ブルドッグというのは、そもそも雄牛(ブル)と闘うために作り出された犬種です。
そして、がっしりと頑丈そうな体格に大きな頭、いつも不機嫌そうな顔付きと、まるで「コワモテ」を代表する生き物と言った風情があります。
歴史的な背景と、その特徴的な風貌から、攻撃的で恐い犬なのではないかと想像している方もいるかも知れません。
しかし、雄牛と闘わせることが禁止されてからのブルドッグは、見た目の特徴は残したまま、ガラリと違った性格に改良されてきました。
今では「闘犬」としてではなく「ペット」として、多くの人から愛される人気の犬種になっています。
そんな現在のブルドッグの性格をご紹介します。
温厚でおとなしい
ブルドッグを知る人にその性格を訊ねたら、まず挙げられるのがこの言葉ではないでしょうか。
ブルドッグはとても温厚でおとなしく、穏やかな性格の持ち主です。
ちょっとしたことでは慌てず騒がず、非常に落ち着いた冷静沈着な態度を見せることが多いです。
裏を返すと、あまり活動的ではなく、子犬の頃を過ぎると運動も好まなくなってきます。
お気に入りの場所に座ったり、のんびり寝そべったりしている方が好きなようです。
年を重ねると運動不足になりがちなので、子犬の頃から一緒に遊んでやったりして、体を動かす習慣をつけてあげるのが良いでしょう。
優しく友好的
非常に愛想がよく人懐こいというのも、ブルドッグの性格の大きな特徴です。
散歩中に出会った見知らぬ人に対しても、いきなり吠えたり攻撃的な態度に出ることはほとんどなく、ある程度友好的に接することができるようです。
見知らぬ犬に対しては、特にその犬の方から吠えられたりした場合、多少攻撃的な一面を見せてしまうこともあります。
しかし、きちんと躾をすればそれも改善されることが多いでしょう。
また、こどもとも仲良く、とても忍耐強く付き合うことができるので、こどものいる家で飼うならぜひ、とすすめられることもあるほどです。
他のペット(猫やハムスター、小鳥など)がいる場合でも、いじめたり不必要に手を出したりすることはなく、うまく一緒に過ごすことができるようです。
陽気でひょうきん
ブルドッグはとても明るく陽気で、おどけたような表情を見せるところがたまらなくかわいい、という人も多くいます。
飼い主と遊んでいる時にテンションが上がって、あの顔に似合わず全身ではしゃいでいる様子などを想像すると、その気持ちも分かる気がしませんか?
また、骨格ががっしりした幅の広い体に大きな頭部を持つため、体全体を左右に揺らすのがブルドッグの歩き方の特徴です。
そんな歩き方も、ひょうきんに見える一因かも知れませんね。
飼い主に忠実
一緒に暮らしている飼い主に対して、ブルドッグはとても忠実で素直です。
飼い主のそばにいることがとても好きで、甘えん坊です。
飼い主を喜ばせようと一生懸命になる、健気な一面を見せてくれることもあります。
そんなブルドッグですから、しつけも比較的しやすいと言えるのではないでしょうか。
いけないことはピシッと短く叱り、うまくできたり上手に応えたりした時にはしっかり褒める、という態度を一貫することが、しつけのコツです。
飼い主に喜んでもらうことが、ブルドッグにもとても嬉しいことなので、褒める時には少しオーバーなくらいにたくさん褒めてあげてください。
番犬として頼りがいがある
ブルドッグは、同じ家で生活している家族をきちんと認識し、自分が守ろうとします。
ちょっとしたことには動じない冷静さを持っていますが、周囲の異変や危害を加えようとする相手に対しては警戒心が強く、敏感です。
異変があれば吠えて知らせることもできますし、相手が向かって来れば応戦する勇敢さも持ち合わせています。
もともと雄牛と闘っていた歴史のある体格の持ち主ですし、番犬としても優秀な素質を持っているのです。
きっと、頼れる番犬になってくれるに違いありません。
頑固でマイペース
飼い主にはとても忠実なブルドッグですが、反面、自分が納得できないことには決して従わない、という頑固な一面も持ち合わせています。
一度こうなってしまうと、なかなか融通がきかず、その点に関してはしつけに苦労してしまうこともあるかも知れません。
しかし、自分の中で納得がいけば、きちんと従ってくれるはずです。
自分というものをしっかり持っていて、マイペースなところもあるのだ、と受け入れて、根気強くしつけを繰り返すことが大切です。
そんな性格も丸ごと愛して接すれば、ブルドッグも必ず応えてくれるでしょう。
本当は優しい性格のブルドッグ
あの風貌に反して、こんなに愛すべきところをたくさん秘めているブルドッグ。
これまでに抱いていたイメージが変わった方もいるのではないでしょうか。
もちろん、ブルドッグ一頭一頭にそれぞれの個性がありますから、一筋縄ではいかない性格を持っている子もいるかも知れません。
それでも決して「恐い犬」ではありません。
これまでブルドッグに対してあまりいいイメージを持てなかった方も、今度ブルドッグを見かけたら、コワモテでちょっぴり頑固だけどなかなかかわいいヤツなんだな、なんて思いましょう。