ハムスターが両足を引きずって歩いている姿をまれに見ることがあります。
飼い主はこのような様子を見ると、どんな病気なのか焦ってしまうこともあるでしょう。
では具体的にどのような原因が考えられるのでしょうか。
熱中症による原因
ハムスターは暑さに弱い小動物です。
夏の猛暑日で室温が上昇すると、熱中症にかかってしまうこともあります。
ハムスターは人間のように汗を発散させて、体温調節することができません。
よって熱がこもって熱中症になりやすいのです。
ハムスターが熱中症にかかると、ぐったりして両足を引きずるようにして歩くことがあります。
室温が上昇した時、ハムスターが両足を引きずっていたら、熱中症を疑いましょう。
速やかにエアコンをつけて、温度を下げるようにします。
室温は25℃以下にするのが望ましいです。
また保冷材などでカラダを冷やすようにします。
でもカラダが急激に冷えすぎないように注意しましょう。
様子が変わらないなら、速やかに動物病院で診察することをオススメします。
腸閉塞の可能性
ハムスターが便秘の時は、両足を引きずるようにして歩くことがあります。
ぐったりして歩きにくそうな様子を見せます。
便がたまってお腹が膨らんでいたり、食欲が減るといった症状も見られます。
ハムスターはどこでも便をする習性があります。
便がケージ内に見られないようなら、腸閉塞の可能性があります。
腸閉塞をそのままにしておくと命にかかわります。
このような症状が見られたら、速やかに獣医の診察や処置を受けるようにしましょう。
また普段から便の観察をすることは大切です。
便の量や性状、色などはハムスターの健康チェックにつながります。
転倒などによる捻挫の可能性
ハムスターが捻挫をする原因として、多く見られるのは転倒です。
高い所から落ちてしまったり、ケージをつたってよじ登り、ジャングルジムをするように遊んだ後、転倒することが多いです。
また飼い主がケージを閉める時に、両足が挟まってしまうこともあります。
頭部を打ってしまうのも危険ですが、両足を打ってしまうと捻挫をする可能性があります。
捻挫をすると両足を引きずるようにして、歩きずらそうな様子を見せます。
また両足が腫れることもあります。
ですがこのような症状であっても捻挫とは判断できません。
様子がおかしいなら動物病院で診察してもらうようにしましょう。
骨折をしてしまった可能性
ハムスターが高い所から転倒したり、ケージに両足を挟んでしまった時、捻挫や打撲ではなく骨折していたというケースもあります。
両足を引きずって歩き方がおかしいだけでなく、腫れが強い場合は骨折している可能性があります。
速やかに動物病院に連れていきましょう。
ハムスターにも個体差があります。
おとなしくてあまり遊ばないハムスターもいます。
でもやんちゃで活発なハムスターは、高い所に行って遊ぶことが多いです。
またケージを噛みながらよじ登って転倒するケースもあります。
飼い主はハムスターの性格や行動を把握して、事前に環境を整えることが大切です。
中耳炎の可能性
ハムスターが風邪をこじらすと人間と同様、中耳炎になってしまう可能性があります。
中耳炎になると平衡感覚がなくなり、フラフラしてしまいます。
両足を引きずるようにして、歩きずらそうな様子を見せます。
また耳から分泌物が出たり、ニオイがするといった症状も見られます。
さらに中耳炎が酷くなると別の病気を引き起こす可能性があります。
このような症状が見られたら、すぐに獣医師の診察を受けるようにしましょう。
飼い主は普段からハムスターが風邪をひいたり、中耳炎を引き起こさないような配慮が必要です。
ケージ内の清潔を保持したり、栄養のバランスを考えて免疫力をアップさせるようにしましょう。
寿命が近い時
ハムスターの寿命はゴールデンハムスターで2年半から3年、ジャンガリアンハムスターで2年から2年半くらいです。
ハムスターは老化が始まると足腰が弱くなったり、体重が急激に減ることがあります。
特に末期になると足を引きずるようになったり、動きが鈍くなります。
苦痛を見せずに活動しようとしますが、最期は足を引きずって歩けなくなりその場で倒れてしまうこともあります。
どんなハムスターでも寿命をむかえる時がきます。
寿命が近くなったら、飼い主は様々な配慮が必要です。
場合によっては回し車を外して危険を回避したり、静かな環境で過ごせるような場所にケージを置くようにしましょう。
ハムスターが両足を引きずる原因を理解しよう
ハムスターが両足を引きずっている原因はいろいろなことが考えられます。
熱中症や腸閉塞、骨折などのほかに、寿命が近づいている可能性もあります。
飼い主は事前にハムスターが両足を引きずる原因を理解しておくと良いでしょう。
でも病気やケガなどが原因で両足を引きずっている様子なら、動物病院で速やかに診察してもらいましょう。