手をかじるハムスター

ハムスターは人の手をかじることが良くあります。

もともとかじることが好きな動物ですので、飼育環境においてもそれはある意味致し方ないのかもしれません。

しかしハムスターとてむやみやたらに噛みついているわけではないので、今回その理由を調べてみました。

それが何であるか知りたい

ハムスターは本能的にものをかじります。

自分にとって未知のモノはかじることでそれが何であるのか確認しようとします。

かじることで、まず食べられるものかそうでないものかを確かめているようです。

人の手の場合も同様で、彼らは最初は人間の手が何なのかわかっていません。

飼い主との信頼関係ができてくると噛まなくなるケースが多いですが、そうなるまでにはある程度かじられることも覚悟しなくてはなりません。

一般的に柔らかいものはあまりかじらず、ある程度の堅さがあるかじりやすいものを積極的にかじる傾向にあります。

そうしたかじり心地のよいものは積極的にかじろうとします。

そうすることで歯の伸び過ぎも防いでいます。

触られるのがイヤ

ハムスターは基本的に体を障られるのが嫌いです。

ハムスターは体も小さく自然界では弱い立場であり、体を触られるのは他の動物に捕えられ食べられることにつながります。

これはハムスターに限らず小動物はおおむねこうした傾向にあります。

人間だってゴジラやキングコングに掴まれたら怖くてきっと抵抗しますよね。

ハムスターにとっては、少なくとも慣れるまでは人間はとてつもなく大きな恐怖の存在と言えます。

この辺は、1匹で行動するハムスターの自衛策ともいえます。

例えば人に懐きやすいと言われる手乗りの小鳥なども、人間に慣れるまではそれなりの時間を要します。

ハムスターもそれと同様に人に慣れるまでは、ある程度の時間がかかりますし、それまでは恐怖の念を抱いています。

ですので、慣れるまでは無理に触ったり手で持ったりしないようにしないと、いつまでも懐かず嫌われてしまいかねません。

元々本能的に触られるのがあまり好きではないのだということを念頭においておきましょう。

いつまでも信頼関係が築かれないということになります。

ストレス

ハムスターは日常の生活で何か不安や不満などのストレスを感じると、怒りっぽくなったり良くかじったりするようになる傾向があります。

ケージが狭いとか温度が高いとか、ほんの些細なことがストレスにつながる可能性があります。

他にもテレビなどの音が気になったり、周囲の明るさなども原因となり得ます。

ストレスを感じたハムスターは、ケージの網をかじったり、飼い主の手をかじったりするようになります。

ストレスですから、まずは何がハムスターにとって気になっているのかを突き止めることが改善するには必要となります。

いきなりあれもこれも良かれと思って変えてしまうのは、それこそハムスターにとってはストレスとなります。

じっくり少しずつ確実に問題点を探っていくことが大切です。

動物性たんぱく質の不足

雑食とはいえハムスターにとっては、動物性のタンパク質が必要不可欠な栄養素のひとつです。

自然界では昆虫を食べることで動物性タンパク質を摂取しています。

この動物性タンパク質が不足すると、共食いを始めることもありますし、動物を襲って食べようとすることもあるようです。

実際のそのようなハムスターは凶暴で、人間に対しても攻撃的になるようです。

このため、ケージに手を入れるとその手が噛まれることがあります。

動物性タンパク質を補うにはチーズや煮干しなどを与えがちですが、自然界でハムスターは魚を食べることはありません。

前述の通り、普段は虫を食べてタンパク質を摂取しているため、エサとしてはミルワームなどの生きた昆虫が最適な御馳走となります。

怯えている

ハムスターにとって人間はとてつもない巨大な生き物です。

ですので、慣れないうちはとにかく人間は怖い存在であり、手を出そうものなら恐怖で噛みついてきたりします。

かじることはハムスターにとって唯一の対抗手段といえます。

本気でかじられると出血も覚悟しなくてはならないほど噛む力は強いので、信頼関係が出来上がるまではむやみに手を出したり手に乗せようとしないほうが無難です。

きちんとエサを与えてお世話していると、いずれは慣れてくるのでそれまでは我慢することが大事です。

慣れて自分に危害を加えない存在と認めてもらえれば、怯えも消えてガッツリ噛まれることもなくなります。

敵と思っている

怯えていることと重複する面もありますが、飼い主に慣れていないと自分の縄張りに侵入してきた敵と思っているケースがあります。

慣れないうちは飼い主といえどもハムスターにとっては、恐怖の対象であり敵でもあります。

その段階で手を出せば噛まれるのは当たり前です。

可愛い姿とは裏腹に、弱い相手を共食いしてしまうほどの気性の荒さを持ち合わせているので、慣れるまでには注意が必要です。

特にお店で手荒な扱いを受けてきたハムスターなどは人間を敵視こともあるので、とにかく焦らずじっくりとお世話するしかありません。

手を噛むのはハムスターが自分の意思を伝えようとしている

かじることはハムスターにとっては本能的なことであり、かじることが自己の表現そのものであると言えます。

かじって対象を確かめたり、かじることで自分の意思を相手に伝えているといっていいでしょう。

人間に対してもそれは同じであり、小さくて弱い動物ゆえの精一杯の表現として、飼い主はそこから真意を感じ取っていくしかありません。