メダカや熱帯魚を飼われている方にとって、アオミドロはとても嫌な存在です。
ドロドロとした質感と速い成長速度によって、水槽全体の美観を損ねる非常に厄介な存在でもあります。
そんなアオミドロを駆除する方法、そして立てるべき対策として、一体何をすれば良いのでしょうか。
アオミドロとは
アオミドロとは藻の一種です。
アクアリウムだけに発生する藻ではなく、水路や田んぼ、川などでも見られるものです。
直射日光の当たる場所で発生しやすく、照明器具を使用する水槽にも発生しやすいです。
見た目は糸状のフサフサが固まったもので、よく水草にまとわり付いています。
このアオミドロが嫌われている最大の理由として、やはりネバネバした見た目が挙げられます。
せっかくキレイな水草を育てていても、アオミドロが発生すると景観的には非常に良くありません。
手触りもドロドロとしていてあまり触りたくないものです。
また、アオミドロが発生した場合、その水槽内にいる魚にとってもデメリットがあります。
アオミドロは成長がとても速く、放置しておくとあっという間に水槽を埋め尽くしてしまいます。
そうなると魚たちの泳ぐ空間が狭まってしまいますし、最悪の場合体や尾ヒレに絡まってしまいます。
もしもアオミドロが発生した場合は、早急に対策を練らなければなりません。
アオミドロが発生する原因
アオミドロ対策をするために、発生する原因について知っておく必要があります。
発生の要因は、水の富栄養化です。
富栄養化とは、水の中の栄養が少ない貧栄養状態から、栄養が豊富な富栄養状態へと変化する現象です。
自然環境でいうと田んぼは非常に栄養が多いので発生しやすいです。
一方で水槽内でも水が富栄養化するとアオミドロは発生します。
水槽内の水草は普段、水に含まれる栄養を吸収して成長していますが、吸収できる栄養を超えると富栄養化します。
水草に肥料を使用している場合はアオミドロの発生率も高いです。
さらに水槽の中では水流が生まれないため、アオミドロが定着してしまいます。
たとえ水の交換をあまりしていなくても、魚の糞が原因で富栄養化します。
水路や田んぼに発生したアオミドロの成長が速い理由は、直射日光の良く当たる環境だからです。
直射日光や温度の高い水温は、水質が富栄養化する原因になります。
つまり、照明器具やヒーターなどを使用する水槽内の水は富栄養化しやすい環境ということになります。
アオミドロへの予防・対策
最善の予防策は、水の富栄養化を出来るだけおさえることです。
普段多くのエサを魚に与えない、水草に肥料を与えすぎないなど、とにかく栄養の多く含まれた物質を水槽に入れすぎないことに注意しましょう。
水草の種類・数を増やすこともアオミドロの発生を抑えるのに効果的です。
購入したばかりの水草にはアオミドロが付着していることがあるので、水槽に移す前に軽く水で洗っておきましょう。
また、浮き草を浮かべるのも予防になります。
直射日光の当たる環境下で水槽を置いている場合、日陰に移動するだけでもアオミドロの成長を抑えることができます。
照明器具は付けた状態で放置せず、点灯時間を決めて管理するようにしましょう。
水換えの数を増やすのも富栄養化対策になります。
大きいサイズの水槽であれば、ろ過装置や水流ポンプなどで水流を作るのも効果的です。
ろ過装置のフィルターも、できれば定期的に掃除をすると良いでしょう。
ヤマトヌマエビやヒメタニシなどはアオミドロを含めコケや藻を除去してくれるので、対策として2、3匹飼育しておくのも良いです。
駆除の方法
アオミドロが繁殖した場合、肥料を一時的に与えないようにし、アオミドロの成長と繁殖をストップさせる必要があります。
あまりに繁殖しすぎて見ていられない場合には、歯ブラシやピンセットなどで除去するのが良いでしょう。
ただし、その際水草や水槽のガラスに傷を付けないように注意する必要があります。
そして照明器具を使用するのもやめて、水槽に強い光が当たらないようにしましょう。
光が遮断された状態で1週間もすれば、水の富栄養化も止まり、アオミドロの数も減ります。
大抵の場合は水草が弱まりきってしまう前に、アオミドロの繁殖力の方が先に止まります。
しかし光を遮断している期間は、水草の様子の確認をしっかり行いましょう。
ろ過装置やCO2添加機器などに付着したアオミドロは洗い流しましょう。
フィルターに絡まっていることも考え、分解できる機器は分解し、中まできちんと洗いましょう。
アオミドロを食べる生体を投入するのも良いです。
アオミドロやコケ対策として定番と言われているヤマトヌマエビは、お腹を空かせると積極的にアオミドロを食べてくれます。
10匹ほど投入するだけで水槽内のほとんどのアオミドロを食べてくれます。
アオミドロから美しい水槽を守るために
水草水槽では特に注意しておきたいアオミドロですが、完全に防ぐことはなかなか難しいのが現実です。
水の富栄養化を防ぐことが最も重要なポイントです。
富栄養化はアオミドロだけでなく他種のコケが発生する原因にもなるので、予防対策はしっかり立てておきましょう。
水槽に当たる光量の調節と、肥料やエサを与えすぎないようにして、こまめな水換えを行うように心掛けましょう。