犬の脇の下あたりが臭いなと感じたら何をチェックして対処するのが良いでしょうか。
臭くなる原因もいくつかありますので、どれが当てはまるのかを判断して、それに合わせた対応が必要になります。
犬にとって脇は臭いが出やすい部位の1つですのでいつも気にかけておきましょう。
1.脇の下にはアポクリン汗腺がある
人間と同様に犬も汗をかきます。
運動をした後などに出る汗はほとんど無臭ですが、このほかに運動とは関係なく臭いが付いた汗も常に出ています。
アポクリン汗腺という場所から臭いつきの汗は出るのですが、人間はごく一部にしかないのに対して犬は全身にあるので、犬独特のにおいの原因になってしまいます。
ここから出る汗はさらさらした汗ではなく、べっとりとして臭いもついているので菌も繁殖しやすくなっています。
通常であれば自然と蒸発したり、自分でグルーミングすることで調節していますが、過剰分泌になったり、手入れが適切ではないと臭いの原因になってしまいます。
その例が通気が良くないワキの下です。
2.お手入れ不足で菌が繁殖しているかも
脇の下は通気が悪い部分ですので、湿気がこもりやすく、汗が長く蒸発しない環境にあります。
そのため、他の部分よりも汗による弊害が起きやすくなります。
人間と同じように汗が蒸れた状態が続くと皮膚にも問題が出やすいですし、臭いがこもって強くなりがちです。
犬自身もグルーミングをするのですが、しにくい部分ですので不十分になってしまう可能性もあります。
そのため、飼い主さんがカバーしてあげると良いでしょう。
身体をブラッシングするなどの時に一緒に濡れたタオルなどでしっかりと、優しく拭いてあげましょう。
特に夏場や運動後などは汗と同時に臭いも出てしまいますので、できるだけ通気の良い場所で過ごさせてあげてください。
臭いが気になるときはわきの下を拭いてあげることも忘れないようにしましょう。
1回で改善は難しいかもしれませんが、繰り返すうちに緩和されてきます。
また、予防の面からも脇には臭いの出る汗腺があることを頭に入れて、ケアしているといつもクリーンに保つことができます。
3.皮膚病になっていないかチェック
脇は通気が良くない部分で、汗腺もたくさんあります。
そのため、皮膚がかぶれてしまったり、かゆくなって炎症が起こっていたりして、そこから化膿して臭いの原因になっていることもあります。
この場合は拭いて清潔にすることも大切ですが、傷になっているときは状態によっては病院に行く必要もあります。
小さな傷であれば飼い主さんが清潔を守っていれば、自然治癒することも多いですが、膿んでしまったり傷が大きいようなら病院でしっかりと治療しないと悪化してしまいます。
例えばわきの下が臭いと思っても片方だけというようなときは、傷がないかチェックしてみましょう。
皮膚病の時は犬も気になり、しきりに脇のあたりを舐めますので犬のしぐさも見てみましょう。
脇は普段は飼い主さんからは見えにくい部分ですから、しぐさやにおいなどもよく観察して、異変がないかは気にしておくと大事に至らずに済みます。
4.食事内容が原因の場合もある
臭いの強弱は食事によるところも大きいです。
人間でも食生活が偏ったり乱れると体臭が強くなります。
それと同じことが犬にも起こります。
犬も多くの栄養素が必要ですが、中でも体を強く健康に保つにはたんぱく質は欠かせません。
人間よりも割合でみると必要な量は多くなります。
しかし、いくらたんぱく質が重要だと言っても過剰に摂取してしまうと臭いが強くなります。
ドッグフードにも十分な量のたんぱく質が含まれています。
このほかにも肉類や乳製品などをおやつや食事として加えていると、トータルではたんぱく質が多くなり過ぎた偏った食事になってしまいます。
たんぱく質が多くなると腸内環境が崩れ、悪玉菌が優勢になってしまいます。
すると悪玉菌が発するにおいがおならや口臭、さらには血液にのって全身から出てしまうようになります。
それがダイレクトに分泌されるのが汗腺ですので、わきの下が臭くなりやすいのです。
外傷がなく清潔にしているのに臭いときは、食事内容も合わせて見直すと改善できるでしょう。
5.ストレスがたまると臭いがきつくなる
臭いの強弱に心的ストレスが関係しているという例もあります。
犬はちょっとした環境の変化にも敏感で、それをあまり表に出さない犬もいますのでわかりにくく、ついストレスをどんどん与えてしまっているケースもあります。
ストレスが強くなると自律神経が乱れてしまい、汗をたくさんかきます。
この時の汗は運動時のような自然な体の摂理で分泌される汗とは異なり、自律神経の働きが正常ではないため通常は含まれない成分も一緒に出てきます。
例えば脂質や皮脂などです。
油分が多く含まれるためベタベタしていて、菌にとっては絶好の環境になりますので勢いよく繁殖します。
また、菌が繁殖しなくても脂質は酸素に触れると酸化しますので、この時にも嫌な臭いを出します。
ストレスが続くと常に良くないタイプの汗がわきの下に出続けるので、臭いが強く発生してしまいがちです。
まずはストレスになっていることを取り除いて、あとはゆったりとさせることでリフレッシュさせましょう。
自律神経が戻ると体の機能も整ってくるので臭いも減少してきます。
ただし、自律神経が整うためには多少の時間を要しますので、その間はゆったりとさせて気長に待ちましょう。
犬の脇が臭い原因を知ろう
犬の脇の下のにおいが気になったら、まずは体をキレイにして傷や炎症がないかチェックしてみましょう。
同時に食事や飼育環境を見直してみると良いでしょう。
人間と同様に汗は食事や心的なものに左右されやすいので体全体で整えていくことが大切です。
ワキだけに注目するのではなく、生活全般を振り返って調節する必要があります。
どの場合でも早めに対処するほど難しくはないので気になったらすぐにケアしましょう。