛情とケアが何よりも大切です。

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