可愛らしい見た目やしぐさで癒してくれるハムスター。
飼っているハムスターの子どもが見てみたい。
そう思う飼い主は多いです。
しかし、子どもが生まれるためには、ハムスターの発情期の特徴を理解する必要があります。
そこで、発情期のハムスターの特徴をご紹介します。
性周期は4日くらい
ハムスターは繁殖力の高い動物です。
ハムスターのメスの性周期は個体差はありますが、大体4日です。
4日に一度発情をし、排卵しています。
繁殖力が高いとは言え、いつでも妊娠出来る訳ではなく、発情しているときでないと妊娠は成功しません。
発情している時間は、12時間から20時間です。
また、真夏や真冬はハムスターの体力消耗が激しくなり、生まれてきた子どもたちにも負担がかかるため、春か秋の過ごしやすい季節に繁殖させるようにしましょう。
ハムスターは、生後1ヶ月で性成熟して子どもを作ることが出来ますが、若すぎると育児放棄をすることがあり、繁殖には向いていません。
逆に2歳以上の高齢ハムスターも繁殖には向いていません。
1歳前後のハムスターが最も繁殖に向いています。
そわそわして落ち着きがない
発情すると、オスもメスもそわそわして落ち着きがなくなります。
ケージの中を落ち着きなく動き回ったり、外に出たがったります。
性格も気性が荒くなり、飼い主の手を噛んでしまうこともあります。
また、メスは4日周期の発情のサイクルがありますが、オスは発情のサイクルがなく、性成熟するといつでも子どもを作れるようになります。
メス、特に発情中のメスと接触することにより発情します。
ですが、いきなりオスとメスを一緒にするのではなく、最初はケージ越しにお見合いをさせましょう。
相性が良さそうであれば、メスをオスのケージに入れます。
交尾の時間は40分くらいです。
相性が悪くケンカするようであれば、怪我をしてはいけないので引き離します。
生殖器官から分泌液が出る
ハムスターのメスは、発情すると生殖器官から分泌液が出てきます。
生殖器官の周りがベトベトになるくらい出てきて、かなり臭います。
飼い主が抱っこしようと手に乗せたときに付くこともあり、ハムスターが力むと分泌液が出てきます。
半透明で糸を引いているため、明らかにハムスターの体に何かしらの変化があったことに気が付きます。
この分泌液がオスを引き付けるフェロモンの役割を果たしています。
ハムスターのメスは発情すると、分泌液を自分の縄張りに何度も繰り返し、この液によってマーキングすることにより、オスに自分が発情していることをアピールしています。
マーキングをいつも以上に行う
ハムスターは縄張り意識が強い動物で、普段から自分の縄張りにはマーキングを行います。
ハムスターのメスは発情すると、いつも以上にマーキングを行います。
臭腺や生殖器官から出てくる分泌液をマーキングしますが、マーキングを行う場所は自分のケージの中であったり、部屋の中だったりと様々です。
そのため、いつも以上にケージの外に出たがります。
部屋の中を散歩する習慣があるハムスターは、いつも以上に強く何度も繰り返しマーキングを行います。
発情の時期になるといつも閉じている膣も開き、オスを受け入れる準備が整います。
オスはマーキングされた分泌液のにおいを感じ、発情します。
ロードシスを行う
ハムスターのメスは、発情すると「ロードシス」と呼ばれる行動を取ります。
ロードシスとは、「交尾が出来る体制を取ること」です。
具体的には、しっぽをピンと立ててお尻を突き上げ、じっとしているポーズを取ります。
ロードシスをすることにより、オスを受け入れる体勢が整い、交尾に至ります。
ゴールデンハムスターは発情が分かりやすく、発情中、飼い主がハムスターの背中に触れてもロードシスを行うことがあります。
しかし、面白がってわざと何度も触るのは、ハムスターにとってストレスになります。
また、ジャンガリアンハムスターなどの小型のハムスターは、発情しているかが分かりにくく、飼い主がハムスターの背中に触れてもロードシスを行わないこともあります。
お互いのにおいをかぎ合う
ハムスターの交尾の優先権はメスが握っています。
メスが先に発情し、それに誘発されてオスが発情します。
オス・メスともに発情の兆候が見られたら、まずはケージ越しにお見合いをさせます。
それで好感触であれば、メスをオスのケージの中に入れます。
オス・メス共に、お互いのにおいをかぎ合ったりします。
交尾を促すためにオスがメスの陰部を舐め、交尾に向けての準備が整い、メスがオスを気に入り、受け入れる準備が出来たら、ロードシスを行います。
その後何度か交尾を繰り返し、メスの膣に「膣栓」と呼ばれる栓が出来れば、交尾は完了です。
新しい命のために、ハムスターの発情期の特徴を知っておこう
ハムスターは寿命が2年から3年と、人間と比較するとかなり短めです。
そのため、性成熟が早く、1回の出産でたくさんの子どもを産みます。
そのため、気が付いたらたくさん増えすぎてしまって困ったという話も聞きます。
出産は母親の体にも負担がかかりますし、産まれてきた子どもたちにも責任が生じます。
繁殖を望む場合も望まない場合も、ハムスターの発情期や妊娠・出産の正しい知識を身に付けることが、ハムスターを守るために必要な飼い主の義務であると言えます。