犬にブロッコリーをあげる時は注意が必要です。
玉ねぎはあげてはいけないことはよく知られていますが、他にもたくさんあります。
今回は犬にブロッコリーをあげるときにはどのような影響があるのかをご紹介します。
甲状腺の機能低下
ブロッコリーにはカロチン(ビタミンA)やビタミンB群、カリウムなども含まれていて、栄養価も高い野菜なので、犬にも与えたいと思うかもしれません。
しかしブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれる「グルコシノレート」という成分が、消化酵素によって加水分解され、甲状腺にヨウ素を吸収するのを妨げる「ゴイトロゲン」と物質に変化してしまいます。
ヨウ素の吸収が上手くいかないと甲状腺ホルモンが作られにくくなり、脳から甲状腺の動きを活発にする指令が出てしまい、甲状腺に負担が掛かり、甲状腺の機能が低下してしまうことがあります。
尿路結石
ブロッコリーには「シュウ酸」と言う成分が含まれています。
犬に限りませんが、動物にとってこの「シュウ酸」と言う成分を多く摂り過ぎてしまうのがよくありません。
「シュウ酸」を摂り過ぎると尿路結石になりやすくなります。
ブロッコリーの他にほうれん草にも「シュウ酸」が含まれます。
生のブロッコリーはこのほうれん草ほどではありませんが、「シュウ酸」を多く含んでします。
生のブロッコリーと大量に食べさせると「シュウ酸」の摂り過ぎになってしまいます。
ちなみに「シュウ酸」は茹でて水にさらしたら減らすことができます。
便秘や下痢
ブロッコリーは食物繊維が豊富です。
食物繊維は腸内の悪玉菌や有害物質を減らす作用があり、おなかの調子にはなくてはならないものです。
しかし、摂り過ぎになってしまうと下痢になったり、便が緩くなったりしてしまうことがあります。
それとは逆に便秘になってしまう犬もいます。
喜んで食べるからついつい大量にあげてしまうかも知れませんが、人間と同じで個体差というものがあります。
ほんの少し食べただけでも便が緩くなってしまう個体もいれば、全く大丈夫な個体もいます。
しかし大量に食べてしまい、消化不良が起きれば、ガスも溜まり、便秘になってしまいます。
与える時は出来るだけ細かく刻んで、消化しやすいように配慮も必要です。
アレルギー症状
上記の通り、犬にも個体差があります。
つまり合う・合わないがあるということです。
合わないと人間と同じようにアレルギーの症状が出てしまうことがあります。
アレルギーの症状にも度合いがありますが、おう吐、下痢、むくみ、はれ、体毛が抜ける、体中かゆがる、発疹が出る、皮膚が赤くなる、元気が無くなるなどの症状が出ることがあります。
ブロッコリーは他の食材に比べてもアレルギー反応を起こすことは少ないと言われていますが、ないとは限りません。
失明や皮膚疾患
アブラナ科の根の部分や種子には、イソチオシアン酸塩とβ‐フェニールイソチオシアン酸塩を含むカラシナ油(トキシン)という毒性があります。
ブロッコリーのもこもこした上の緑の部分は花、つまり種子ということになり、毒性があるのがそれに当たります。
このカラシナ油(トキシン)の毒性は目と粘膜に非常に強い毒性があり、目の近くについてしまうと失明してしまう、皮膚に接触すると水泡や激しいかゆみを伴った損傷や自傷行為の原因となる、他に胃腸障害・悪心・おう吐・血を含む下痢なども起きる、等々の症状が起こることがあります。
花の部分には毒性がありますが、茎の部分には毒性はありません。
胃拡張・胃捻転
秋田犬やグレートデンなどの大型の犬に関してですが、これらの犬は胃拡張や腸ねん転という病気になりやすいと言われています。
胃拡張・胃捻転は胃に空気やガスが急激に溜まり、胃がねじれてしまって胃の出入り口が塞がってしまう病気です。
胃がねじれた時に腹腔の大きな血管を巻き込み、心臓に血液がいかなくなります。
その為、ショック状態になって胃や腹腔の臓器が壊死して、死に至ってしまいます。
ブロッコリーやキャベツはお腹の中でガスを発生させる酵素を持っているので、あげるのを避けた方が良いでしょう。
酸素欠乏症
ブロッコリーやホウレン草などの緑黄色野菜には硝酸態窒素という物質が含まれており、これは犬にも良くありません。
硝酸態窒素は酸素呼吸をする生き物の邪魔をします。
大量に摂取すると血液中のヘモグロビンを酸化し、メトヘモグロビン血症などの酸素欠乏症を引き起こす可能性があります。
犬にブロッコリーをあげるときは注意
今回、様々な理由をご紹介しましたが、いずれにしても少量であれば特に問題はありません。
ただ、こうしたリスクを伴うことを十分理解したうえで与える様にしましょう。