犬のおしっこは、日々の健康状態を教えてくれる大事なバロメーターです。

そのため、量や回数などいつもと違っている場合は、特に注意が必要です。

病気の初期症状として表れることも多いので、早めに気づいてあげるようにしましょう。

糖尿病が原因の場合

糖尿病が原因でおしっこが多くなることがあります。

犬でも人間と同じように糖尿病になりますが、インスリンというホルモンが分泌されなくなるインスリン依存性糖尿病と、インスリンは分泌されているのに働きが悪くなる非依存性糖尿病があります。

どちらもおしっこの量が増えたり、食べていても体重が減っていったりなどの症状が現れるでしょう。

糖尿病の場合は、インスリン注射が必要になります。

またその注射ですが、生きている限りはずっと続けなければいけません。

犬にとっても飼い主にとっても大変なことですが、体のことを考えると仕方がないでしょう。

またそうならないためにも普段から適度な運動を取り入れたり、食べすぎには注意したりするようにしましょう。

クッシング症候群が原因の場合

クッシング症候群が原因でおしっこが多くなることがあります。

クッシング症候群は腫瘍などにより、副腎皮質ホルモンが通常以上に分泌されることが原因で引き起こされます。

また中にはコルチコステロイド剤の投与をやめてしまったとき、副作用としてクッシング症候群になることもあります。

クッシング症候群が原因の場合、薬物投与が行われることが多いでしょう。

ただ腫瘍などによっては、外科的な処置が必要になってくることもあります。

また、これについては予防法が特にあるわけではありません。

初期の段階で見つけられるようにすることが大切です。

子宮蓄膿症が原因の場合

子宮蓄膿症が原因でおしっこが多くなることがあります。

この病気にかかると子宮が細菌感染を起こし、子宮内に膿が溜まってしまいます。

おしっこの量も増えますし、発熱などの症状も出てくるでしょう。

お腹が大きくなってくる場合もあります。

老犬などに多くなります。

治療としては、外科的な処置で子宮を摘出するか、膿を出すかするかが挙げられます。

また、そうならないように事前に避妊手術をしておくという方法もあります。

メスを飼っている場合は今後の事も考え、医師に相談してみると良いでしょう。

また、その他の病気の予防になる場合もありますので、犬にとってもある程度はメリットがあるでしょう。

慢性腎不全が原因の場合

慢性腎不全が原因でおしっこが多くなることがあります。

そのまま放置していると症状が悪化し、痙攣や意識を失う事もあるでしょう。

慢性腎不全になってしまった場合は、もうその時点で腎臓の機能の一部が働かなくなっている状態です。

薬物治療に加え、食事療法なども併用して行う事になるでしょう。

失われてしまった機能は元には戻りませんから、症状がこれ以上悪化しないようにしなければいけません。

普段から食事に気を使い、塩分などは控えた方が良いでしょう。

また、定期健診などをするのも一つの方法です。

少しでも早く見つけてあげるようにしましょう。

尿崩症が原因の場合

尿崩症が原因でおしっこが多くなることがあります。

この病気の場合はおしっこの量が急激に増えますから、気づくことも多いかもしれません。

色の薄いおしっこがたくさん出ますが、水分が不足して痙攣を起こすこともあるでしょう。

場合によっては意識障害を起こすこともあります。

突然おしっこの量が増えだしたら要注意です。

対処法として、抗利尿ホルモン製剤や利尿剤を使って治療をしていきます。

そして、利尿剤を使っているので、水分補給はこまめに行いましょう。

尿崩症の場合は予防法も特にありませんので、早期に発見してあげることが大切です。

犬のおしっこから病気を推察しよう

犬のおしっこが多くなったら注意が必要です。

原因としていくつかの病気が考えられますので、速やかに受診した方が良いでしょう。

また、その他の症状が出ているなら、それもしっかりとチェックし、記録をしておくと後々役立つかもしれません。

初期段階で発見することができれば、治りも早いです。

普段から犬の様子をこまめに観察するようにしましょう。