つぶらな瞳にほお袋、愛嬌のある動きで人気のペットといえばハムスター。
ちょっとおバカ可愛い所が魅力のハムスターは、どの位の知能を持っているのでしょうか?
同じげっ歯類として有名なラットとの違いや、ハムスターの知能に合わせた触れ合い方をご紹介します。
ハムスターの知能は人間の赤ちゃんと同じ
げっ歯類と言えばラットの知能テストを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
姿はかなりかけ離れていますが、ハムスターとラットは同じげっ歯類。
ゴールデンハムスターなら大きさもだいぶ近いし、うちのハムスターも本当はラットなみに賢いんじゃないかと期待している方もいらっしゃるのでは?
ところが、なんとハムスターの知能はラットにくらべてかなり低いのだそうです。
種類にもよりますが、ハムスターの知能レベルは人間の赤ちゃんほどと言われています。
元は野生の動物なので、生きることに直接関わるエサやマーキングなどについては賢く見える行動を起こします。
しかし餌をくれる手は基本的に「エサ」であり、それを持つ手や呼びかけを「飼い主」「自分」と認識することは難しいのです。
もちろん性格や個体差はありますが、ラットほどの知能は残念ながら期待できません。
ときどき見せる賢い行動の理由は?
しかし、はじめてハムスターと暮らし始めた人はハムスターの行動を見て、思わずハムスターって賢いな、と驚いてしまうような行動を目にすることがあるのではないでしょうか。
例えば、新しいティッシュをケージに入れてやると一生懸命割いてベッドを作る。
トイレの場所を決めて必ずそこでトイレをする。
エサをほっぺにためて運ぶ、などの行動が思いつきますね。
実はこれ、知能というよりは本能に近い行動です。
見た目からはあまり想像できませんが、ハムスターは野生では群れを作らず、一匹だけで暮らすことの多い動物。
自分の生命を守るための強い縄張り意識がトイレやマーキング。
飢えることのないようにほお袋がパンパンになるまで餌を詰め、安心できる縄張りで食べる。
冬に疑似冬眠状態になっても大丈夫なように暖かいベッドを作るといったように、それらの行動はずっとDNAに受け継がれてきた本能による習性。
こういう理由だからこうしよう、と考えながら行っているものとは違うのです。
知能の低いハムスターと仲良くなる方法
「ハムスターの知能が他のげっ歯類より低いのはわかったけど、それなら飼い主とは仲良くなってくれないのかな…」そんな風にがっかりした方も心配ありません。
ハムスターの最大の能力は旺盛な好奇心。
人間がその好奇心に合わせて接してあげることで「この生き物は自分には害がない」と学習するだけの知能は持っています。
「少しずつコミュニケーションを取る」事が必要です。
ハムスターと仲良くなるために絶対必要な心構えをここでおさえておきましょう。
何より大切なのは「こちらから近づくのは絶対ダメ」ということ。
先ほども少し述べましたが、ハムスターは非常に縄張り意識と警戒心の強い動物です。
「敵だ」と思ったものやストレスに対しては徹底的に攻撃してくるようになります。
仲良くなるためには「ハムスターがこちらに興味を示したタイミングでコミュニケーションを取る」という事を徹底してあげましょう。
手乗りハムスター目指すなら、手に餌を乗せる
手乗りを目指すなら、手のひらに餌をいくつか乗せ、ケージの入り口に手を添えて興味を示すかじっと待ってみましょう。
もしこの時にハムスターが近寄ってこなくても、上から掴んだりしてはいけません。
匂いをかぎ、安全を確かめ、ハムスターがそっと乗ってくるまでじっと待ちます。
好奇心は旺盛なので、こちらが何もせず待っていれば「あそこのエサが欲しい」という好奇心が勝ち、少しずつハムスターが手に乗ってくれるようになるでしょう。
それを繰り返すうち飼い主の匂いを覚え、警戒心を解いてくれるようになります。
その後はやさしく背中を撫でてみたり、手の上で餌をあげてみたり…ハムスターが穏やかにしているようであれば、一緒に過ごす時間を少しずつ増やすと良いですね。
ただ、ここで注意してほしいのはハムスターが夜行性の動物であること。
気持ちよく眠っているところを起こされると、さすがに怒って噛み付いてくることも。
一日の動きをよく観察して、仲良くなれるタイミングを掴むことがハムスターとの楽しい生活のポイントです。
ハムスターの知能を認識しつつ仲良くなっていこう
知能はラットほどではないにせよ、根気強くコミュニケーションをとり続けた結果、飼い主と遊ぶことを覚え、楽しい生活を送っているハムスターもたくさんいます。
快適なベッドや回し車などのおもちゃ、新鮮なエサなどでハムスターのストレスを取り除くのもハムスターと仲良くなるためのコツ。
彼らの習性と上手に付き合い、ハムスターとの楽しい生活を送りましょう