日本ではあまり馴染みのない名前ですが、ウィペットという犬をご存知でしょうか。

ヨーローッパではペットとしてとても人気の高いグレイハウンドですが、日本ではどうしてもサイズが飼育のネックになることが多くなります。

しかし、そんなグレイハウンドの半分ほどの大きさの犬が、今回紹介するウィペットです。

実際に飼育するときに気になる体の大きさや、成長の過程についてまとめてみました。

1.ウィペットの特徴

ウィペットは、イギリスが原産の中型犬です。

その姿を一目見ればわかるように、グレイハウンドをルーツとしている犬です。

犬種としては、19世紀後半から広く知られるようになりました。

ウィペットの特徴は、しなやかな筋肉と無駄のないスリムな体つきにあります。

グレイハウンドに共通する美しいプロポーションは、サイズが小さくなっても健在です。

また、止まっている状態から一気にトップスピードで走り出す運動神経も、かつての猟犬の名残と言えるでしょう。

ウィペットという名前は、鞭を打たれたように(whipped up)走り出すことから取られています。

元のグレイハウンドは、サイトハウンドの仲間で、野山での狩猟でとても活躍していました。

しかし、ウィペットは狩猟とは別に、ドッグレースなどで高い人気を得ていました。

2.体の大きさ

ウィペットは、イタリアン・グレイハウンドとグレイハウンドの中間くらいの大きさです。

大きすぎることもありませんが、ある程度の大きさのある中型犬と言えるでしょう。

しかし、グレイハウンドと比較すると、だいぶ扱いやすい大きさであることは間違えありません。

ウィペットの大人の体重は、だいたい13〜15kgくらいです。

体は全体的に細く長く、とてもスリムな体つきをしています。

そのため大きさのわりに体重は軽いという印象を受けます。

その体の体高は41〜51cmと、意外に背の高い犬です。

同じくらいの高さを持っている中型犬は、スタンダード・シュナウザーなどが挙げられます。

しかし、ミニチュアではないシュナウザーも、やはりけっこう存在感のある大きさだったりします。

3.子犬から成犬になるまで

ウィペットの子犬が大人になるまでの、体の成長にかかる期間は約1年ほどです。

しかし、個体差がよく見られる犬種ですので、それ以降も成長が続くことがあります。

子犬の成長のスピードは、他の犬とほとんど変わりません。

子犬が家にやってくる生後3ヶ月くらいのときには、だいたい4〜5kgくらいのことが多いです。

しかし、生後半年くらいまではどんどん食事を食べますし、運動量も増えてきます。

体重も短期間に2倍くらいになりますが、それ以降の増加は穏やかになります。

ウィペットはもともと線の細い犬ですが、子犬の頃には痩せすぎに注意しましょう。

生後半年までは、骨格などの体の基礎を作るとても重要な期間になります。

ですので、体が出来上がる前の子犬の頃には、肥満などはそれほど気にする必要はありません。

4.成犬になってからの変化

ウィペットは、生後1年くらいで大きさや体重の著しい変化はおさまるようになります。

しかし、まだこの頃には表情に幼さを大いに残しています。

ここから1年くらいをかけて、徐々にキリッとした大人の顔になってきます。

成犬期以降には、運動不足や食べ過ぎによる肥満に注意するようにしましょう。

もともと細い犬ですので、太り過ぎは関節などに負担をかけるようになってしまいます。

毎日の散歩や、ときには広い場所で、じゅうぶんな運動をさせてあげましょう。

また、イタリアン・グレイハウンドと同じように、足の骨折に注意が必要です。

散歩など普段の生活範囲の中でも、色々なところにケガのリスクはあったりするものです。

道路の側溝や、家の中でも障害物などにも気を付けるようにしましょう。

5.成長と飼育のポイント

ウィペットは総合的に丈夫で健康に育つ犬だと言われています。

犬種特有の病気などはほとんどないと言ってもよいでしょうただし、まったくないというわけではなく、稀に眼の疾患や口蓋裂を持つ犬もいたりします。

また、優れた運動神経を持っていることからわかると思いますが、走るのがとても大好きです。

いきなり猛スピードで走り始めるので、家の外ではハーネスの着用が必要です。

また、子犬のときから、小動物を見て追いかけないようにトレーニングしておきましょう。

成長のステータスにかかわらず、ウィペットの被毛は短くてごく薄くなっています。

また、スリムな体型で余分な脂肪や肉が少ないので、とても寒がりです。

飼育はもちろん室内になりますが、冬場の散歩にはコートを着せてあげるようにしましょう。

成犬のウィペットの成長について知ろう

ウィペットは、グレイハウンドのような見た目や、優れた運動能力を兼ね備えています。

しかし、室内ではとてもおとなしく、はしゃぎ回ったり、無駄に吠えたりすることは少ない犬です。

体のサイズ的にも、マンションなどの集合住宅でもじゅうぶんに飼育できる大きさというのは、非常に魅力的ではないでしょうか。

日本でも、もっとウィペットの良さが広く浸透するといいなと思わずにはいられません。