小さくてかわいいハムスター。
大きな声で吠えることもなく散歩もいらないので、飼いやすく人気のペットですね。
そんなハムスターの出産に立ち会うときに気を付けるべきポイントや、用意するものについてご紹介します。
メスとオスを分けておく
これは出産前からしておいた方が良いことですが、妊娠したメスは気が荒くなり攻撃的になってしまうので、出来るだけオスとはケージを分けます。
また、一緒にしたままにしておくと、連続出産の可能性もあります。
連続出産をすると、前に出産した子どもを育児放棄したり、新しく生まれる子どもが虚弱体質になってしまったりすることがあります。
ですので、極力、連続出産は避けなければなりません。
オスとメスを分けること自体は、ハムスターはメスが一匹で育児をするため、別居させても問題はありません。
ハムスターは一回の出産で4~10匹の子どもを産みます。
これらの子どもをすべて責任をもって育てられるか、もしもらってもらうのならば飼い手はきちんと見つけられるかなど、事前にきちんと検討しておきましょう。
ケージなどの出産環境を整えてあげる
次にすることですが、ハムスターが安心安全に出産に臨めるよう、出産のための環境を整えてあげる必要があります。
ケージはできれば水槽タイプが望ましいです。
金網があると、赤ちゃんが脱走してしまったり、手足を引っかけたり首をはさんでケガをしてしまう恐れがあります。
また、金網だと他のにおいが入りやすくストレスになったり、出産後、においが逃げやすく子どもが巣箱の位置が分からなくなるなどの危険もあります。
もし水槽タイプが用意できなければ、せめて下網だけでも外してあげましょう。
万が一、網の下に赤ちゃんが落ちてしまった時に、母親が気づかず育児放棄してしまうこともあります。
また、二階があるタイプのケージや、ケージの中にパイプがあるものは避けた方が無難です。
2階から落ちてケガをしてしまったり、お腹が大きくなった母親がパイプにつまって死亡してしまったり、お腹の子どもがつぶれてしまうケースもあるようです。
そして、出産用にいつもより大き目の巣箱を用意すると良いでしょう。
メスは出産に向けて巣作りを開始するので、巣材を多めに入れておき、巣作りに集中できるようできるだけそっとしてあげて下さい。
妊娠中はストレスを与えないよう、ケージの大掃除などは避けなければならないため、妊娠が分かった時に早めにしっかりと出産の準備を済ませておきましょう。
エサと水分を多く用意する
妊娠、出産には多くの栄養を必要とします。
エサにはビタミン、カルシウムの多く含まれるものがオススメです。
質とバランスが大切なので、高タンパクで低カロリーのものをあげましょう。
ヒマワリなどの種子類、ミルワームやササミ、チーズや煮干し、ニンジンなどが適しています。
主食を含め、いつもの1.5倍くらいの量のエサを与えても大丈夫です。
また、水分も多く必要なので、サツマイモやキャベツ、ホウレンソウなどの新鮮な野菜や水もたっぷり用意してあげましょう。
エサを与える時にも、できるだけ静かに刺激を与えないようにする必要があり、必要のない時にはケージにあまり近づかないようにします。
静かな場所で見守る
一般的に、ゴールデンハムスターは16日程度、ドワーフハムスターは18日程度で出産を迎えます。
出産の多くは、深夜から早朝の静かな時間帯に行われることが多いようです。
出産までの間にメスが落ち着かないようであれば、ケージに段ボールや布をかけ、少し暗めにしておいてあげましょう。
この時、空気の通り道はきちんと作っておいてあげるのを忘れないようにして下さい。
また、暑すぎたり寒すぎたりしても母親に負担がかかってしまうので、気温を一定に保てるようにしてあげましょう。
ハムスターに適した温度は22~24℃といわれています。
ハムスターの出産自体はほとんどが安産です。
特に手伝うようなこともないので、静かにそっと見守ってあげましょう。
出産後はハムスターに任せて育児を見守る
実はこの時期がハムスターの出産において最も重要な時期です。
かわいいハムスターの赤ちゃんを見たい気持ちは分かりますが、ハムスターの子育ては難しいので、ここは母親に任せておきましょう。
また、出産後のハムスターはとても神経質になっています。
ここで刺激してしまうと、ストレスから母親が育児放棄をしたり、子どもを食べてしまったりする可能性があります。
これは、母親が子育てが難しいと感じたときに起こってしまうようです。
出産したからといって安心せず、ここでしっかりと飼い主が気を付け、少なくとも一週間くらいはハムスターの子育てを静かに見守ってあげて下さい。
出産は体力を消耗するので、引き続き食事内容は栄養と質にこだわって与えて下さい。
また、ハムスターの子どもに人間のにおいを絶対につけてはいけません。
人間のにおいがついてしまうと、母親が育児放棄をしてしまうことがあります。
また、まれに巣箱の中から子どもがはみ出してしまうことがあります。
しかしその場合も素手では触らずに、カップですくったり、母親のにおいのついた(おしっこなど)ティッシュを巻き付けた割りばしなどを使ったりして戻してあげるようにしましょう。
ハムスターの出産は飼い主の準備が大切
ハムスターの出産は、想像以上に母親に負担のかかる行為です。
かわいいだけで繁殖させてしまい、飼い主がしっかりと出産についての知識や心構えがないと、母親がうまく子どもを育てることができません。
出産前に飼い主がきちんと環境を整えてあげることで、母親が安心して出産・子育てが出来るようにしてあげましょう。