アニメ「トムとジェリー」などの影響で、ねずみやねずみの仲間の好物といえば、チーズ。
そんなイメージがありますよね。
飼っているハムスターにもチーズを食べさせてあげたい飼い主さんも多いと思いますが、ハムスターにチーズは大丈夫でしょうか?
また、注意しなければいけない点はあるのでしょうか?
そもそも、ハムスターにチーズをあげても大丈夫?
チーズそのものがハムスターにとって有害ということはありません。
チーズは動物の乳を乳酸菌を使って発酵させたものですから、自然界には存在しないものです。
そういう動物にとって不自然なものを食べさせても大丈夫なのか、心配になる方もあると思いますが、少なくともチーズに関しては、いくつかの注意点に気をつければ心配することはありません。
ハムスターはもともと雑食性で、木の実や野菜などの植物のほか、昆虫もよく食べますから、むしろ動物性タンパク質は必須と言えます。
特に、ヒマワリの種、雑穀などの自然エサを使って飼育されている方は、動物性タンパク質が不足しがちになりますから、ハムスターの毎日の食事にチーズを取り入れるのはオススメできます。
ハムスター用のチーズを用意する
ハムスターにチーズをあげると言っても、わたしたちが食べているチーズをそのまま切って食べさせる、これはNGです。
ショップでハムスター用のチーズを用意してください。
スーパーで売っているチーズを食べさせてはいけない理由は、塩分です。
チーズは熟成させるときに塩を加えるので、意外に多くの塩分が含まれているのです。
青かびタイプなどはっきりと塩分がわかりますし、プロセスチーズなども、実は動物たちにとっては多すぎる塩分が含まれています。
人間用に加工された食品は、食べただけでは塩が入っているかわかりづらいものが多いため、注意が必要です。
ハムスター用のチーズはもちろん、どれも低塩・無塩で製造されています。
最近は小動物用グッズの市場が充実してきているので、ペットショップや、少し大きなホームセンターでも置いているかもしれません。
近所で見つけられなかった場合でも、インターネットの通販を利用すれば簡単に手に入れることができます。
同じペット用でも、犬用・猫用は避けて
ペットショップに行くと、わんこ・にゃんこ用のチーズも売られていますが、これらをハムスター用チーズの代用品に使うのは避けてください。
犬や猫のペットフードはある程度味をつけて作っているものが多いです。
もちろん塩分はおさえられていますが、ハムスターには塩分が多すぎる場合があります。
犬、猫のような大型(ハムスターと比べるとですが)のペットと、小動物のペットとでは、摂っても問題のない塩分の量が違ってきます。
また、犬・猫用のチーズはカルシウムが強化されているものも多いので、カルシウムの摂りすぎも心配です。
カルシウムは生物に必須のミネラルですが、過剰摂取すると結石ができたり、逆に他の必須ミネラルの吸収をさまたげるなどの副作用があります。
「無塩」と表示されていても、他の動物用のチーズは与えない方が無難です。
チーズをあげすぎないように注意
たとえ人間用のものでなくても、チーズをたくさん食べさせすぎるのは禁物です。
ハムスター用のチーズは、だいたいハムスターの手のひらサイズにカットしてあります。
両手で持って食べるのに調度良い大きさになっているのです。
私たちから見ると小指の先くらいのごくごく小さなブロックなので、ついつい2つ、3つとあげてしまいがちですが、これは一度に食べる量としては多すぎます。
ハムスターの体に対するチーズのサイズの割合を人間に当てはめてみると、ふつうのプロセスチーズの1/2箱分くらいにはなりませんか?
こう考えるとわかりやすいですね。
チーズ自体は体に悪くありませんが、食べ過ぎると脂肪過多になりますし、極端な場合はタンパク質の過剰摂取で腎臓に負担がかかるリスクもあります。
ハムスターは、好きなものだと、あげればあげた分食べてしまう傾向がありますから、食べる量は飼い主さんがきちんと管理してください。
1日に2個くらいが上限で、その場合も時間を空けた方が良いと思います。
食べきれない場合はドライチーズが便利
チーズのパッケージは、カットしたチーズが袋にまとめて入っている形状になっています。
開封前はある程度保存がききますが、開けてしまった後は、個別包装ではないので冷蔵庫に入れてもそれほど長くもたないと考えてください。
ただ、ハムスターの数が1匹か2匹で、1日1、2個の消費では、余ってしまいますよね。
そんな方にはドライチーズがオススメです。
カットチーズをフリーズドライにしたもので、乾燥しているので長く保存できます。
食感はあまり硬いものではなく、サクサクしています。
チーズのクラッカーという感じでしょうか。
これもペットショップやインターネットの通販で購入することができます。
でも、最終的には飼っているハムスターの好みを優先させてください。
生タイプでないと食べない子や、逆にドライタイプが好きな子など、ハムスターといえども好みは千差万別です。
また、飽きやすかったり気まぐれな子もいますから、いくつか違ったタイプを用意するのも良いでしょう。
ハムスターへチーズをあげる量に注意しよう
チーズは良質の動物性タンパク質が摂れますが、チーズを好まない子の場合は、固ゆで卵やペット用のミールワームなどで動物性タンパク質を摂っても大丈夫です。
また、人工エサのペレットには、ハムスターに必要な栄養素がまんべんなく含まれていますから、ペレットを好んで食べている子には、チーズでの栄養補助は必ずしも必要ありません。
おやつとしてあげてもかまいませんが、量などについてはより気を使ってください。