ふわふわの毛並みとくりくりとした大きな瞳。

キャンベルハムスターは可愛らしい見た目で人気があります。

カラーバリエーションが多いのも魅力です。

しかし、「気が強い性格でなかなか慣れない」との意見もあります。

本当にキャンベルハムスターは気が強く慣れないのでしょうか。

キャンベルハムスターを飼うときのポイントを見ていきます。

単独飼育が基本

キャンベルハムスターは気の強い性格のハムスターが多く、他のハムスターがいるとケンカをしてしまうため、単独飼育が基本です。

特にオス同士のケンカは非常に激しく、怪我をしたり最悪の場合死に至ることもあるため、絶対に一緒のケージで飼育をしないようにしましょう。

「ハムスターがひとりぼっちだと可哀想…」と何匹か一緒に飼育しようとする飼い主もいますが、ハムスターは縄張り意識が強い動物ですので、何匹か一緒に飼育しようとすることはかえって逆効果になり、ハムスターたちにストレスが溜まります。

また、何匹か集まると必ず強いハムスターと弱いハムスターに分かれてしまい、弱いハムスターがいじめられてしまいます。

弱いハムスターを守るためにも単独飼育を心がけましょう。

エサのバランスに気を付ける

一般的にエサの量は、体重の5%から10%くらいを目安に与えるように飼育書などにも書かれています。

しかし、ハムスターの体質や体調、性別、年齢、季節などによって食べる量は変化するため、常に体重の5%から10%の割合の量のエサを与えることは適切ではないと言えます。

ハムスターは、貯蓄が上手な動物ですので、自分が食べたい分だけ加減して食べることが出来ます。

エサ箱に山盛りに入れておき、自分で食べたい分だけ食べられるようにしておきましょう。

量よりもエサのバランスの方が問題で、ハムスターが好きなイメージがあるひまわりの種は脂質が高く、与えすぎると肥満や生活習慣病の発症を引き起こす恐れがあります。

ペレットと野菜を中心に与えつつ、少しだけひまわりの種を与えるようにしましょう。

お世話し過ぎない

「キャンベルハムスターは噛む。慣れない」という話を聞くことがあります。

キャンベルハムスターは気の強い性格の個体も多いですが、それと同じくらい臆病な性格の個体も多いです。

そのため、得体の知れないものに恐怖心を抱き、噛み付くのです。

また、臆病で警戒心も強いため、穏和な性格が多いジャンガリアンハムスターと比較すると慣れにくいと言えます。

ただし、早く慣れてもらうためにキャンベルハムスターのお世話をし過ぎるのは、かえって逆効果になります。

慣れるまでは無理に抱こうとせずに声をかけるだけにし、掃除などの必要なお世話以外は控えましょう。

慣れればキャンベルハムスターの方から寄ってくるようになります。

時間がかかる場合もありますが、気長に待つようにしましょう。

ハイブリッドハムスターは避けた方が無難

キャンベルハムスターとジャンガリアンハムスターはよく似ており、両者は同じ種類の亜種ではないかと言われていました。

古い飼育書には「キャンベルハムスターはジャンガリアンハムスターの亜種である」と記述されているものもあります。

両者は交配も可能で、交配の結果生まれたハムスターは、ハイブリッドハムスターと呼ばれています。

しかし、現在ではジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターは別種類であるとされており、交配もオススメ出来ません。

ハイブリッドハムスターは先天的な異常や病気を抱えていることもあり、長生き出来ない傾向にあります。

ペットショップなどでハイブリッドハムスターを販売していることがありますが、健康面などから考慮するとオススメ出来ません。

個体によって寿命差がある

キャンベルハムスターの寿命は約2年と言われています。

しかし、寿命の長短は個体差が大きく、長生きする個体もいれば短命に終わる個体もいます。

寿命の長さを決めるのは、食生活、生活環境、持病の有無などですが、同じ環境で飼育していても寿命がそれぞれ違うため、こうすれば長生きするとは必ずしも言えません。

しかし、健康的な生活環境を整える努力は必要ですし、飼い主の義務でもあります。

例えば運動不足になると、肥満や生活習慣病を引き起こす要因になります。

キャンベルハムスターは散歩が出来ませんので、ケージの中に回し車を設置して運動不足解消を図る必要があります。

また、極端に暑い環境や寒い環境ではストレスがかかり、体に良くありません。

健康的な生活環境を整えることにより、キャンベルハムスターが長生きする確率は上がっていきます。

繁殖の予定がないのであればオスとメスの同居は厳禁

キャンベルハムスターを始めとしたハムスターの仲間は、繁殖が非常に容易です。

1回の出産で2匹から9匹ほどの子どもが生まれ、生まれた子どもも生後約1ヶ月で性成熟し、妊娠・出産が可能になります。

そのため、オスとメスを一緒に飼育しているとあっという間に数が増えてしまいます。

また、出産直後にメスは発情するため、妊娠中もオスと同じケージで飼育していると出産直後に妊娠し、授乳をしながら妊娠生活を送る「後追い妊娠」を引き起こす可能性がとても高いです。

後追い妊娠は、母ハムスターの心と体に大きなストレスをかけ、先に生まれた子どもを食べてしまったり育児放棄を招いたりします。

繁殖する予定がないのであれば、容易にオスとメスを一緒に飼育しないで下さい。

せっかく生まれた命を不幸にすることもあります。

前もってキャンベルハムスターを診察してくれる病院を探しておく

キャンベルハムスターは犬や猫と比較すると体が小さく、病気などになっても分かりにくいことが多々あります。

しかも、ハムスターは野生では弱い立場の動物であるため、病気などを隠してしまう面もあります。

日頃からハムスターの小さな変化に気を付けるのはもちろんですが、治療が必要になったときは飼い主にはどうすることも出来ません。

そのため、キャンベルハムスターなどのエキゾチックアニマルに強い獣医師のいる動物病院を探しておく必要があります。

出来るなら、キャンベルハムスターを飼育する前に探すのが望ましいです。

そして、何か気になることがあれば、獣医師に相談して指示を仰ぎましょう。

獣医師と飼い主の連携で救える命もあります。

キャンベルハムスターとは長いスパンで距離を縮めよう

確かに気が強い一面もありますが、自分より遥かに大きな人間に触られるのはハムスターにしてみれば恐怖以外の何物でもなく、自分を守るために仕方なく噛んでしまったことがほとんどであります。

また、臆病な一面もあり、慣れるまでは時間がかかるかも知れません。

キャンベルハムスターとの生活を実りあるものにするためには、飼い主がハムスターに合わせ寄り添う必要があることを忘れないで下さい。