ハムスターは回し車を回したり、もぐったりと、結構ちょこちょこたくさん動きます。
そんな姿を見ていると、動ける方が良い、ケージの外に出してあげた方が楽しいのではと思ってしまいます。
しかし、実は散歩にはリスクが多く負担になります。
ハムスターにとって散歩に意味はあまりない
ケージの外に出して、部屋の中を自由に動けるようにする散歩は、ハムスターも広いところに出れて気分よく遊べるだろうと思ってしまいます。
しかし、ハムスターにとって散歩は、人間の散歩とは違った意味合いを持っています。
ですから、安易に散歩させる必要はありません。
ハムスターを散歩させることは、運動や気分転換ではありません。
自分の縄張りの確認や、知らない場所をチェックして自分の縄張りにするといった動物本能が発揮される部分です。
自分の縄張りを一通りチェックしなくてはならず、そこで今までと変わりがないか、自分のニオイがついているかなどの確認をします。
ですから、散歩中は楽しいという感覚よりも、警戒や緊張の方が強くなっています。
テリトリーの確認ができれば、自分のニオイのある場所で毛づくろいなどして多少はリラックスします。
しかし、根本的には気持ちも行動も、人間の楽しい散歩とは違います。
散歩中は危険がいっぱい
ハムスターの散歩には運動やリラックスの意味合いはありません。
その上、散歩中は不慮の事故につながる危険もたくさんあります。
例えば人間です。
ハムスターは足音なく動きますので気配がしません。
そのつもりがなくても、人間が立ち上がった瞬間、歩いている時など、踏んでしまたり、急に動いてハムスターをびっくりさせてしまったりする可能性は高いです。
また、ハムスターは好奇心の強い動物ですから、散歩していて家具や家電の塀にのぼったり、隙間に入ったりすることは日常茶飯事です。
登って落ちてしまうこともありますし、隙間から出てこれなくなることもあります。
人間が考えつかない行動をするので、気を付けていてもリスクが大きいのです。
人間にも危害が及んでしまうかも
ハムスターの歯は鋭いです。
その歯でいろいろなものをかじってしまいます。
その1つがコードです。
太さがハムスターがかじるにはちょうど良く、散歩中にかじってしまうことも考えられます。
家の中でコードが全くない家庭はそうそうありませんので、どこかしらに危険が潜んでいます。
ハムスターはちょっとの高さは登ってしまいますので、床にないから安心ではありません。
コードをかじられると家電が壊れたり、火花が散ったり、最悪の場合、火が出てしまいます。
もちろん、ハムスターも感電したり、火傷することになり危ないです。
自分だけでは済まなくなる事態も起こりうるので、できるだけ散歩は避けた方が良いでしょう。
精神的負担になっている散歩
ハムスターの散歩の意味は先ほど述べましたが、テリトリーを守るという意識になるので、散歩中は気を張っています。
ちょっとした違うニオイ、配置、知らないものがある、大きな音だけでも警戒してしまいます。
常に周りを気にしているのでストレスを感じています。
人間の部屋ですから、何げなくいつもと違うものを置いたり、掃除の洗剤のニオイなどが残ってしまうこともあります。
そんな小さなことが散歩をしているハムスターにとっては、テリトリーを荒らされたと強い負担に感じてしまうのです。
さらに、散歩が習慣化してしまうと、今度は決まった時間に外に出れないと、これもストレスになってしまいます。
出せとアピールするためにケージを噛んだり、イライラを見せるようになります。
散歩しても警戒して、散歩できないのもストレスと、悪循環になってしまうのです。
運動不足は散歩ではなくケージで工夫を
ハムスターにとって散歩はマイナス要素が多いです。
ハムスターは散歩をさせなくても運動不足にはなりません。
ケージの中で自分なりに動いて自然と運動しています。
ですから、運動不足にしないためにはケージを工夫する方が重要です。
また、併せて食事内容や量にも気を付けると心身ともに健康なハムスターで、長生きできます。
ケージは大きめサイズで、上下にもぐったり、出てきたりと行き来することで動きが増えます。
また、回し車で長い距離を走ったと同じような運動もできます。
ハムスターのケージは上下、広さを十分にとったものにして、普段から運動できる空間にすることが大切です。
そうすれば、危険がたくさんの散歩よりも効率的で安心しながら体を動かすことができます。
ハムスターにとって散歩はデメリットが多い
このようにハムスターにとって散歩は気楽なものではなく、かえってストレスとなり負担になってしまいます。
また、危険も多く、飼い主としても心配事が多くなります。
ハムスターはケージで十分な運動ができ、テリトリーの広さも足りています。
ですから散歩は必要不可欠ではありません。
むしろ危険が多くデメリットの方が多いので、ケージの作りを工夫する方が良いでしょう。