ペットショップでよく見かけるハムスター。
価格的にも安価で手に入りやすく飼うのに必要なスペースもそれほど取らないため、一人暮らしや集合住宅に住んでいる方などにも人気があります。
そんなハムスターが亡くなってしまう時はどのような理由が多いのでしょうか。
今回はハムスターの死因として多いものをご紹介します。
老衰
ハムスターは犬や猫と違い放し飼いや外飼いではなくケージの中で飼うため、特に問題がなければ老衰で亡くなることも多くあります。
一般にハムスターの寿命は2年から3年ほどであるとされており、2歳半を過ぎた頃から徐々に老化が始まります。
老化が始まると足腰が弱くなり動き回らずにうずくまることが多くなる、食欲が落ちあまり食べなくなる、毛艶が悪くなる、トイレをうまく出来なくなる等の症状が見られます。
老化が始まると、日に日に、目に見えて衰えていくので注意が必要となります。
ハムスターはケージの中で食事する場所、トイレをする場所、遊ぶ場所、寝る場所をそれぞれ決めています。
中でもトイレは一度習慣づくとそこでしか出来なくなるため、老化により動けなくなるとトイレが出来なくなるケースが多々見られます。
その際には、定期的に飼い主がトイレまで運んであげることが求められます。
老衰で亡くなる瞬間は、いつも寝ている場所にうずくまり、眠るようにして訪れます。
そのため、傍から見ると分かりづらいので触って確認します。
下痢
ハムスターの中でもオスのハムスターによく見られる死因が下痢です。
これは年齢問わずに起きうる症状で、ストレスが元で下痢を発症させます。
ハムスターは体が小さいため体内の水分量が健康時でも少なく、一度下痢にかかってしまうとすぐに脱水症状を起こしてしまいます。
ストレスの原因で多いのが、同居しているメスの出産、そして生活環境の変化です。
メスの出産に関しては、妊娠し出産を行ったメスは性格的に凶暴になることがあり、オスに対してもしばしば攻撃を加えたり追いかけたりします。
そのため、巣やハウスの中で一緒に寝ることが出来なくなったり、満足に食事を食べることが出来なかったりします。
その状況が続くと、ストレス過多となって下痢になってしまいます。
対策としては、そのような状況になる前に、別のケージを用意して分けて生活させることが挙げられます。
ただし、これは永続的に続けるわけではなく、出産後メスがある程度落ち着きを取り戻したら再び同じケージに入れて構いません。
次に生活環境の変化ですが、これはケージの中にある床に敷くワラやおがくず、寝床となる巣などがある日新しいものに代わり、自分たちの匂いがしないため不安になる場合と、ケージを置いてある部屋の寒暖状況や騒音など、外の要因によってストレスを感じる場合があります。
そこで、ケージ内のものを取り換える際には一気に取り換えるのではなく、徐々に新しいものに変えていき慣れさせましょう。
そして夏は日差しが当たらず風通しの良い場所に置き、冬は暖かい場所に置くか、必要であれば毛布でくるんだりケージ用暖房器具を使ってあげることで、環境変化によるストレスを軽減させます。
腫瘍
オスメス関係なくかかる病気ですが、特にメスによく見られる死因が腫瘍です。
これはメスの中でも特に出産経験のないものによく見られます。
腫瘍にかかった場合、場所にもよりますが手で触れるとはっきりとわかるくらいのコブが体にできます。
腫瘍にかかると呼吸が荒くなり、口呼吸になります。
そして、痛みがあるときには体を震わせて鳴き声をあげます。
さらに進行が進むと食事や水分補給がうまく出来なくなり、血便などを起こし、一日中ぐったりと横たわっている時間が増えていきます。
一度腫瘍を発生させてしまうと、飼い主が気づいた時には既に手遅れの状況の事も多く、助かる可能性が高くありません。
ただし、進行具合によっては手術によって助けられることもあるので、異変に気づいたらかかりつけの動物病院に連れて行き、獣医師に相談をしてみてください。
圧死
ハムスターの死因で意外と多いのが圧死で、これはケージの内外両方で起きうることでもあります。
まずケージの中で起きうる場合ですが、これはケージの中で多頭飼いしているケースに限られます。
ハムスターは普段ケージの中にある家や穴などの部分に寝床を用意し、そこで固まって重なり合うようにして寝ています。
この際、体の小さい個体や体調に異常をきたし動けない個体などは、上に別のハムスターに乗っかられて苦しくなっても自力で動くことが出来ず、そのまま呼吸困難等に陥り死に至ってしまいます。
次に外で起きうる場合ですが、これはハムスターをケージの外に出して遊ばせている時に起きることです。
悲しいことですが人間が気づかずに死に至るケースが多く、例えば、踏んでしまって圧死してしまうケースや物陰に隠れていて家具の移動に巻き込まれてしまうケース等が挙げられます。
そのため、ハムスターをケージの外で遊ばせる際には、目を離さずにつきっきりでいることが必要となります。
ハムスターが簡単に死なない環境を作ろう
ハムスターは体長が小さい分、小さな病気や怪我が原因で死に至ってしまう事が多くあります。
また環境の変化にも弱く、ストレスを感じやすいため、季節の変化や引っ越しの際などにも注意が必要です。
手に入りやすいとはいえ、生き物であることには変わりないので、ハムスターの特徴をよく理解して健康で長生きができるように、小まめなケアと快適な環境づくりを行ってあげることが大切なポイントとなります。