エジプト文明といった数千年前の記録にも猫が扱われているところからも分かる通り、猫は人間と一緒に長い歴史を歩んできています。
そしてギネス記録が世に登場してからは、最高年齢や最高身長以外にも数々の猫に関するユニークな記録が記載され、世界中の愛猫家をさらに楽しませてくれています。
プロの登山家も顔負け。猫の最高登頂記録は4478メートル
1950年9月6日に、登山家のうしろをついていったスイスのジュネーブ生まれの生後4ヵ月の猫は、そのままマッターホーン登頂に成功してしまいました。
近年になってコーカサス山脈のエルブルス山に登ったロシアの生後6ヵ月の猫も存在します。
こちらは標高5,000メートル以上の山ではありますが、事前に訓練をしたり、歩けない地点では飼い主に背負ってもらったりした上での登頂となります。
自らの意志で登山したという意味ではやはりスイスの方に軍配が上がりますし、お国柄か、やはり山登りが好きだったのでしょうか。
どういう理由にせよ、てくてくついていく光景はとても可愛らしかったのでしょう。
猫の最高移動記録
カナダのトロント発の航空機の中のケージから逃げたしてしまった猫のハムレットは、その時点で捕獲することができませんでした。
そのまま7週間後に発見されるまで機内で過ごしたのですが、その間に移動した距離というのはなんと965,600キロメートルにも及んだのです。
これは地球の周囲で換算すると、何と24周分の距離ですから、自分の意志でないとはいえすごい記録です。
7週間何をしていたのかが気になりますが、お腹が空いたりしなかったのでしょうか。
とにかく無事に見つかって何よりでした。
一度に産んだ子猫の最高数
猫は人間と違って一度に多数の子を出産することでも知られています。
普通は3~5匹ですが、ギネス記録ともなると当然さらにすごい数となります。
1970年イギリスのオックスフォードシャーに住んでいたバークシャーとシャムとのミックス猫では、一度に出産した子猫の数が19匹という記録が残っています。
残念ながらその中の4匹は死産だったのですが、生き残った15匹の内訳は雌1匹に対して牡14匹と奇妙な偏りを見せているのです。
生涯に産んだ子猫の最高数は?
猫は人間よりも妊娠期間が短く、だいたい3~4ヵ月程度になります。
やたらにモテる猫の場合や周りに牡猫だらけの環境になってしまうと、雨後の竹の子のようにどんどんと子猫を出産していくのです。
ギネスに記録されている数字では、アメリカのテキサスに暮らしていたダビー猫の「ダスティ」が生涯に420匹出産したとされています。
とんでもない数字ですが、現代の避妊手術の普及率や産んだ後の子猫のことを考えると、これはおそらく今後更新されることはない数字と思われます。
しかし産んだ子猫たちをどのようにして処理していったのか気になるところです。
そんなに多いと近所に貰い手などいないでしょうし。
猫が生涯に捕獲したネズミの最高数
猫と言えばやはりネズミを捕獲する習性が知られており、現代でも田舎の方に住んでいる猫では様々な小動物を捕獲しています。
そしてこれまでに一番ネズミを捕獲したことで知られているのがウイスキーキャットのタウザーで、生涯に28899匹(概算)のレコードを持っているのです。
ウイスキーキャットとは、ウイスキーの原料である大麦を食べるネズミを駆除するために蒸留所で飼われていた猫のこと。
タウザーが飼われていた施設では、その仕事熱心さが称えられて銅像も建てられたのです。
ただし食品を扱う施設で動物を飼うのは衛生的に問題があるからと、現在はウイスキーキャットとして働く猫は飼われていないようです。
マスコット的存在として飼われているのみとなっていますから、タウザーの記録が塗り替えられことは今後まずありません。
猫の愛くるしい毛の長さにも世界記録が
インターネット時代となった現在では、そこから生まれるギネス記録も多数存在しています。
アップされた画像のしかめっ面ともとれる独特の風貌から、「ミャオ大佐」と呼ばれ愛されたヒマラヤンとペルシャ猫の血を引く雑種猫。
獣医師の測定によって、平均の毛の長さ22.89センチにもおよび、毛の長さ世界一となったのです。
また毛以外にも抱っこされるのが好きな点や少し臆病なところも可愛いと人気を博したのですが、残念ながら老衰によって死亡。
そのことが知られると世界中のファンが悲しみ、一分間の黙とうをささげるなど、様々なかたちでの追悼の意を見ることになったのです。
今後もユニークなギネス記録が期待できる猫
猫に関するギネス記録にはこの他にも様々なものがあります。
社会状況から考えて、もう更新されないものもあれば、今後さらなる記録が期待できるものもあります。
インターネットの登場によって、猫にこれまでに考えられなかったような価値観を見出すことが可能となりました。
もっとユニークなギネス記録を今後見ることができるかも知れないのです。