飼っているハムスターが軟便をしている…。
ハムスターは体が小さく、口から消化器官が繋がっているため、たかが軟便だと甘く見ていると栄養が補給出来ずにすぐに弱り、体力の回復を見込むことが出来ず、最悪の場合、死んでしまう危険性があります。
ハムスターの1日は人間の10日に相当します。
早急な対応が必要な場合もあります。
ハムスターが軟便をしているときは、どのような原因があるのかご紹介します。
ウイルスが原因
ウイルスや細菌、アレルギーの原因物質、寄生虫などが体内に侵入した場合、腸内の水分と塩分を大量に使い、異物を体外に排出しようとする反応が起きます。
これが軟便です。
これは、体を守るための自然な反応ですが、臓器のほとんどが消化器官のハムスターの場合、一部に異常が生じると他の臓器にも異常が生じ、みるみる弱っていきます。
普段は特に問題ない細菌などでも、ストレスが溜まっていたり不衛生な環境で飼育しているなどの要因によって体内で増殖し、ハムスター自身の免疫力を低下させ、体調を崩し、軟便や下痢として現れることがあります。
中でも、カンピロバクターなどの感染症が原因のときに起きる「ウェットテイル」は、とても危険な病気です。
急激に弱っていき、発症から数時間で命を落とす危険性があるので、すぐに動物病院に連れて行き、獣医師の指示を仰ぎます。
食べ物が原因
ハムスターは雑食性の動物です。
固形のハムスターフードから野菜など、何でも食べます。
ケージから散歩に出したとき、または脱走したときに、拾い食いをすることがあります。
そのときに、古い食べ物や消化が悪い食べ物を食べ、軟便になることがあります。
普段なら食べても大丈夫な食べ物でも、体調不良のハムスターが食べた場合、軟便になることもあります。
消化が悪いもののひとつに牛乳があります。
牛乳はカルシウムが豊富に含まれており、体に良さそうですが、牛乳に含まれる乳糖が軟便を引き起こします。
食べ物が原因での軟便では、ハムスターの健康を守るため、飼い主が後悔しないためにも、むやみに人間の食べ物は与えないようにします。
ハムスターが容易に人間の食べ物を口にすることが出来る環境にあるときは、早急に対処しましょう。
そして、食べられて困るものは、ハムスターの手が届かないところにきちんと直しましょう。
また、子どもなどのハムスターに詳しくない人がハムスターにエサを与えようとしているときは、与えてはいけない食べ物があることを伝え、ハムスターにとって危険な食べ物を与えないように見守りましょう。
ハムスターにエサを与えている様子を見てもらうのも良いかも知れません。
ストレスが原因
ハムスターは、環境の変化にとても敏感な動物です。
楽器やテレビなどいつも騒々しい環境下で飼育をしたり、ペットショップから飼ってきたばかりや多頭飼いの場合など、ハムスター自身にストレスがかかっている場合、軟便になることがあります。
また、ハムスターは本来夜行性の動物ですが、人間との生活により本来の生活リズムが崩れ、昼夜が逆転した生活を送ることも、極めてストレスがかかった状態です。
昼間に寝ているハムスターを無理やり起こすのもストレスがかかり、良くありません。
人間と同じく、ハムスターもストレスにより体調不良を生じます。
軟便もそのひとつで、自律神経のバランスが狂ってしまって、軟便を引き起こします。
自律神経のバランスが整えば回復に向かいますが、ハムスターは自分で自律神経を制御することが出来ません。
ハムスター自身ではどうすることも出来ないので、飼い主の管理にかかっているのです。
また、食べ過ぎや冷えなどでも自律神経のバランスが狂うことがあります。
ハムスターを飼育している部屋では、楽器の演奏を控え、テレビも、観ないか音量を下げるかしましょう。
飼ってきたばかりであるなら、構わないでそっとしてあげることが重要です。
多頭飼いが原因ならば、多頭飼いを止めて、様子を見るといった対策を取りましょう。
食べ過ぎが原因ならば、エサの量を減らして様子を見ます。
冷えが原因の場合は、ヒーターを入れて、ゲージを暖めてあげる必要があります。
ハムスターが軟便の時は病院へ
軟便を発端として、直腸脱など重要な疾患を引き起こす可能性もあります。
直腸脱になれば治療は難しく、発症から数日で命を落とすことがあります。
日頃よりハムスターの様子を観察し、少しでもおかしいと思えば動物病院を受診しましょう。