ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォンを改良している際に生まれたプチブラバンソン。
かつては、副産物という認識でしかありませんでしたが、いつしか固有の犬種として扱われるようになりました。
ネズミ狩りとしても使われていたプチブラバンソン。
どのような犬種なのかをご紹介します。
顔立ちと違った温和な性格
顔だけ見ると、少しブスッとした印象を受けるプチブラバンソンですが、そんな気難しそうな表情とは違って、性格は温和で愛情深く、飼い主や家族に対しては、とても忠実です。
その反面、誇りが高く警戒心が強い部分もあり、束縛されるのが苦手でもあります。
とは言え、攻撃的ではなく、どちらかというと社交的な面が強いため、他の動物や子供とも仲良く過ごすことが出来るので、そういった面では安心です。
状況判断能力が優れており、知性的な部分も持ち合わせているため、しつけ次第では番犬にもなり得る犬種です。
パグに似た容姿
プチブラバンソンは、体重が3kg〜5kg、体高は21cm〜28cmで、種類としては小型犬になります。
パグの血が入っているため、見た目はパグに似ています。
目は大きく少し離れており、マズルは出ておらず顎が突き出ています。
耳はボタン耳か垂れ耳で、尾も垂れています。
耳も尾も、国によっては、断耳や断尾をすることも少なくません。
披毛に関しては2種類あります。
1つは、ゴワゴワとした硬めのラフという披毛で、もう1つは、短く光沢があるスムースという披毛です。
色はレッドが多く、トリミングはそれほど必要ありません。
寿命とかかりやすい病気
プチブラバンソンの平均寿命は、12年〜14年とされています。
かかりやすい病気としては、軟口蓋過長症等があります。
軟口蓋過長症は、硬口蓋という口腔と鼻腔を分けている部分が他の犬より長くなっており、それによって呼吸が困難になる病気です。
小型犬で、更に短頭種に多い病気です。
この病気になると、呼吸時にゼーゼーというような雑音が入り、食事の飲み込みなども困難になるというような症状が出てきます。
ただのイビキだと思ったり、食欲が無いだけ等と考え放置し、重症化すると、命の危険もある病気です。
安易に考えずに、少しでも違和感を感じたら、獣医師への受診をオススメします。
価格と入手方法
プチブラバンソンは、日本では、まだまだ希少な犬種で、ペットショップ等ではあまり見られません。
国内のブリーダーさんも少ないです。
そのため、ブリーダーさんによって、価格は様々です。
10万円前後の犬もいれば、30万円前後の犬もいます。
プチブラバンソンを飼うことを検討する際は、様々なブリーダーさんを見てみることをオススメします。
また、先に記したようにプチブラバンソンは元々、ブリュッセル・グリフォンとベルジアン・グリフォンから副産物として生まれた犬種です。
そのため、ブリーダーさんを探す際は、グリフォンのブリーダーさんをあたるのも1つの手です。
時間をかけたしつけ
プチブラバンソンは、とても賢く飼い主に対しては忠実なため、言うことはよく聞きますが、頑固や怖がりな性格の個体が多いため、誉めて伸ばすしつけが望ましいです。
厳しく叱りつける事や、何かしらの罰を与えるなどの、強制的なしつけは逆効果となります。
飼い主や家族と遊びながら、誉めることが出来ないことを教えていく方法も良いかと思います。
焦らずゆっくりと、時間をかけて教えていくことが大切です。
そのため、しつけ自体は、なるべく幼少の頃から繰り返し行っていくことが望ましいです。
また、幼少の頃のその個体の性格によって、しつけも変えていく必要があるため、よく性格を見極めましょう。
飼う際の注意点
プチブラバンソンは、暑さと寒さに弱い犬種です。
室内での温度調節はもちろん、散歩をする際も、気を付けなければなりません。
夏場は、朝方や午前中など、涼しい時間帯を選んで散歩をしてあげる必要があります。
また冬場は、洋服を着させてあげる事が、1つの防寒となります。
更に、散歩の長さも気を付けるべき点の1つです。
プチブラバンソンは、それほどの運動量が必要な犬種ではないため、散歩は30分前後程度に留める事が望ましいです。
悪天候の時などは、無理に散歩には出ず、室内で多く遊ばせるだけでも充分な程です。
また、顔のケアも必要です。
シワの部分や口回りなどは汚れやすく、そこから皮膚病になってしまう可能性もあるため、都度、固く絞ったタオル等で拭いてあげてください。
デリケートではあるものの飼いやすい忠犬プチブラバンソン
性格的には飼いやすい反面、気を付けてあげなければならないことも多数持ち合わせているプチブラバンソン。
入手が困難ということもあり、なかなか手が出しにくい犬種かもしれません。
しかし、プチブラバンソンの特徴をよく理解した上で、入手するにもその苦労が苦でなければ、とても良いパートナーになり得るかと思います。
どの犬でもそうですが、見た目や飼いやすさだけでなく、しっかりと細かい特徴も承知した上で迎え入れることが必要です。