なつくハムスター

ハムスターは人に懐く動物として知られています。

その一方でとても繊細で警戒心が強い性格の持ち主でもあります。

このため必ずしも人に慣れたりなついたりするわけでもなく、なつかせるためにはそれなりの飼い方をする必要があります。

ここではハムスターになついてもらうための方法をご紹介します。

ハムスターから来るのを待つ

まず肝心なのは、ハムスターが環境に慣れるまでそっとしておいてあげるということです。

飼い始めてから間もない頃は、ハムスターも慣れない環境に戸惑いながら落ち着かない状態になっています。

住み慣れたペットショップから、全く見知らぬ場所にやってきて、全く知らない人に相手をされるのは、おそらく苦痛を感じているかもしれません。

飼い主とハムスターはまだお互いに知らない者同士ですので、まずは環境に慣れるまで飼い主であるあなたがじっくり待ってあげるのが寛容です。

慣れない場所で緊張し落ち着かない状態では、ハムスターも人に懐くどころではありません。

1週間なのか、10日なのか、あるいはそれ以上かかるのか、はっきりとは言えませんが、いずれは必ず環境に慣れてきます。

環境に慣れてくると、ハムスターは人間にも興味を示す余裕が生まれてきます。

それを待ってから少しずつ接するようにすれば、大体はスムーズに懐いてくれます。

とにかく「急いては事を仕損じる」です。

焦らず気長に、ハムスターから興味を持ってくれるまで待つのが得策です。

ケージの外からエサで釣る

ハムスターが人にも環境にも慣れてきたら、まずは手でエサを与えてみましょう。

いきなり手のひらに乗せようとしても警戒してかえって逆効果になりかねないので、まずはケージ越しにエサを与えてみます。

エサは何でもよいのですが、やはりハムスターの好物と言えばひまわりの種ですよね。

毎日手からエサをあげていると飼い主の臭いにも慣れてきます。

そして警戒心も薄れてきて自分から寄ってくるようになります。

ここでもやはり、あせりは禁物です。

ケージの中からエサで釣る

ケージ越しのエサやりに慣れてきたら、今度はケージの中に手を入れて、同様にエサを与えます。

ケージの外はハムスターのテリトリー外でしたが、ケージの中は自分の縄張りの中ですので、ハムスターにとってはちょっと事情が違います。

いきなり手のひらには乗せようとせず、まずは指でヒマワリの種を与えてあげましょう。

こうしてケージに手を入れても嫌がられなくなったら、手のひらに載せてみましょう。

とにもかくにも焦らずじっくりと「そのうち慣れるさ」くらいの余裕を持って1ステップずつじっくりとお世話していきましょう。

手のひらに乗せてみる

いつものように指でエサを与えつつも、手のひらを開いてその上にエサを乗せたりしながら、ハムスターが手の上に乗るように誘導していきます。

いきなり背中を押して乗せようとすると警戒されてしまうことがあるので、注意深くエサで釣りながら手のひらへ乗せます。

動物は人間の手のひらに乗ることに対して、とかく警戒するものです。

ハムスターは自然界では背後から襲われることに対してとても敏感ですので、背中や頭を触られるのを嫌う傾向にあります。

ですので、いきなり背中を撫でたりせず、まずは手のひらにハムスターの方から乗ってもらうように仕向けましょう。

ここでも無理に手のひらに載せてはいけません。

手のひらに乗ることに慣れてきたら、今度はハムスターが手のひらに乗った状態でもう一方の手でエサをあげてみましょう。

ここまでくればもうほとんど懐いたも同然で、あとはなでなでできれば合格です。

手のひらに乗せて撫でてみる

ハムスターは個体によって背中を撫でられるのを嫌う場合があります。

背中や頭、耳、しっぽなどは敏感な部分ですので、触られるのを嫌がる子も多いです。

無理に触ろうとするとかえって逆効果となり、今までの苦労が水の泡にもなりかねないので、嫌がるようであれば無理に撫でたり触ったりしないほうがいいです。

人間でもハムスターでも、とにかくしつこいのは嫌われる大きな要因のひとつですから、あまりしつこくし過ぎないことが大切です。

ハムスターを飼っているという感覚よりも、むしろハムスターと同居していると考えたほうがいいかもしれません。

外に出して一緒に遊ぶ

ケージの中で手のひらに乗ることに慣れたら、今度はケージの外に出してみましょう。

ケージの外で手の上に乗せて、遊んであげましょう。

回りの環境に慣れてきたら、部屋に離して自由に遊ばせてもいいと思います。

ただし1日に何度もケージから出したり入れたりするのは、ハムスターのストレスにもなるので避けた方が無難です。

1日に1回程度外に出して遊ばせるのが適当なところではないでしょうか。

部屋で遊ばせる場合は、よく見ていないと隅っこに隠れて見失ったり、ほこりまみれになったりするので注意が必要です。

ハムスターがなつく様に優しく接しよう

ハムスターはとても小さく臆病な動物です。

自然界では弱者の部類ですのでそれも致し方ありません。

ですので、ペットとして飼い慣らす際にもそうしたハムスターの特性を理解したうえで飼うことが大切です。

そうしないと、いつまで経っても懐いてくれないということにもなりかねません。

人に懐いてもらうには、とにかく焦らず慎重に時間をかけて、ハムスターが居心地の良い環境を作ってあげましょう。