世界にはたくさんの犬種が存在しており、いろいろな方法で人との関わりを持っています。
ただペットとしてかわいがられるだけでなく、狩猟のパートナーや放牧犬など、その役割もさまざまだったりします。
その中で、人や家を守るためのガードドッグというのも、犬の特性をうまく使ったひとつのお仕事だと言えます。
今回は、そのガードドッグ向きの犬種や性格をご紹介します。
1.ガードドッグとしての資質とは
テレビなどでは、大きな声を立てて、犯人に噛み付いて離さない警察犬などを見たことがあると思います。
ガードドッグや番犬というと、まずは勇猛果敢な姿を想像しますよね。
しかし、それだけがガードドッグの資質というわけではありません。
もちろん、警戒心や相手を恐れない勇敢な性格は大切な素質です。
また、飼い主に危険を知らせたり、相手を威嚇するために大きな声で吠えることも重要です。
怯えてすぐに逃げてしまうような性格では困ります。
しかし、もうひとつ、大切なことは、飼い主に従順であるということです。
いくら勇敢な性格でも、飼い主の命令で相手への攻撃や威嚇をやめることができないと事故に繋がる可能性があります。
そのため、しつけや訓練で、飼い主の命令を理解したりする賢さも必要になります。
2.ジャーマン・シェパード・ドッグ
「ガードドッグ」と聞いて、まず思い付くのがジャーマン・シェパード・ドッグではないでしょうか。
実際に警察犬などの活躍をメディアで目にすることも多い犬種です。
きっと近くで飼っている人もいるのではないでしょうか。
ジャーマン・シェパード・ドッグは、ガードドッグとしてとてもメジャーな犬種ですが、体格、性格、賢さのバランスがとてもよい犬です。
トレーニングによっていろいろなコマンドを覚え、飼い主にはとても忠実です。
顔つきや吠える声も迫力満点で、存在自体がプレッシャーを与えることでしょう。
こうした強い忠誠心やタフな体を持つ犬には、他にもドーベルマン、ロットワイラーなどがいます。
いずれも屈強な体格で、思わず怖いという印象を持つ人も多いでしょう。
しかし、これらの犬種はトレーニング次第で優秀なガードドッグになってくれます。
3.コモンドール
コモンドールは、あまり聞き馴染みがない名前かもしれません。
簡単に紹介すると、ハンガリーが原産の大型犬で、体全体がカールしたたっぷりの被毛に覆われた独特のルックスをしています。
成犬になると体重は50kg以上にもなり、とても力強い体躯を誇っています。
コモンドールは、元々はアジアからの遊牧民によってもたらされた犬だと言われています。
古くから遊牧民と共に過ごし、領地や家畜の保護や防衛の役目を担ってきました。
そのため、侵入者には疑り深く接し、テリトリーの意識が強いことが特徴です。
犬種としてはまったく異なりますが、似た容姿の犬にプーリーという犬種もいます。
同じくハンガリー原産で、コモンドールと同じような歴史を辿ってきた犬です。
どちらもガードドッグ気質ではありますが、プーリーの方が体が小さく、扱いやすいとも言えます。
4.ミニチュア・ピンシェル
大きな体のガードドッグは心強いけれど、さすがに大型犬は飼いにくいと考える人もいるでしょう。
しかし、体の大きさだけが、ガードドッグの適正ではありません。
例えば、ミニチュア・ピンシェルのような小さめの犬だって、立派なガードドッグになります。
とても容姿が似ているため、ミニチュア・ピンシェルはドーベルマン・ピンシェルの小型版と思われがちです。
しかし、実際にはドーベルマン・ピンシェルよりも長い歴史を持つ犬種です。
小さくてもしっかりとした筋肉がつき、ガードドッグとしての適性は非常に高いと言えます。
また、体重は4〜5kgという小型犬でありながら、とても勇敢で負けん気が強い性格です。
非常に賢く自立心が強いため、さまざまな仕事をしてくれる犬でもあります。
トレーニングをすれば、飼い主を守るよいパートナーになってくれることでしょう。
5.ヨークシャーテリア
ガードドッグとしては、やはり不審者にしっぽを振るような犬では力不足です。
しかし、先に紹介した犬種は、しつけやトレーニングが難しいと言われることもあります。
そこで、注目したいのがヨークシャーテリアです。
ヨークシャーテリアは、可愛らしい印象がありますが、とても好奇心が強く活発な性格をしています。
一方で縄張り意識が強く、侵入者に対しての警戒心を持っています。
さらに、体のサイズの割に吠え声は大きく、その吠え声は耳につくとも言えます。
こうした飼い主に対して、忠誠心の強い犬や依存度が高い犬種は、ガードドッグに向いていると言えます。
例えば、日本の柴犬なども、古くから番犬として飼われていました。
柴犬の飼い主への忠誠心の高さは、誰もが知っているところでしょう。
ガードドッグに向く犬種を知ろう
ガードドッグというのは、ただ体が大きかったり、強ければよいというものではありません。
良いガードドッグというのは、それに加えて、よく命令を聞き従う賢さが必要だと言えます。
それは、犬本来の頭の良さだけでなく、飼い主のトレーニングにもよる部分も大きくあります。
今回紹介した犬種は、特に素質がある犬種ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。